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兜のささやき(Vol.9)ゴジラもウルトラマンも現役 拡大続けるキャラクタービジネス
提供元:いちよし証券
株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、海の見えるカフェで投資談義を行っています。
ゴジラもウルトラマンも現役 拡大続けるキャラクタービジネス
神様:Tさんは、ウルトラマンの誕生日はいつか知っていますか?
T:ウルトラマンですか?懐かしいですね。私は知りませんが、神様はご存知ですか?
神様:1966年7月10日です。ではゴジラの誕生日は?
T:いや…残念ながら把握していません。
神様:ゴジラの誕生日は、1954年11月3日。この日に映画「ゴジラ」が公開されました。ウルトラマンは「ウルトラマン」第1話放送の1週間前のこの日に、前夜祭となる番組が放送されました。
T:ゴジラは約68年前、ウルトラマンは約56年前、すっかり遠い昔の話になりましたね。
神様:いいえ、令和の現在でも現役で活躍する人気キャラクターですよ。
T:確かに、ゴジラもウルトラマンも映画が公開されていますからね。
神様:そして今も、人気者として市場を賑わせています。いわゆる「キャラクタービジネス」は、息の長いビジネスを展開することができます。日本では様々なキャラクターが日々創造されていますが、アニメーションや実写などで海外では大変高く評価されています。まさに、日本のお家芸と言えるでしょう。実はここ10年近く、キャラクタービジネスは出版権や商品化権などのキャラクター版権市場が右肩上がりで伸び続けているのです。
T:版権と言えば、キャラクターそのものには著作権がないと聞いたことがあるのですが、本当ですか?
神様:文化庁によると、著作権法で保護の対象となる著作物であるためには次のような事項をすべて満たす必要があります。それは、思想又は感情を表現したものであること、思想又は感情を「創作的」に表現したものであること、そして「文芸・学術・美術又は音楽の範囲」に属するものであることです。たとえキャラクターそのものに著作権がなくとも、キャラクターやその世界観を表現したものは著作物となり、著作権法で保護されます。。
T:なるほど。そういうことなのですね。しかしどうしてキャラクター市場が伸び続けているのでしょうか?
神様:総務省によると、2019年の日本国内のコンテンツ1次流通市場は9兆829億円でした。コンテンツは、映像系ソフト、音声系ソフト、テキスト系ソフトに大別されます。これらのコンテンツが単体だけでなく、複数のメディアで転用され、ひとつの素材が複数の使い方をされる「マルチユース市場」を生み出すのです。
T:多くのキャラクターが登場し、それらが多用途に使われる。それが右肩上がりの成長につながっているのですね。そう言えば、コロナ禍では人気キャラクターグッズのECが好調だと聞いたことがあります。今後はIT技術の進展でさらに市場が伸びるのではないでしょうか。
神様:さすが、鋭いですね。マルチユース市場の成長には、優れたキャラクターの存在が鍵を握ります。人気漫画がアニメ化、映画化され、さらに実際の人物をアニメのキャラクターに配役し、実写映画や舞台となります。そして今後は、メタバースやNFTが注目されますが、サイバー空間上のアバターにキャラクターがいかに活用されるか、期待したいところです。
T:メタバースはゲームと親和性が高いですし、リアリティのある細かい空間設定ができるゲームも登場しています。私たちの生活する実空間とキャラクターと仮想空間が、これからどのように融合していくのか楽しみです。
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