アメリカの指数に連動する2種類のETFの違いをチェック!

最近よく見かける「VOO」「QQQ」ってなに?

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近年、個人投資家の間で盛り上がりを見せている米国株投資。GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)などの個別銘柄はもちろんだが、指数などに連動するように作られたETFも注目を集めている。

特に耳にする機会が多いのが、アメリカの取引所に上場している「VOO」「QQQ」というETF。果たしてどのような内容のETFで、なぜ話題になっているのか、米国株ブロガーのたぱぞうさんに教えてもらった。

代表的な指数S&P500に連動する「VOO」

「『VOO』は、アメリカの資産運用会社・バンガードが提供するETFで、正式名称が『バンガード S&P500 ETF』。経費率0.03%と、アメリカの指数であるS&P500に連動するETFで日本国内で購入できるもののなかでは、購入にかかる経費が最安レベルといえます」(たぱぞうさん・以下同)

S&P500とはアメリカの代表的な指数の1つで、主要な上場企業500社の時価総額の平均を指数化したもの。そのため、「VOO」の構成銘柄には以下のような巨大企業が含まれる。

・Apple
・Microsoft
・Amazon
・Facebook
・ジョンソンエンドジョンソン
・VISA

ちなみに経費率とは、ETFを運用するために必要な費用で、保有コストを指す。その費用が純資産総額に対してどのぐらいの割合かを表したもの。つまり、上記のVOOの例では、当該ETFに100万円投資していた場合、1年間で300円の保有コストがかかることになる。(いずれも税金は考慮していない)

「かつてバンガードでは、米国市場のほぼ全体に投資する『VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)』が主要銘柄となっていたのですが、現在は『VOO』の方が運用総額が大きくなり、バンガードの主力ETFと呼べるまでに成長しています。長期的にリターンが増え続けている実績も、魅力といえるでしょう」

新興企業の指数NASDAQ100に連動する「QQQ」

「『QQQ』とは、アメリカの独立系資産運用会社・インベスコが提供するETF『Invesco QQQ Trust Series 1』のことです。連動する指数はNASDAQ100。NASDAQは米国の代表的な株式市場の一つで、ハイテク企業やIT関連の企業など新興企業が占める割合が大きいところが特徴。そのなかの時価総額上位100社の指数なので、S&P500と比べると“将来性に期待する指数”といえます」

成長性のある企業が含まれる指数であり、現在はGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)が40%程度を占めるという。「QQQ」は、これらの企業に分散投資していることになる。

「もともとNASDAQ100は『ボラティリティ(価格の変動性)の高い指数』という認識が持たれていましたが、2015年にITバブルの高値を抜いたことで、支持されるようになった印象があります。S&P500ほどの安定感はありませんが、この5年は成長しているので、これからに期待してみるのもいいでしょう」

たぱぞうさんは「『VOO』と『QQQ』を“コア&サテライト”の考え方で選ぶのも1つの方法」と、話す。

「安定感のある『VOO』をメインにしながら、GAFAMなどの成長性が期待できるハイテク銘柄を多めに組み入れた『QQQ』もプラスすることで、有意義な投資が実現する可能性が高いといえます。直近10年の米国株のリターンは、期待リターンなどのロジックを吹き飛ばすほど上がっているので、米国株も選択肢に入れてみましょう」

リアルタイムの売買にも積立にもハマるETF

「VOO」「QQQ」はどちらもETFだが、米国株に投資するには投資信託よりもメリットが大きいといえるのだろうか。

「ETFは上場されているので、個別株と同様にいつでも売買できるという特徴があります。そのため、価格の変動に合わせて売買したい人に向いた商品といえるでしょう。一方、投資信託はリアルタイムでの売買はできない商品なので、市場から距離を置き、機械的に積み立てていきたいという人に向いています」

投資への向き合い方や資産形成の方法によって、相性の良い商品が変わってくるというわけだ。

「ただ、現状『QQQ』は投資信託よりも信託報酬が低いので、積み立てにも向いた銘柄といえます。『ETFだから』『投資信託だから』と商品の違いにこだわりすぎず、まずは投資を始めてみることがもっとも大事だと思います。経験を積むことで、自分自身やライフプランに合う投資手法が見つかるはずです。そして、始める際に注意してほしいのは、『勧められたからVOOを買おう』というきっかけで始めないこと。きちんと吟味して、納得したものに投資するようにしましょう」

「VOO」「QQQ」はアメリカの取引所で上場されているETFだが、東京証券取引所でもアメリカの指数に連動するETFが上場されており、国内ならではの魅力もあるそう。

「『VOO』『QQQ』が連動するS&P500やNASDAQ100の指数には、東証上場ETFでも投資が可能です。東証上場ETFの場合、基本的には外国株専用口座を別途開設する必要がなく、馴染みのある円貨ベースで取引できるといった魅力があります。また、適正な税金を自動的に計算してくれる『二重課税調整制度』が導入されたので、米国株に投資する際の手間もかかりません。『VOO』『QQQ』と比較しながら、投資する銘柄を検討するといいでしょう」

なお、たぱぞうさんへ取材した別記事(二重課税調整)で詳細を述べるが、外国資産へ投資する東証上場ETFの利便性が上がっているようだ。

米国株に連動するETFもさまざまな銘柄が登場し、投資が多様化してきている。銘柄の情報を集めながら、改めてライフプランや投資に対する考え方を見直し、マッチするものを選ぶといいだろう。
(有竹亮介/verb)

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