投資信託のトレンドが分かる!
2022年1月 投資信託の資金フロー
提供元:三菱アセット・ブレインズ
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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。
そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2022年1月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。
(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信
1.投信市場における資金の流出入動向
「流入額は減少するも1年2ヵ月連続の資金流入超」
1月の資金流出入動向は1年2ヵ月連続の資金流入超となった。流入額は約7,170億円と前月(約9,820億円)から2,600億円以上減少したものの、資金流入は引き続き高水準で推移している。
資金流入では、外国株式の流入額は約4,730億円と前月(約9,320億円)対比でほぼ半減した一方、国内株式の流入額は約1,530億円と前月(約240億円)から1,280億円以上増加した。そのほか、不動産投信への流入額は約60億円と、1年ぶりの資金流出超となった。
資金流出では、エマージング株式、外国債券、エマージング債券、ハイイールド債券では資金流出が継続しているものの、その水準は若干減少した。
個別ファンドでは、「アライアンスB・米国成長株投信 D」(アライアンス)(約1,250億円)が資金流入で1位となった。2位は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ国際)(約600億円)、3位は「ファンドスミス・グローバル・エクイティ・ファンド」(AM-One)(約450億円)と続いた。
主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)
2.投信市場のパフォーマンス動向
「全カテゴリーのリターンがマイナス」
1月の金融市場は、FRB(米連邦準備制度理事会)による早期の金融引き締めが示唆されたことや、ウクライナ情勢の緊迫化等の地政学リスクも重石となったことで、米国を中心に急速にリスクオフとなった。
株式市場は、世界的に下落した。月初は年末からの上昇の流れを保ち、米欧の株式市場は一時史上最高値を更新した。しかし、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録要旨が公開されると、FRBがインフレ抑制を目指して金融引き締めへの姿勢を強めるとの警戒感が高まり、世界的に株価は下落に転じた。中旬以降も、ウクライナを巡る地政学リスクの高まりから下落基調が継続し、月間を通して軟調な展開となった。
債券市場は、世界的に下落(金利は上昇)した。 FRBによる利上げペースの加速や、量的引き締めの前倒しなどの早期の金融引き締めが示唆されたことで、世界的に金利は上昇した。
為替市場は、米ドル・円はほぼ横ばい、ユーロ・円は円高となった。米ドル・円は、約5年ぶりとなる116円台前半に上昇する場面もあったが、ウクライナ情勢の緊迫化や新型コロナオミクロン株の感染拡大を背景に、前月末比でほぼ横ばいとなった。ユーロ・円も円安が進行する場面もあったが、地政学リスクに伴うリスク回避姿勢の強まりなどから円高に転じた。
これらを背景に、当月のリターンは、2020年3月のコロナショック以来1年11ヵ月ぶりに全てのカテゴリーがマイナスのリターンとなった。FRBによる早期の金融引き締めが示唆されたことや、ウクライナ情勢の緊迫化等により世界的にリスク回避姿勢が強まったことで、外国株式、国内株式等の株式カテゴリーを中心に大きくマイナスのリターンとなった。
パフォーマンス上位5資産のランキングと実績
3.新規設定ファンドの動向
「設定額、設定本数ともに減少」
当月の新規設定本数は10本、設定額は約170億円となった。設定額、設定本数は前月対比でそれぞれ約8分の1、3分の1に減少した。
新規設定ファンドのうち、当月末時点の純資産残高が最大となったファンドは、「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2022-01」(あおぞら)であった。当ファンドは新興国を含む世界株式と先進国債券を主要投資対象とする複合資産ファンドであり、株式組入比率を段階的に引き上げる点や、基準価額が一定水準以上となった場合は債券主体の安定運用に切り替える点が特徴的である。
新規設定金額、設定本数の推移
最後に、1月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。
資金流入上位15ファンド一覧
(三菱アセット・ブレインズ)