「投資INSIDE‐OUT」

本当のところ、日本株はどうなのか?  ~温故知新(10)~

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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「投資INSIDE-OUT」~温故知新~では、相場の大きな転換について考えていきます。

株式市場の低迷は永遠に続くと言われたその後

「株価の死はほぼ永遠のものと思ったほうが良い。いつか反転するとしても、それはずっと先だろう。」これは、1979年にビジネスウィーク誌が「株式の死」と題し特集した記事の一文です。

当時の米国株は暗黒の時代で、NYダウは1966年から1982年の16年もの間、1,000ドルを壁としたボックス相場が続きました。当時はインフレだったため、実質的な株価は大きく低迷していたことになります。

また同じ1979年には、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(エズラ・ヴォーゲル著)という日本的経営を高く評価した本が一世を風靡し、アメリカ人も日本に学ぶべきだという主張によって、アメリカのやり方ではもうダメだ、と自信を失っていました。

どこか今の日本に似ていませんか。日本株は2008年のリーマンショック以降上昇してきたとはいえ、1989年12月の史上最高値を30年以上経った今でも抜けていません。

日本株の上昇は期待出来ないと言われ、最近では特に米国株に資金が流れています。米国にはGAFA※などの成長をけん引する企業がありますが、日本にはそのような企業はないと一般的には思われているようです。「どうせ日本株はもうダメだ。いつか反転するとしても、それはずっと先だろう。」と諦めてはいませんか。

※GAFA:グーグル(アルファベット)、アップル、メタ(旧フェイスブック)、アマゾン・ドット・コム

しかしそれは本当でしょうか。日本の企業はバブル崩壊で大きく痛みましたが、米国企業のいい所を学びながら自助努力で事業変革し、業績を回復させてきました。ソニーは経営危機なのではないかと心配された時期もありましたが、直近では史上最高の収益を出すまでに復活しています。トヨタは脱炭素時代に向けて、EV車の開発へと舵を切りました。

1980年前後の低迷する米国市場でも、割安でむしろ買いのチャンスだとし、あえて火中の栗を拾った著名投資家ジョン・テンプルトンや、米国企業の復活成長を信じ、多くのテンバガー(10倍株)銘柄を発掘したフィデリティのピーター・リンチなどがいました。米国株はその後、1981年から2000年までの長期上昇相場に入っていったのはご存じのとおりです。

上記グラフはNN倍率といい、日経平均株価をNYダウで割ったものです。単純に両指数の相対的な強さを表しており、倍率が高くなれば日本株の方が米国株より上がっていることになります。

戦後、東京証券取引所での取引が再開された1949年5月は1倍、約40年後の1989年12月には14倍、そして現在は1倍割れ(2022年1月末時点で0.77倍)と戦後時点にまで戻ってしまいました。再び14倍になるとまでは言いませんが、今の日本株は1979年当時の米国株に匹敵するくらい過小評価されているとも考えられます。

日本株の低迷は続くといった諦めの見方もありますが、割安ということは、上昇余地があるとも言えるのではないでしょうか。

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(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)

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