新しい金融のカタチ

メルカリの使い方教室も実施

アイザワ証券が自由が丘から発信する、新しい証券会社のカタチ

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近年はオンラインでの株式取引が増えているが、自分の大切なお金を投資するからこそ、ネットだけでなく、詳しい誰かに相談しながら投資したい人もいるはず。特に投資を始めたばかりの初心者は知識が少なく、そういったニーズも多いのではないか。この点から、対面型の証券会社や店舗のニーズもあるだろう。

そんなニーズに応えるように、新しいコンセプトで作られた証券会社の店舗がある。2021年1月にリニューアルオープンしたアイザワ証券自由が丘支店だ。証券会社にありがちな“堅い”イメージを取り除き、入りやすさを重視したこの店舗は、投資相談だけでなく、地域のPTAやママ友パパ友の集まりにも開放するという。また、メルカリの使い方教室なども催し、地元の人が気軽に立ち寄れる地域密着型の店舗を目指す。

デジタル全盛の時代に、なぜアイザワ証券はこのような店舗を作ったのか。自由が丘支店の支店長を務める小島健治氏と、同支店に所属する資産形成課課長の越野明彦氏を訪ねた。

ネットにあふれる情報を、個人にカスタマイズするのがリアルの価値

自由が丘支店が今までにない店舗となった背景には、アイザワ証券が抱えていた課題があるという。小島氏が説明してくれた。

「お客さまの高齢化が進み、一方で現役世代(資産形成層)とのつながりが薄い状態が続いていました。当社のお客さまは、7割が高齢者層です。そんな中、自由が丘支店をリニューアルオープンするタイミングとなり、この店舗を資産形成層にアプローチするパイロット店舗にしようという動きが起きました」

こうして始まった店舗リニューアル計画において、まず議論となったのが「資産形成層との接点をどう作るか」だった。デジタル/ネットに親しんできた世代ではあるが、リアルなコミュニケーションも大切にしようと考えたという。その理由を、越野氏はこんな風に説明する。

「インターネットからはいくらでも情報は取れますが、それをどう自分に活かせばいいのか、個人の立場や資産状況に照らし合わせるのは難しい。それをできるのは、店舗のようなリアルの場です。そこに価値があると思いました」

小島氏も、他人に相談しづらいお金のことだからこそ、「インターネットの情報だけでは信頼しきれない方もいるはずです」と続ける。

こういった考えから、リアルとネットの両方で接点を持つ店舗を目指したという。リアルの接点とは、対面、ウェブ会議、電話による相談など。アイザワ証券の強みである、人と人との対面コミュニケーション力が発揮される場だ。対するネットの接点については、自由が丘支店が発信する情報をネットに残し、資産形成層がいつでも得られる状況にすることで接点を作るという。ネットの情報と店舗の活動をリンクさせ、店舗への信頼や親近感を生む狙いもあるようだ。

「店舗でどんなサービスを行うかは、若手スタッフを中心に企画立案していきました。資産形成層の気持ちがわかるのは、やはり同じ世代のスタッフですから」(小島氏)

店内をよく見ると、カウンターがどこにもない


こうして生まれた“新”自由が丘支店は、若い人たちが利用しやすい環境づくりを徹底した。店舗はカフェやサロン風のデザインで、ガラス張りのため外からも見える。「証券会社にありがちな“入りづらい雰囲気”を打ち消そうと考えました」と越野氏。

面白いのは、店内にカウンターがない点だ。お客さまと営業員の垣根、心の壁をなくそうとしたという。

「スタッフの服装も、従来の黒いスーツではなくオフィスカジュアルに。実は、こういった格好で接客した経験が今までになくて。最初はお客さまが嫌がるのではないかと不安で、自分からこの服装の印象を聞いたくらい(笑)。でも、気にするお客さまはいませんでしたね。むしろそれが今の時代の普通なのだと思います」(越野氏)

この店舗は、資産形成やライフプランの相談を行うのはもちろん、地元のPTAやママ友パパ友同士の集まりなどにも使えるという。証券会社の支店というより、地域のコミュニティスペースという位置付けが近いのかもしれない。自由が丘という場所柄、女性が多く、その人たちがカフェのように立ち寄る場所になればいいという。実際、コーヒー一杯飲みにくるだけの利用でも問題ないとのこと。小島氏は「デロンギのコーヒーメーカーでいれた、こだわりのコーヒーを無料で提供しています。いつでも飲みに来てください」と笑顔を見せる。

店舗では定期的にイベントも行っていくが、ここでも従来の投資セミナーとは違ったイベントを計画しているようだ。

「大人の投資初心者に向けて、面白さを追求した投資の授業を行う予定です。投資の指標をキャラクターにたとえて説明したり、ゲームやクイズを取り入れたり。『TARA-REBA』という、アイザワ証券の考案した投資疑似体験ゲームも行えます。そのほか、メルカリの使い方教室など、資産形成に限らず、さまざまなイベントを実施する予定。コロナの状況を見ながら、徐々に開催していきたいですね」

これまでの店舗とは一線を画す自由が丘支店。小島氏は「ちょっとした悩みごとも気軽に相談できる、『隣のアイザワさん』のような存在になれれば」という。資産形成だけでなく、日常の小さな悩みを話せる場所に。アイザワ証券は、自由が丘の地から「新しい証券会社の形」を模索していく。


(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)

※記事の内容は2021年9月現在の情報です

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