「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」より

コロナ禍で私たちの「資産形成額」はどう変わった?

提供元:三井住友信託銀行/三井住友トラスト・資産のミライ研究所

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今回は、コロナ禍に明け暮れた2020年1年間に、どれぐらい資産形成できたか、コロナ禍以前と比べどう変わったかについて、アンケート調査の結果を元にまとめました。

平均すると112万円だが、「50万円未満」の世帯が約半数

ミライ研が実施した1万人アンケートで、「1年間にどれぐらい資産形成できたか」を訊いた結果です。1世帯当たりの年間資産形成額は、平均するとおよそ112万円でした。

コロナ禍以前と比べると……

次に、年間資産形成額がコロナ禍以前と比べてどう変化したかをおたずねしました。「増えた」人と「少し増えた」人の合計が12.4%で8人に1人、「減った」人と「少し減った」人の合計が25.1%で4人に1人、「変わらない」人は62.6%となっていました。

つまり、コロナ禍に見舞われ、以前より年間資産形成額が「減った」人が「増えた」人の約2倍いたということです。

それでも2020年は四半世紀ぶりの「貯蓄大増加イヤー」、そのカラクリは?

ただ、2020年の日本の家計の年間貯蓄総額は、過去にもほとんど例がないほど急増したことがわかっています。

内閣府の発表によると、2020年1年間の家計貯蓄総額(貯蓄残高の増加額)は35.8兆円で、前年の約5倍。貯蓄率も11.3%に急上昇しました。

どちらの数字も、1995年以降では最高(過去最高は1994年の37.1兆円、12.3%)。2020年は、実は四半世紀ぶりの「貯蓄大増加イヤー」だったということです。

読者の皆様の中には、なぜ資産形成額が「増えた」人より「減った」人の方がずっと多いのに、マクロ統計ではこんな結果になっているのか?と違和感を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

このカラクリを一言でいうと、「意図せざる貯蓄増加の発生」ということになろうかと思います。

「一律10万円の定額給付金の支給」に「コロナ禍における消費控え」が重なって、使われないでそのまま預金口座に残っているお金が増加し、能動的・積極的に「資産形成をしている」という自覚がないままに、無意識のうちにお金が貯まっている—これが35.8兆円、11.8%という数字を生んでいると考えられます。

もちろん、資産形成額が「増えた」人には100万円、200万円単位でどーんと増えた人が多く、「減った」人には5万円とか10万円程度減った人が多かった可能性もあり、これが家計貯蓄総額の増加を後押ししたという推測も「あり」かもしれませんが、アンケートでは具体的な「増減金額」まではお訊ねできておらず……ウラ取りできずに歯噛みする刑事の心境であります。

次回は、本シリーズ第1回でお伝えしたコロナ禍における「時間的なゆとりの増加」や「資産形成意識の高まり」と、今回お伝えした「資産形成額の変化」の関係についてみてまいります。

(提供元:三井住友トラスト・資産のミライ研究所)

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