「投資INSIDE‐OUT」

東京23区、人口流出でもマンション価格は上昇! ~マクロ経済データを読み解く(15)~

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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「投資INSIDE-OUT」~マクロ経済データを読み解く~では、マクロ経済に関するデータを用いて、現在および将来の経済情勢について考察します。

コロナ禍が都心のマンション価格に与えた影響は?

総務省が1月28日に発表した2021年の「人口移動報告」によると、東京都への転入者数から転出者数を引いた「流入超過数」は、5,433人と比較可能な2014年以降で最小となりました。また、東京23区では初めて転出が転入を上回りました。

コロナ禍をきっかけにテレワークが普及し、オフィスのある都心近くに住む必要性が低下したことが、東京23区での転出超過の要因と考えられます。

テレワークの普及はオフィスの空室率にも影響を与えています。コロナ禍で企業がオフィスを縮小する動きが広がり、東京都心5区のオフィス空室率は2020年4月頃から上昇し始め、新築オフィスの空室率は2021年に入ってから急速に上昇しました。

一方で、首都圏※のマンション価格は上昇が続いています。首都圏の新築マンションの平均価格は、2021年に前年比+2.9%の6,390万円とバブル期を超えて過去最高を更新しました。

東京23区では、同+7.5%の8,293万円と30年ぶりに8,000万円を突破しました。また、首都圏の中古マンション価格(平均希望売り出し価格)を見ても、同+11.6%の4,166万円と大幅に上昇しました。

※首都圏: 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県

最近では、共働きで購買力の高い夫婦が、住宅ローンを組む際にペアローンを選択するなど、マンション価格の上昇をけん引しているとも言われています。

また、足元のマンション価格の動きは、コロナ禍による影響も受けているようです。東京23区の70平米以上と50~60平米台の中古マンション価格の推移を見ると、2019年以前は50~60平米台の価格上昇が比較的大きかったのに対して(下図左)、2020年以降は70平米以上の価格上昇が大きくなっています(下図右)。

「人口移動報告」からは、コロナ禍を受け、郊外などへ移住する世帯も一定程度いたとみられます。一方で、テレワークが導入されても定期的に出社する勤労者がいる世帯や子供の転校・転園を避けたい世帯などによって、都心の広いマンションへの需要が高まり、70平米以上のマンション価格を一段と押し上げた可能性が考えられます。

テレワーク需要などで、十分な広さと部屋数のあるマンションの価格は底堅く推移しそうです。一方、比較的小さいマンションの価格には下押し圧力がかかってくるかも知れません。

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