ハードル高いがやれば楽しい?

ふるさと納税はしている?

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地方自治体への支援を目的として創設されたふるさと納税は、返礼品の一般化によって税金の一部を特産品として取り戻せるお得な制度という側面を持つようになった。会社員はこのふるさと納税を活用しているのだろうか? 全国の20〜50代の会社員449人を対象に調査した。

Q. 2020年にふるさと納税は行いましたか?

行った 35.6%
行わなかった 64.4%

ふるさと納税を行った会社員は35.6%で、3分の1強を占めるにとどまった。

世代別に見ると、20代が44.1%、30代が41.9%、40代が34.6%、50代が20.6%となった。若い世代ではふるさと納税が比較的広まっている一方で、上の世代ではあまり行われていない傾向にある。男女別ではほとんど違いが見られなかった。

運用益を目指した投資を行っている会社員に限定すると、53.7%がふるさと納税を行っていた。やはり投資を行っている会社員はマネーには敏感なようだ。

Q. 2020年のふるさと納税の返礼品は何にしましたか? 複数ある場合は一番金額の大きいものを選んでください。

米・麦・パンなど主食類 21.9%
肉・魚など主食以外の食品 50.0%
食品以外の特産品 15.6%
旅行や地元イベント 7.5%
金券・ギフト券 3.8%
純粋な寄付 0.6%
その他 0.6%

主食以外の食品が半数を占めた。主食類を合わせると食品だけで71.9%となり、食品がふるさと納税返礼品の代表的存在と言ってよさそうだ。投資を行っている会社員に限定しても、やはり食品が73.4%と多数を占めている。資産性の高い返礼品を求める会社員は少数派のようだ。

Q. 2020年のふるさと納税はいくつの自治体に寄付しましたか?

1自治体 23.8%
2自治体 26.8%
3自治体 23.8%
4自治体 11.3%
5自治体 7.5%
6自治体以上 6.8%

寄付を行った自治体の数は、2自治体が最多で26.8%であった。1自治体と3自治体が同率の23.8%で続く。4分の3以上の人が複数の自治体に寄付を分散していた。

とはいえ、6自治体以上に寄付する人が少ないのは、ワンストップ特例の申請が行えるのが5自治体までという理由もあるのだろう。最後に、ふるさと納税を行わなかった会社員に、その理由を尋ねた。

Q. 2020年にふるさと納税を行わなかった最大の理由を教えてください。

手続が面倒だから 38.8%
魅力的な返礼品がなかったから 9.7%
控除を受けられるだけの所得がなかったから 12.4%
地元の自治体の税収を減らしたくなかったから 5.9%
ふるさと納税の仕組みや方法がわからなかったから 19.4%
ふるさと納税制度に賛同できないから 9.0%
その他 4.8%

「手続が面倒だから」が最多で38.8%を占めた。「仕組みや方法がわからなかったから」が19.4%で続く。制度が複雑で手を出しにくい・出したくないという人が多いようだ。

ふるさと納税は手続の面倒さなどが壁となり会社員への普及はあまり進んでいないが、若い世代には比較的人気があり、行う人は手間を惜しまず複数の自治体へと寄付を行う傾向が見られた。少し手間だが、やればメリットを感じられるというのが会社員にとってのふるさと納税なのかもしれない。

年収300万円の会社員(扶養親族なし)なら3万円弱、同じ条件で年収500万円であれば6万円強を上限にふるさと納税をすれば節税できることになる(出典:総務省「ふるさと納税ポータルサイト」)。ちょっとした贅沢を楽しむことができるだけでなく、納める税金の使い道を自分で選べる貴重な機会でもあるので、億劫だった人も今年はチャレンジしてみてはどうだろう。

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(三田祐介)

「あなたご自身に関するアンケート」
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2021年9月
調査対象:全国20〜50代の会社員
有効回答数:449件

用語解説

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