プロが語る!資産形成のすゝめ

伸び悩む相場局面で役に立つ相場格言

提供元:SMBC日興証券

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「株は心配の壁をよじ登る」
「相場が高いは七難隠す」
「一寸先は闇」

新型コロナウイルスによるパンデミックの出口が近づきつつあります。米国の前政権時のFDA(米食品医薬品局)の長官を務めたスコット・ゴリーブ氏は「デルタ変異株を乗り越えれば、来年1月4日までにパンデミックは終了するだろう」とコメントしました。

来年1月4日は、米国内で100人以上雇用者を抱える企業がワクチン接種を義務化する期限となる日になります。11月9日時点でありますが、日本では新型コロナワクチン接種率は、2回目までの接種で74.38%と先進国の中で上位に挙げられるほど浸透しましたが、米国は57.25%とアジア各国や欧州地域に遅れを取っています。

米国の雇用統計からは、コロナ下に於いての生活様式が大きく変化する中で、電子商取引関連業務や倉庫関連業務、配送関連業務の雇用者が逸早く増加基調となっていることが読み取れます。しかし、大半の業態で雇用者の大幅削減が余儀なくされ、ようやく足下で回復への足取りがしっかりしてきたように感じます。

実質的には外食・サービス業や陸上・空運等の旅客、宿泊業などに雇用者が回復する流れが見られていますが、人材不足の折、人件費を押し上げる圧力に繋がり始めているようです。

高騰していたエネルギー価格や物流関連コストには、ようやくピークアウトの兆しが見え始めてきたようですが、ここにきて労働コストにも注意する必要が出てきたように思います。

大きな流れでの高インフレ懸念は頭を打ちつつあるように考えられますが、こうした労働コスト上昇が高インフレ懸念を持続される可能性があり、テーパリング開始決定後に米長期金利が低下トレンドを辿りつつあることもあって、米国株式市場は高値追いの状態が続いています。

「株は心配の壁をよじ登る」まさにこの状態かもしれません。高インフレは本来金利を押し上げることに繋がるでしょうし、企業の原材料・仕入れコスト等を押し上げ、販売価格にうまく転嫁できなくなると企業は利益を圧縮することにもなるでしょう。

こういう不安は見え隠れするものの、足下の金利低下や好調な企業業績を背景に、コロナ後の経済の回復を株式市場は追いかけています。相場格言通りであれば、あと半年近くはこうした右肩上がりの相場が続く可能性があるのではないかと考えられます。

もちろん日本株もこうした流れに沿うものと考えられます。「相場が高いは七難隠す」と昔から言われますが、ちょっとしたことで相場が急変することは過去にもよくあること。「一寸先は闇」とはこうしたときに、心しておかねばならない相場格言と言えます。

相場が良いと見えてこない問題点や課題がちょっとしたことで露呈し、一寸先は闇に転じることがあると認識し、市場の温度感や需給面での動きなどに注意を払っていくべきだと考えます。

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