「口座振替」「給与天引き」拠出の方法によって申告方法が変わる

会社員が「iDeCo」を使ったら「確定申告」って必要?

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60歳まで非課税で積立運用ができる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」には、所得控除を受けられるというメリットがある。掛金全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となるからだ。

所得控除が受けられるということは、確定申告が必要になるということだろうか。「iDeCo」を利用した際の申告方法について、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんに教えてもらった。

「口座振替」にしている人は年末調整で申告完了

「『iDeCo』を使っている人が個人事業主や専業主婦であれば、確定申告での申告が必要です。一方、会社員や公務員の場合は、必ずしも確定申告が必須というわけではありません。掛金の拠出の方法によって、申告の方法が変わります」(山中さん・以下同)

会社員・公務員の「iDeCo」掛金の拠出方法
(1)個人払い込み(口座振替)
自分の預金口座から「iDeCo」口座へ送金する方法。

(2)事業主払い込み(給与天引き)
自分の給与から掛金を天引きし、会社に振替の手続きをしてもらう方法。会社によっては受け付けていない場合も。

「(1)口座振替の場合は、毎年11月頃に『小規模企業共済等掛金控除証明書』というハガキが届きます。そのハガキを会社に提出すると、年末調整で税額を計算してもらえます。『生命保険料控除』などと同様のイメージです。ただ、『iDeCo』の加入が年末に近くなり、『小規模企業共済等掛金控除証明書』が年末までに届かない場合は、自分で確定申告をする必要があります」

もし「小規模企業共済等掛金控除証明書」をなくしてしまった場合は、「iDeCo」口座を開設している金融機関のコールセンターに連絡すること。再発行の方法を教えてもらえる。

「給与天引き」にしている人は手続き不要

「(2)給与天引きの場合は、会社が掛金分を引いた状態の給与額で源泉徴収を行ってくれます。例えば、給与30万円で掛金が2万円だとしたら、28万円を給与額として源泉処理をしてくれるのです」

源泉徴収とは、会社が個人に代わって所得税を納付する制度のこと。掛金が源泉徴収の対象から外れるということは、税金が課せられていないことになるため、所得控除の申告の必要がなくなるのだ。

「会社で給与天引きによる『iDeCo』の利用が許可されているのであれば、給与天引きを選んだ方が手間がなく、申告を忘れることもありません。また、証明書を提出して年末調整で支払いすぎた税金を還付してもらう場合は、ついボーナスのように感じて使ってしまいがちな人もいるのではないでしょうか。その点、給与天引きであれば掛金が毎月所得控除となるので、得した税金を知らない間に使ってしまうということを避けやすくなります」

月2万円の拠出で年3万円超の税額軽減に

会社員・公務員の場合、勤める会社や機関に「iDeCo」を使っていることを申請すれば、それほど手間なく所得控除を受けられそうだ。ところで、「iDeCo」による所得控除で、どのくらい税金を減らせるのだろうか。

「『iDeCo』に拠出することで、課税所得額に応じて税額が決まる所得税・住民税が減ります。所得税は課税所得額によって税率が変わり、住民税は基準となる税率10%で計算されます。住民税の税率は、都道府県や市区町村によって変わることもあります」

課税所得とは、年収から給与所得控除、所得控除を引いた金額のこと。課税所得に税率をかけ、控除額を引いた額が税額となる。

「iDeCo」を使った場合、拠出した掛金全額に税率をかけた金額が軽減される。例えば、課税所得350万円で、毎月2万円(年間24万円)拠出しているとすると、所得税・住民税合わせて7万2000円減額となるのだ。

所得税:24万円×20%=4万8000円
住民税:24万円×10%=2万4000円

「所得控除の金額を知りたい場合は、年末から年明けにかけて会社から配布される源泉徴収票をチェックしましょう。『配偶者控除』や『生命保険料控除』などと一緒に『小規模企業共済等掛金控除』も記載されるため、『小規模企業共済等掛金控除』の軽減負担の割合がいかに大きいかわかると思います。もっと手軽に知りたければ、ネット上で確認することもできます」

iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」
https://www.ideco-koushiki.jp/simulation/

将来に備えて掛金を拠出することで、今手元に残るお金を増やすこともできるとわかれば、「iDeCo」への関心がさらに高まるのでは。まだ始めていない人は、この機会に動き出してみよう。
(有竹亮介/verb)

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