誰もが加入すべき、ではありません

iDeCoに加入すべき人、しない方がよい人

提供元:Mocha(モカ)

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コロナ禍で景気の先行きが不透明で、生活が安定しないという人もいらっしゃることでしょう。

老後資金が足りるかどうか不安になって、投資は初心者だけれどiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)を始めてみようかと思う人が多くなっています。

しかし、一般的には老後資金を準備するのに有利な制度も、加入しない方がよい人がいるのはご存知でしょうか。

今回はiDeCoの制度概要をふまえて、iDeCoに加入すべき人と加入しない方がよい人を確認していきましょう。

iDeCoってどんな制度?

老後資金を準備する方法の一つに確定拠出年金があります。iDeCoは個人型確定拠出年金の略称で、毎月定期預金や保険、投資信託の中から自分で商品を選び、運用していくものです。公的年金に加入する60歳までの人が対象で、証券会社や銀行などを通じて加入することができます。

iDeCoには、3つの税制優遇制度があります。

①掛金が全額所得控除になるため、所得税と住民税を安くできます。
②運用益に通常かかる20.315%の税金が課税されないため、複利効果が大きくなります。
③給付を受けるときに、退職所得控除や公的年金等控除という税金の優遇制度が使えます。

上手に使いこなすことができれば、老後資金を節税しながら効率よく準備することができます。

ただし、確定拠出年金で積み立てたお金は、60歳になるまで引き出すことができず、運用中は手数料が発生します。

iDeCoに加入すべき人はどんな人?

まず、iDeCoに掛金を拠出しても負担にならない収入があることが大前提です。そのうえで、iDeCoに加入すべき人はどんな人か、見てみましょう。

iDeCoに加入すべき人1:老後資金を準備したいと思っている人

高齢化が進む日本では、年金だけでは老後資金が十分ではありません。何らかの方法でコツコツ老後資金を貯めていくことが必要だと感じている人は、掛金が所得控除になって節税できるiDeCoを活用しましょう。

ただし、60歳までに使いたい教育資金などの運用には向かないので、資金の優先度を考えて掛金の額を検討しましょう。

●iDeCoに加入すべき人2:会社員・公務員

老後を支える退職金。ですが、勤める会社に退職金制度がなければ、もらうことができません。

厚生労働省の調査によれば、1000人以上の従業員がいる企業では9割以上が退職金制度を導入していますが、全体では退職金制度がある会社は80.5%と、5社に1社は退職金がありません(平成30年就労条件総合調査)。

退職金がなければ、日頃から何らかの形で資産形成を行わなければなりません。

会社員として働くことで節税できることには限りがあります。その中でiDeCoは、掛金を全額所得控除にでき、所得税と住民税を減税できるメリットがあります。

企業年金がない会社員は、月額2万3000円拠出できます。現在のところ、企業型確定拠出年金のある会社では、iDeCoに加入を認める規約がなければ利用できませんが、2022年10月の改正後は今まで利用できなかった人でもiDeCoの利用が可能になります。

公務員は共済年金と厚生年金の一元化によって、以前にくらべると年金制度の3階部分が縮小されています。年金や退職金がたくさんもらえると当てにしていた人にとっては思わぬ誤算が生じています。公務員は月額1万2000円の拠出ができます。掛金で節税できる部分を活かし、年金の積み増しを行いましょう。

●iDeCoに加入すべき人3:フリーランスや個人事業主

フリーランスや個人事業主などは会社員や公務員とくらべると、厚生年金がなく老齢基礎年金(国民年金)の受給だけなので、十分な年金額だとは言えません(2021年度は満額で月額6万5075円)。

iDeCoの掛金が月額6万8000円と会社員や公務員より大きいので、課税所得が大きい人は、所得税と住民税の軽減効果も大きくなります。

●iDeCoに加入すべき人4:貯蓄が苦手で長続きしない人

お金が貯まってくると、使いたくなる誘惑に負けてしまうことがあります。iDeCoは原則60歳まで引き出すことができません。引き出したくても引き出せないため、ちょくちょく貯蓄を取り崩す人は、着実に老後資金を貯めていくことができます。貯蓄が苦手という人には向いているでしょう。

iDeCoに加入しない方がよい人とは?

iDeCoには、税制優遇制度がある一方で、そのメリットを十分に活かせない人がいます。どんなケースがiDeCoに加入しない方がいいのでしょうか。

●iDeCoに加入しない方がよい人1:家計が厳しい人や借金がある人

給料が上がらず、社会保険料の負担が大きくなる一方では、同じ収入を得ても手取りは少なくなるばかりです。ある程度の貯蓄がなければ、病気やケガで入院ということになっても安心ができません。

家計が厳しい人は、第一に何にでも使える貯蓄の準備を優先すべきです。

また、iDeCoは運用次第で大きな利益が見込めるといっても、確定ではありません。さらにiDeCoの運用以上の高い利率のローンを借り入れることになれば、本末転倒です。借金があるのなら、返済を優先する方がメリットがあります。

●iDeCoに加入しない方がよい人2:年収が下がることが予想される人

人生のうちには、いろいろなことがあります。子どもが生まれて産休に入ったり、病気で休職したり、会社を辞める予定がある場合などには無理をしてiDeCoを始める必要はとぼしいと思われます。

生活が安定して、継続的に拠出できるタイミングから始めるとよいでしょう。

●iDeCoに加入しない方がよい人3:専業主婦(主夫)などの収入がない人、収入が低い人

老後資金を効率よく貯められるiDeCoも専業主婦(主夫)では、所得税や住民税の納税がないため、掛金に対する税金の軽減がありません。無理をして拠出しているのなら、他の制度で老後資金を貯める方が効果的でしょう。

また収入が低い人は、掛金額に対する軽減効果も薄くなります。収入が低いうちは、自己投資にお金を回して、収入を上げることにシフトする方がよいと思います。

たとえば、資格取得のため勉強したり、異業種の人と交流して人脈を広げたりすることで収入アップにつながることが期待できます。お金はいつでも貯められますが、時間は待ってくれないことも頭に止めておきましょう。

●iDeCoに加入しない方がよい人4:数年内に使うお金を貯める必要がある人

たとえば住宅を購入するための頭金を貯めていたり、結婚資金が必要だったりする場合には、その時に必要なものに貯蓄を集中させる必要があります。

いくら節税ができるといっても運用する商品や制度、方法を間違えるとご自身の希望を叶えることはできません。

まとめ

iDeCoに関する情報を見る限りでは、メリットを目にすることが多いのですが、掛金を積み立てる自分の状況を客観的に見て加入を検討することが大事になります。

万が一ケガや病気になってお金が必要だとしても、基本的にはiDeCoは60歳になるまで引き出すことができません。

また、収入が少なくなっても拠出を休むことはできますが、口座管理手数料がかかります。加入をしたもののすぐに休んでしまうようならば、つみたてNISAの方が向いているかもしれません。

iDeCoに安易に加入して、節税効果が得られず、コストだけがかかり続けるのなら、拠出できる環境や条件がそろってからでも遅くないと思います。

2022年5月からはiDeCoの加入年齢上限が65歳未満に引き上げられます。長い期間投資することで成果が得られる制度だからこそ、落とし穴にはまらないようにしたいですね。

[執筆:ファイナンシャルプランナー  池田幸代]

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