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“あの頃”とは違う!中国株の魅力

提供元:岡三証券

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「中国株」と聞くと「ハイリスク、ハイリターン」というイメージが強く、選択肢から外したまま時間が経過している方は少なくないでしょう。

しかし、中国の経済や株式市場をけん引する産業や企業はここ数年で大きく変化しています。中国の経済成長率は鈍化傾向にありますが、経済規模が大きくなり、成長のスピードより質を重視する段階へシフトしていることが主因です。

それでも、主要先進国の経済成長率を上回る状況は続くとみられ、当面の世界経済のけん引役であることに変わりはないでしょう。世界経済への影響力が大きく、成長の中身が変化している中国株に関する情報をアップデートしてみませんか?

世界の投資家は中国株投資を拡大中

中国が世界経済への影響力を強めるなか、株式市場でも中国の存在感は高まっています。2021年末時点で全世界の株式時価総額における構成比は、中国本土が10.7%、香港が5.0%で、この10年で世界全体の時価総額が2.6倍となるなかで、中国本土は4.8ポイントもシェアを拡大してきたのです。

市場改革の進展が評価され、世界的ベンチマーク指数への組入れ比率が引き上げられるなど世界の投資家が中国株への投資を増やしていることが背景にあります。また、現時点で中国は世界第2位の経済大国に成長しており、2028年までに米国を抜きトップに躍り出ると予想されています。そうした中国に投資資金を振り向けることは自然な流れと言えそうです。

株式投資で重要なポイントは中国株でも同様で、株価の上昇には「高い企業価値」が必要です。ここでは持続的な企業価値の向上に欠かせない「イノベーション力」と「ブランド力」の視点から中国企業の成長をみてみたいと思います。

図表1:世界の株式時価総額の国別構成比

作成:岡三証券 各年末時点

国を挙げた支援を背景に向上する「イノベーション力」

中国というと「世界の工場」として発展してきたことは広く知られていますが、同時にイノベーション(技術開発)能力も着実に磨いてきました。

「中国製造2025」に代表されるように政府が主導してハイテク産業の育成に注力した結果、世界知的所有権機関(WIPO)が発表する国際特許の国別出願件数は、この10年で5.6倍となり、2019年に米国を抜き、2020年まで2年連続で世界トップの地位を確保しています。

イノベーション能力の向上に伴い、上場企業の顔ぶれにも変化がみられます。2019年には上海証券取引所内にハイテク新興企業向け市場「科創板」が開設されました。これにより、本土市場の新規株式公開(IPO)では、新たな技術の開発→IPOによる資金調達→企業の事業拡大、というサイクルが回り始めており、新興ハイテク企業が株式市場の新たな成長ドライバーとなる展開も期待できそうです。

なお、米国をはじめとする各国との「ハイテク分野での覇権争い」の行方には懸念が残りますが、それだけ中国企業が実力をつけてきたとも言えるでしょう。

図表2:日米中の国際特許出願件数

出所:WIPO(世界知的所有権機関) 作成:岡三証券

世界で高まる中国企業の「ブランド力」

日本で多くの人々が思い描く中国製品は「安かろう、悪かろう」という印象が強いかもしれません。しかし、前述のイノベーション力が後押しし、中国製品の品質は既に海外企業とそん色のないレベルまで向上しており、世界では中国ブランドに対する評価が様変わりしているのです。

イギリスの調査会社が公表した「ブランド価値ランキング(2020年度版)」上位100社にランクインした中国企業は18社と米国に次ぐ世界で2番目の多さで、存在感の高さを示しています。

世界では所得が高い層ほど中国ブランドの認知度が高く、中国製品に抱くイメージは、「科学技術とイノベーション(革新)」に塗り替わっているとの調査結果もあります。同時に、若い世代ほど中国ブランドをより高く評価していることから、今後はその傾向が更に強まることが予想されます。

当然、中国の景気変動や値動きの大きさなど中国株のリスクには注意を払う必要がありますが、あくまでリスクを取れる範囲で、長期保有で運用することがリスクをコントロールするコツです。

メディアの影響や先入観で判断してしまってはもったいない。“あの頃”とは異なる成長ドライバーを持ち、他の国とはまた違った魅力を持つ中国株を国際分散投資の対象に加えるのも一手ではないでしょうか。

(岡三証券株式会社 投資情報部 マーケット情報グループ 紀 香)

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