インタビュアー小島瑠璃子、お金の話聞いてきます!「つみたてNISAを始めてはいるけど、もうちょっと踏み込んだ投資をしたいんです!」

堅実志向なこじるりが学ぶ「ちょっとだけお金に働いてもらう方法」

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現在28歳の小島瑠璃子さんが、お金の管理方法や資産運用の術について学んでいくこの連載。前回は、小島さんが抱えている悩みや疑問について、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんからアドバイスをもらった。

今回は一歩踏み込んで、具体的な投資手法と目標の定め方について伺う。

「金融リテラシーの高い人の言うことに従う」がこじるり流


――前回、小島さんが資産運用としてつみたてNISAを取り入れていると話していましたが、どのような投資をしているのでしょうか?

小島「幼なじみの男の子が証券マンをしているんですけど、彼と会ったときに『とりあえずつみたてNISAとiDeCoの口座を開いて、S&P500(※)に連動する投資信託に満額入れておけ』って言われたので、つみたてNISAでその通りにやってます。S&P500でいいですかね?」

※アメリカの代表的な株価指数の1つ

高山「日本の個人投資家の間でも米国株への投資に注目が集まっていることもあり、S&P500の注目度は高まっていますし、運用成績も好調に推移していますね。S&P500は、米国株式市場全体の値動きを表す指標として世界中から注目されています。S&P500に投資することで間接的ではありますが、日本にいながら、アップルやマイクロソフトなどの世界的企業に投資できる点はメリットですね」

小島「知らないうちに、そんな世界的な企業に投資していたのですね。また、つみたてNISAはいつでもお金を引き出せる制度ですが、売るタイミングはどう判断するといいでしょう?」

高山「売りどきは難しいですよね。値上がりしてるから売らなくていいかと思っていると、リーマンショックや新型コロナウイルス感染症のような不測の事態で暴落することもあるので、事前にルールを決めることが大切です。投資で資産1億円以上を築いた“億り人”の方々に話を聞くと、多くの方が『投資金額の20%儲かったら売る』『投資金額の10%損したら売る』というルールを決めて、淡々とこなすと言っていました」

小島「20%儲かったら十分ですよね。投資でお金に働いてもらうことだけに頼りたいとは思ってないので、そのルールを設定すれば淡々とできそうです」

高山「積立投資なら、毎月一定の金額を決まった日に淡々と買い続けるので続けやすいし、ばっちりだと思います。iDeCoの口座は開設していないんですか?」

小島「それが、申し込みの途中で登録番号がわからなくなってしまって、中途半端になってるんです」

高山「iDeCoは掛金全額が所得控除の対象になり、所得税、住民税が安くなるという節税効果もあるので、登録番号を確認し直して、始めた方がいいですよ。あと、前回、小規模企業共済をやっているって話してましたよね。フリーランスの人でもなかなかやっている人がいないんですが、かなりおすすめの制度です。それも周りの友達からの助言で始めたんですか?」

小島「そうなんです。私自身は投資の知識が全然ないので、この人が言ってることなら間違いなさそうだなって思える金融リテラシーの高い人の言うことに従っています。つみたてNISAも始めたばかりの頃に『これだけ投資して、これしかプラスにならないんだ』ってぼやいたら、周りから『積み立てて元本が大きくなれば効率が良くなるから、そのまま置いておけ』と言われたので、続けてます」

高山「教えてもらったことを受け止めて、実行できる力がすごいと思いますよ」

株式投資のヒントは「デパ地下」にある!?


小島「いろいろ手を出してはいるんですけど、周りに言われるがままの状態なので、もうちょっと投資を理解して、自分で本当にいいと思って判断できるレベルにいけたらいいんですけどね」

高山「教えてもらったことをそのまま実行しているという状況なので、その投資手法が本当に自分に合っているか、把握できていないかもしれないですね。小島さんは実行力があるので、そこに判断力が加わったら最強だと思います。投資信託などは既に経験しているので、株式投資を加えると、投資を知る訓練になるかもしれないですね」

小島「株でゴリゴリに稼がなくてもいいんですけど、世の中の動向をキャッチしたときに、『この銘柄を1万円だけ買ってみよう』とかしてみたい気持ちはあります。今は世の中で起きてることが目の前を通りすぎちゃってる感覚なので、もったいないなと。ただ、株となるとチャートとかが読めないと厳しいですよね?」

高山「いえ、若い女性のなかには、数字はまったく読めないけど株式投資が得意な人っているんですよ。その共通点は、感度の高さです。『この化粧品よく売れてるな』とか『最近CMをすごく見る』って気づいて、その会社の株を買ってみると、株価が好調に推移しているということが多いんです」

小島「そういう気づきでいいんですね。友達と『最近あの化粧品人気だよね』とか話してるのに、それを投資に結びつける感覚がなかったです」

高山「デパ地下も“銘柄の宝庫”なんて言われてるんですよ。行列ができるスイーツを作っている会社の業績が好調だったり、人気の惣菜店の業績が安定していたり」

小島「私がいつも歩いてるところじゃないですか! デパ地下をチェックするなら、全然苦にならないです。どのお店が流行してるかって判断でいいんですね」

高山「そうそう。まずは、お仕事の合間に見かけて気になったお店の株を買ってみる、とかでいいんです」

小島「株を買うならチャートを読めなきゃいけない、って難しく考えすぎてたかもしれないですね。生活に密着したところから考えてみよう、って発想がなかったです。ただ、株って高くないですか?」

高山「本来は100株からしか買えないものなので、数十万円から数百万円必要な場合も多いのですが、今はスマホ証券などを利用すれば1株から買えますよ」

小島「例えば、ソフトバンクや楽天みたいな大きな会社だと、1株でいくらくらいですか?」

高山「1株から買えるスマホ証券であれば、基本的には数千円で買える銘柄が多いです。1株しか買わなくても配当金はちゃんともらえますし、値動きも実感できるので、スマホ証券から始めてみるのがいいかもしれません。また、楽天証券などでできるポイント投資(※)もいいと思いますよ」

※ポイント投資:貯めたポイントを現金化したうえで、株式や投資信託などに投資するサービス。証券口座が必要。代表的なサービスは楽天ポイント(楽天証券)、Tポイント(SBI証券)、dポイント(日興フロッギー)、永久不滅ポイント(セゾンポケット)など

小島「この連載でチャレンジしてみるのもありですね。そして、いつかはチャートも読めるようになりたいかも。それもこの連載で身につけられたら(笑)」

高山「人気の商品や会社を見つける感度がアクセルになって、売上や業績などの数字を読む力がブレーキになるので、最終的には両方身につけられるといいですね」

備えておくべきは出産資金?子どもの教育資金?


――先ほど「株でゴリゴリに稼がなくてもいい」と話していましたが、小島さんはめちゃくちゃ金持ちになりたいわけではない?

小島「めちゃくちゃ金持ちになりたいんですけど、真面目に収入を増やすことで達成したいんですよね。今あるお金にはなるべくリスクをかけず、そこそこ働いてもらえたらいいかなくらいの気持ちなんです」

高山「その感覚だと、つみたてNISAはぴったりですね。そこにiDeCoをプラスして、それぞれを何の目的で積み立てているのか決めることも大切です」

小島「どういう目的が考えられそうですか?」

高山「iDeCoは60歳まで引き出せないので、老後資金でいいと思います。つみたてNISAはいつでも引き出せるので、結婚資金や出産資金、子どもの教育資金に充てるという方法が考えられます」

小島「確かに、育休中に使える資金にしようって感覚はいいかもしれないですよね」

高山「会社員であれば出産育児一時金に加えて、出産手当金や育児休業給付金などが出ますが、小島さんのようにフリーランスだと出産育児一時金しかないことが想定されるので、育休中の生活費を用意しておくことは重要ですね。育休の期間にもよりますが、一般的には半年~1年分の生活費を用意しておくと安心といわれています」

小島「そのためには、やっぱり毎月の支出を把握しないといけないですね。将来の自分のためにも頑張ろう。実家のローンもあるので、私は止まるわけにはいかないですしね。年齢を重ねるとローンとか親の介護にかかるお金とか、いろいろなものが増えると思うので、身軽な20代のうちにいろいろチャレンジしまくろうって思います」

高山「人生の貯めどきは3回あるといわれていて、その1回が独身時代なんですよ」

小島「今が経験もお金も貯めどきってことですね。残りの2回はいつなんですか?」

高山「子どもが生まれてから小学校に入るまでの間と、子どもが巣立ってからといわれています」

小島「子どもの教育資金って、かなりかかるっていいますよね」

高山「公立か私立か、思い描く進学プランによって必要な資金も大きく変わりますね。一般的に子ども1人につき、幼稚園から大学までオール公立の場合で1000万円、オール私立の場合で2500万円必要になるといわれています」

小島「まだ子ども産んでないのに、つらいよ~。子どもは千葉の公立校に入れようと思います(苦笑)」

投資の話から、まさかの将来設計にまで話が及んだ第2回。小島さんも投資の次のステップが見えてきたといえそう。投資初心者のそこのあなたも、これから小島さんと一緒に知識を深め、資産運用を始めてみよう!

(取材・文:有竹亮介/verb 撮影:森カズシゲ)

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