リタイア後のマネー事情

老後資金づくりのラストスパート

最後のためどき、子育て終了後のお金の貯め方・増やし方

提供元:Mocha(モカ)

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子育ては、どの家庭にとっても一大事業ではないでしょうか。時間もお金も気づかいも、多くのリソースが必要です。そのため、子育て中は自分のことは後回し、なかなか貯蓄まで行き届かなかったかもしれません。
しかし、子育てが終了したら状況は変わります。子育て終了後は、貯蓄を増やすチャンスです。今回は、リタイアまでにしっかり貯める、最後のためどきのポイントをお伝えします。

家計の見直し3つのポイント

子育て終了と言えるタイミングは、それぞれの考え方にもよりますが、今回は、子どもが学校を卒業し、社会人になった時を子育て終了として考えていきます。その場合、子育て終了後は家計が大きく変わりますが、流れにまかせているのはオススメできません。ここでしっかり家計の見直しをすることが大切です。

家計見直しのポイントは、大きくわけて3つです。

●家計見直しのポイント1:子どもに使っていたお金は貯蓄する

子どもが社会人になるまでは、何かとお金がかかります。お小遣いは子ども自身がアルバイトをするにしても、そのほかに学費、交通費、テキスト代など定期的にまとまったお金が必要になります。また、専攻や部活動によっては合宿費や設備費、保護者会費などがかかることも。

このような子どもに使っていたお金は、すべて貯蓄することが基本です。
子育てが終了すると、親の務めも区切りがつき、ちょっとした贅沢もしたくなるでしょう。しかし、お祝い気分は期間限定でほどほどにしたいもの。
プチ贅沢が日常化してしまうと、貯蓄にまわすお金がなくなってしまいます。

●家計見直しのポイント2:生活費は安くできる

子どもが社会人になると、生活費も安くなります。子どもが社会人になったタイミングで実家を出て独立すれば、食費だけではなく、日用品や水道光熱費も一人分少なくなるからです。
社会人になる前から一人暮らしをしていたら、これまでしていた毎月の仕送りがなくなりますので、その分の負担が軽くなります。

子どもが実家に同居する場合には、毎月3~5万円程度の生活費は入れるようにして欲しいですね。このお金は、生活費としてありがたく使いましょう。子ども名義で全額預金しておき、結婚の時に渡すという計画も素敵ですが、その分自分の貯蓄が少なくなり、老後のお金が不足すると、かえって子どもに心配をかけてしまいます。

生活費を安くできたら、その分も貯蓄にまわします。
子育てが終了する頃、親の年齢は50代前後が多いと思いますが、会社員としての収入がピークになる時期です。つまり、子どもに使っていたお金をまるまる貯蓄に回しても、さらに余力がある可能性が大きいのです。
ですから、生活費を見直して、貯蓄のペースを上げることができます。

●家計見直しのポイント3:時間の見直しで収入アップ

子育てが終了すると、お金だけではなく時間にも余裕ができるでしょう。時間もまた、有効に使っていきたいですね。会社員の場合、50代前後で収入がピークになっても、その後定年退職、再雇用などで働き方が変わると、収入減は避けられません。

そこで、リタイア後の収入アップにつながることを始めるといいでしょう。
人脈やスキルを活用した副業ならば、豊富な社会経験を活かせます。あるいは、資産運用もいいですね。公的年金に上乗せできる、自分なりの収入源を持っておくと安心です。

貯め方・増やし方の3つのポイント

家計の見直しで貯蓄にまわせるお金が増えたら、3つのポイントを押さえて貯めて増やしていきましょう。

●貯め方・増やし方のポイント1:安全性

まずは、安全性が重要です。大切な老後資金として貯めるのであれば、いくらハイリターンが魅力的でもハイリスクな投資をするべきではありません。大きなリターンが望めなくとも、まずは安全性重視でローリスクの金融商品で資産づくりをしていきましょう。
具体的には、銀行などの預貯金、個人向け国債が挙げられます。

預貯金は、必要な時にすぐに現金化して使える点も安心です。生活費の半年~1年分を目安に貯蓄しましょう。いざという時の緊急予備資金としても使えるお金になります。

●貯め方・増やし方のポイント2:確実性

そして、将来まとまった資金として受け取れるような、確実性も大切。貯蓄が一定金額まで用意できたら、老後資金として確実に使えるお金も準備したいですね。
iDeCo(=イデコ、個人型確定拠出年金)は、確実かつおトクに老後資金が作れる制度です。毎月5000円の掛金から始められ、掛金は全額所得控除になるので、所得税と住民税の節税になります。その他にも運用益が非課税、受け取り時の税制優遇もあります。

受け取りは、iDeCoの加入期間が10年以上あれば60歳から、10年未満の場合は期間によって最長65歳になります。
受け取り可能になるまで、基本的に引き出しできない仕組みなので、掛金の増やし過ぎは禁物ですが、確実に老後資金がつくれる制度と言えるでしょう。

●貯め方・増やし方のポイント3:継続性

さらに、コツコツと続けられる継続性も大切です。預貯金、iDeCoとも、毎月コツコツ続けることで目標金額を達成できます。そのうえで、さらに余力があるなら投資も選択肢のひとつ。
たとえば、積み立てタイプの投資信託、株式投資など、定期的に一定金額を積み立てる金融商品は、始めてしまえばその後はほったらかしにしておいても、着々と投資を続けられます。
気づいた時に、まとまった資金ができていたら嬉しいですね。

リスクをおさえて投資をするなら、つみたてNISA(積立ニーサ)の利用がオススメ。金融庁の厳しい基準をクリアした、長期積立に適した投資信託のなかから投資先を選べます。
さらに、運用益が非課税でおトクです。引き出しはいつでもできる点も安心ですね。

子育て終了後は、家計の変化に合わせて貯蓄ペースを上げることが可能です。
安心して楽しいセカンドライフを送れるよう、今から準備をしてはいかがでしょうか。

[執筆:ファイナンシャルプランナー タケイ啓子]

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