貯まったお金の使い道
満期を迎えた定期預金はどうする? 預金で持つか運用するべきか
提供元:Mocha(モカ)
特に使う予定がないから預けておいた定期預金、または何かあったときのために特段の目的はないもののコツコツ積み立てた定期預金が、満期を迎えたという場合、その保有方法や運用方法をどうしたらよいのか迷っているという方もあるでしょう。
今回は、特段の利用目的がない満期を迎えた定期預金を、どのように保有すればよいのかについてご説明します。
今後のライフプランを考えてみよう
定期預金は満期になると、大きく分けて「自動解約」されるものと「自動継続」されるものの2種類があります。
自動解約は文字どおり、定期預金が解約されるもの。お金は普通預金に入金されます。対する自動継続は、同じ期間の定期預金に自動的に預け替えるものです。元本と利息の両方が新たな定期預金の元本になる「元利自動継続」と、最初に預けた元本だけが新たな定期預金の元本になる「元金自動継続」があります。
貯まったお金をどうするかを検討するにあたって、まずは、今後のライフプランを考えてみましょう。定期預金を始めた数年前のライフプランと異なっていたり、お子さんの教育費やマイホームの購入費用、老後の生活費などのための積み立てが計画通りに行っていなかったり、ということがあるかもしれません。
満期を迎えた定期預金に特段の利用目的がないのであれば、今後のライフプラン実現のために、お金が不足しそうであると予測される場合、不足するお金の補てんに充てることもできます。その場合には、お金が必要な時期にあわせて、再び定期預金に預け入れておくようにしましょう。
補てんが不要である場合はどうしたらいい?
ライフプランを考えてみても、特段、お金が不足しそうな時期がない場合、満期を迎えた定期預金を「日常生活の備え」、「長中期的な備え」、「投資資金」の順に項目分けしてみましょう。なお、必ずしも均等割する必要はありませんし、全ての項目に割り振る必要もありません。
●日常生活の備え
日常生活の中で、冠婚葬祭や、病気やケガ、離転職など、突発的な支出が生じることがあります。そのようなときに慌てないように、日常生活の備えとして予備費を準備しておくと安心です。
予備費として、1か月の生活費の6か月~1年分を、生活費の口座とは別の口座に預け入れておきましょう。必要な時に引き出しやすいように普通預金口座がおすすめですが、あくまでも備えなので、気軽に使うことができないようにキャッシュカードは発行しないでおくのも一案です。
●長中期的な備え
「日常生活の備え」として1か月の生活費の6か月~1年分を割り振っても、まだ満期金に余裕がある場合には、長中期的な備えとして5~10年程度の低リスク金融商品の活用を考えてみましょう。低リスク金融商品には、定期預金や個人向け国債などが挙げられます。
ライフプランの変更や計画通りに積み立てが進まないときに「長中期的な備え」があると、安心です。「長中期的な備え」の金額目安は、ライフプランによって異なるため、一概にいえません。ライフプランや現在の積立額と照らし合わせて、考えてみましょう。
●投資資金
「日常生活の備え」、「長中期的な備え」に満期金を割り振っても、なお余裕がある場合、投資資金として活用してみましょう。いわゆる余裕資金にあたるため、仮に投資の結果、失ったとしても、ライフプランに支障が生じません。そのため、安心して投資にあてることができます。
投資経験のある方であれば、ご自身の投資方針があると思います。ただ、投資未経験の方は金融機関等に勧められるまま一極集中の投資をしてしまう可能性もあります。「投資資金」として振り分けた全額を、1つの特定商品等に投資されるのではなく、まずは少額ずつ分散投資して、自分にあう投資方法を探してみることをおすすめします。
また、質素倹約も望ましいですが、コツコツ貯めたご褒美として、一部をご自身や家族の心を豊かにするための「投資資金」として使うというのもよいのではないでしょうか。
まとめ
利用目的が特段決まっていない、まとまったお金を手にすると、気が大きくなってしまう可能性があります。散財してから後悔するのではなく、まずは、冷静にご自身のライフプランを見通してみましょう。
そして、不足資金の補てんに充てたり、いざお金が必要な時の備えとして手元に置いたりしておくことで、気持ち的にも余裕のある生活を送ることができます。時間をかけて満期を迎えた定期預金の使い道を、ゆっくり家族で話し合ってみるのもよいですね。
[執筆:ファイナンシャルプランナー キムラミキ]
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