扶養から外れない口座はどれ?

投資の利益で扶養を外れることがあるので注意 口座の選び方が重要

提供元:Mocha(モカ)

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今や株や投資信託は、数百円から購入できる時代です。少額投資が浸透し、手軽に始められる投資に関心のある方は多くなってきました。しかし、扶養に入っている人(専業主婦・主夫など)が投資で儲かると、「扶養から外れてしまうのでは?」と不安になってしまうかもしれません。果たして、投資の利益で扶養を外れることはあるのでしょうか。

この不安を解消する鍵は、投資の「口座の種類」にあります。

投資の口座には特定口座と一般口座がある

証券会社で投資をする際に開設する証券口座には、「特定口座」と「一般口座」があります。特定口座は、さらに源泉徴収ありと源泉徴収なしに分けられます。つまり、全部で3種類あります。これらの口座は、税金の納め方に違いがあります。

(1)特定口座(源泉徴収あり)

特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が1年間の損益を計算して年間取引報告書を作成してくれる口座です。しかも、利益が出たときに、その利益から証券会社が税金を源泉徴収してくれます。税金の支払いはこれで完了するので、確定申告をする必要がありません。投資の利益と損失を相殺して税額を計算する「損益通算」も自動的に行ってくれます。

(2)特定口座(源泉徴収なし)

特定口座(源泉徴収なし)も、証券会社が年間取引報告書を作成してくれる口座です。しかし、証券会社は税金を源泉徴収しません。ですから、税金の納付や還付の手続きは年間取引報告書を利用し、自身で確定申告をして行います。

(3)一般口座

一般口座は、証券会社が年間取引報告書を作成しない口座です。もちろん、投資で利益が出ても源泉徴収しません。ですから、利益が出た場合には確定申告が必要です。一般口座では、自分で税金の計算をして、確定申告を行い、税金の支払いをしなくてはなりません。

扶養を外れない口座は「特定口座(源泉徴収あり)」

上記で紹介した口座の内、扶養を外れない口座は(1)の「特定口座(源泉徴収あり)」です。

特定口座(源泉徴収あり)であれば、いくら利益が出たとしてもその利益を受け取る時点で税金が引かれるため、課税対象の所得ではなくなります。確定申告の必要もないので、扶養から外れる心配はありません。

しかし、(2)の「特定口座(源泉徴収なし)」や(3)の「一般口座」を選択して利益を得ると、確定申告をする必要があります。

株式等の譲渡所得等は、確定申告をした場合、配偶者控除や扶養控除の基準となる「合計所得金額」に含まれます。たとえば、専業主婦(夫)の方が投資で48万円以上の利益を得ると、確定申告をした際に、配偶者の税額の計算上、配偶者控除から外れることになってしまうのです。ですから、扶養されたままでいたい場合は、確定申告が不要な「特定口座(源泉徴収あり)」を選びましょう。

特定口座(源泉徴収あり)よりも非課税を優先

投資はすべて(1)「特定口座(源泉徴収あり)」で行えばいいのかといえば、そうではありません。特定口座(源泉徴収あり)で利益を得ても、利益の部分に対して、20.315%の税金がかかります。

しかし、NISA(ニーサ)やつみたてNISAなどを利用すれば、利益が出ても税金が引かれずに非課税で運用できます。また、老後資金を用意するのであればiDeCo(イデコ)を活用すると非課税で運用できるうえ、掛金が所得控除の対象となりますので、所得税や住民税を安くすることができます。NISAやiDeCoの活用を優先するべきでしょう。

ただし、NISAやiDeCoでは、損失が出ている場合に他の利益と相殺して税額を減らす損益通算ができない点には注意が必要です。

まとめ

扶養に入っている人(主婦・主夫など)が扶養から外れずに投資を行うためには、「特定口座(源泉徴収あり)」を選択する必要があります。「特定口座(源泉徴収なし)」や「一般口座」では、確定申告が必要になるため、扶養から外れてしまう可能性があります。

ただし、それよりも先に、非課税で投資ができるNISA・つみたてNISAや、老後資金を用意できるiDeCoなどをうまく組み合わせて投資を行うのがおすすめです。節税効果が得られて、お金を効率よく増やせるからです。ぜひ、NISA・つみたてNISA・iDeCoから投資をスタートしてください。

[執筆:ファイナンシャルプランナー  小塚歩]

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