「投資INSIDE‐OUT」
公的年金の運用が過去最大の黒字!~語られざる投資の真実(42)~
提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント
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「投資INSIDE-OUT」~語られざる投資の真実~では、マーケットでは知られているもののハッキリとは語られない、でも投資をする上で大切なことを考えていきます。
「赤字」と比べて、「黒字」の報道は目立たないけれど・・・
公的年金の運用を行うGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は7月2日、2020年度の運用実績を公表しました。運用収益額はコロナショック以降の世界的な株高の進行が追い風となり、約37.8兆円と過去最大の黒字となりました。
GPIFは2014年に基本ポートフォリオを見直し、内外株式の比率を24%から50%に引き上げました。図表のとおり、2015~19年度は累計の収益額が伸び悩んだものの、2020年度は米国の主要株価指数の最高値更新が続き、また日経平均株価が一時約30年半ぶりに3万円の大台を回復する中、運用収益が大きく膨らみました。この結果、市場運用を始めた2001年度以降の収益額は約95.3兆円まで積み上がりましたが、これは2014年の見直しの成果と見ることもできそうです。
しかしながら、GPIFをはじめとする「機関投資家」は、運用結果が良いのは当たり前であり、ある期間の収益額がマイナス(赤字)となると批判されることがあります。
2019年度のGPIFの収益額は約▲8.3兆円と、リーマンショックがあった2008年度以来の巨額の赤字でした。その当時、「老後の貴重な財産を、大きな振れ幅を伴う可能性がある市場のリスクにさらしたままでよいのか」といった批判的な報道も数多く見られました。
今回の黒字も、収益額には「評価」益が含まれるため、株価が下がれば減る計算となります。赤字の「評価」損が株高で減るのと同じ話です。長期投資を行うに際して、一時的な評価益、評価損の「振れ」だけをとって一喜一憂する必要はないと思われます。
機関投資家と異なり、個人投資家が世間から批判されることはまずありません。少々のことにも慌てず、でんと構えて、長期投資に臨みたいものです。
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