基本手当だけではありません

雇用保険の補償は手厚い!?4種類ある失業等給付を受けるには

提供元:Mocha(モカ)

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会社などに雇われて働いている人が加入しているのが雇用保険。雇用保険と言えば、退職後仕事が見つかるまでにもらえる失業保険のことと思っている人も多いでしょう。

雇用保険の補償は幅広く、失業保険以外の給付もあります。今回は、雇用保険の給付の種類について説明します。

そもそも雇用保険とは?

雇用保険は、労働者が失業した場合などに必要な給付を行って、労働者の生活や雇用の安定を図る制度です。労働時間が週20時間以上で、31日以上雇用される見込みの労働者は、雇用保険の加入が義務付けられています。

●雇用保険の保険料

雇用保険に加入する場合、保険料は事業主と労働者双方で負担します。一般的な企業の場合、労働者が負担する保険料は給与の0.3%。給与が30万円の人でも900円とかなり安くなっています。保険料は毎月の給与から天引きされています。

●雇用保険の給付は4種類

雇用保険からの給付は、いわゆる失業保険だけではありません。他にもさまざまな給付が受けられます。雇用保険の給付の種類は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付の大きく4つに分かれます。以下、それぞれの給付について説明します。

1. 求職者給付

求職者給付は、退職した後、求職活動をする人の生活の保障や活動支援のために行われる給付です。以下のようなものが含まれます。

●基本手当

失業保険と呼ばれるもので、要件を満たした場合に退職前の賃金日額の45~80%が支給されます。給付日数は退職時の年齢や退職理由等によって変わり、90~360日となります。一般に、退職の理由が自己都合ではなく会社都合(倒産や解雇など、退職を余儀なくされた場合)のほうが長く給付されます。

●技能習得手当

公共職業訓練等を受講する場合には、技能習得手当として、受講手当、通所手当の2つが支給されます。受講手当は日額500円(上限2万円)、通所手当は通所方法によりますが月額最高4万2500円です。基本手当とは別に受けられます。

●寄宿手当

公共職業訓練のために家族と別居して寄宿する場合に支給されます。寄宿手当の月額は1万700円です。

●傷病手当

退職後、病気やケガのために15日以上就職できない場合、基本手当の代わりに傷病手当が支給されます。傷病手当の日額は基本手当の日額と同じです。

2. 就職促進給付

就職促進給付は、退職した人の早期再就職を支援するために給付されるものです。要件をみたした場合に以下のような手当がもらえます。

●再就職手当

基本手当の受給資格者が再就職した場合に支給される手当です。基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある場合は基本手当日額の60%、3分の2以上ある場合は70%の金額が支給残日数分受け取れます。

●就業促進定着手当

再就職手当の受給者が、退職前よりも低い賃金で6か月以上雇用される場合に支給されます。

●就業手当

基本手当の受給資格者が、再就職手当の対象にならない形態で就業した場合に支給されます。

●常用就職支度手当

障害があるなど就職が困難な基本手当等の受給資格者が、安定した職業に就いた場合に支給されます。

3. 教育訓練給付

教育訓練給付は、在職中の人や退職した人が、厚生労働大臣指定の教育訓練講座を受講・修了した場合に、受講費用の一部が支給されるものです。資格取得やスキルアップに役立つ約1万4000講座が対象となります。支給額は、教育訓練のレベルに応じて以下の3つに分かれます。

●専門実践教育訓練

受講費用の50%(年間上限40万円)が受講中6か月ごとに支給されます。また、資格を取得し、訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、受講費用の20%(年間上限16万円)を追加で受け取れます。

●特定一般教育訓練

受講費用の40%(上限20万円)が受講終了後に支給されます。

●一般教育訓練

受講費用の20%が(上限10万円)が受講終了後に支給されます。

4. 雇用継続給付

雇用継続給付は、高齢者が再雇用され賃金が減った場合や、育児・介護等で休業する場合に、要件をみたせば支給されるものです。

●高年齢雇用継続給付

60歳以降に継続雇用や再雇用され、賃金が低下した人に支給される給付金です。高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金の2種類があります。

●育児休業給付

育児休業中、賃金が支払われない場合などに、原則として子どもが1歳になるまで支給される給付金です。父母とも育休を取得する場合には1歳2か月まで、保育所に入れないなどの事情がある場合には最長で2歳まで支給を受けられます。支給額は、育休開始から180日間は賃金日額の67%、181日目以降は賃金日額の50%です。

●介護休業給付

家族の介護のために休業した人に、休業前の賃金の67%が、原則30日支給されます。

まとめ

雇用保険に加入していれば、退職・休職したときのほか、資格取得の勉強をしたいときなどにも給付が受けられます。パート勤務の人も、週20時間以上に勤務時間を増やせば雇用保険に加入できます。安い保険料で補償の手厚い雇用保険をぜひ活用しましょう。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 森本由紀]

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