世界共通語「ESG/SDGs」

「投資INSIDE‐OUT」

深化するESG~ESG投資(4)~

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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「投資INSIDE-OUT」~ESG投資~では、ESGとは何か?なぜ今ESGが必要なのかを探っていきます。

高まる「S」への注目!

世界的なESGへの注目が高まる中、従来のE(Environment:環境)やG(Governance:ガバナンス)を重視する流れとは別に、ここにきて世界的にS(Social:社会)に注目する向きが増えてきています。「S」では従来、女性登用、ダイバーシティ(多様な人材を積極的に活用すること)が中心的話題でしたが、足元では世界的に賃金格差や人権問題への適切な対応を求める動きが急速に高まっています。

英国では、2015年に現代奴隷法が制定されました。また、2019年には米国SEC(証券取引委員会)が人的資源の多様性を考慮した企業開示を義務付けています。また最近では、2020年10月にPRI(国連責任投資原則)が署名機関に対し、適切な人権対応を求めると発表しました。

※企業にサプライチェーン上の奴隷制を特定し、根絶するための手順の報告を求めるもの。 2018年にはオーストラリアでも制定された。

グローバル企業に対する具体的な要求としては、従来からのダイバーシティなど人的資本に加え、賃金格差の是正、途上国の工場やサプライチェーンでの人権デューデリ(人権侵害のリスクについて予防策・軽減策をとること)の実施など、いわゆる社会資本にも着目した流れとなっています。

例えば、2020年4月、米国の大手食肉加工業者で多くの新型コロナ感染者が発生しましたが、劣悪な労働環境であったことが指摘されており、2021年2月には同社に対して人権デューデリの実施を求める株主提案が出され、機関投資家の大多数が賛成しました。また最近では、日本企業に対しても中国の新疆ウイグル自治区での人権問題を発端とし、現地の綿花工場などでの人権侵害状況の適切な管理を求める要求が海外シンクタンクから出てきています。

グローバルな企業活動を多面的に評価しようとする試みが広がっています。日本企業においても、さらに意識を高めた対応が必須となりそうです。

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