投資経験者の○割が実践
IPOには応募してる?当選するためにしていることは?
成長企業などが新規に株式を公開することはIPOと呼ばれ、高値がついてニュースを賑わせることもあるので耳にしたことがある人も少なくないのではなかろうか。投資を行う会社員はIPOにどの程度馴染みがあるのか、運用益を目指した投資を行っている、全国の20〜50代の会社員182人を対象に調査した。
Q. 金融用語の「IPO」とは何かご存じでしょうか?
よく理解している 38.4%
言葉を聞いたことはある 41.8%
全く知らなかった 19.8%
IPOについて少なくとも耳にしたことはある人は80.2%にのぼったが、「よく理解している」という人は38.4%にとどまった。投資をしている会社員にとっても、IPOは身近な存在とまではなっていないようだ。
投資歴別で見ると、「よく理解している」という人は1年未満が23.5%、1年〜3年未満が41.9%、3年〜5年未満が43.6%、5年〜10年未満が35.0%、10年〜20年未満が39.3%、20年以上が31.3%であった。
投資を始めたばかりの人は明らかに認知度が低いが、必ずしも投資歴が長いほど認知度が上がるわけでもないようだ。IPOが注目されるようになったのは比較的最近なので、投資のベテランには逆に馴染みが薄い場合もあるのかもしれない。
では、「よく理解している」人は、実際にIPO投資を実践しているのだろうか?
Q. IPO(新規上場株式)投資を行ったことはありますか?
当選して購入したことがある 51.4%
応募したことはあるが当選したことはない 24.3%
応募したことがない 24.3%
半数以上の人は実際に当選して購入したことがあった。「応募したことはあるが当選したことはない」という人と合わせると、75.7%の人が応募したことがある。しっかり調べた人は実践に移すことが多いか、もしくは実践したことがあるからこそ「よく理解している」と思うのかもしれない。
投資経験者全体のうちで、IPOに応募したことのある人は29.0%となる。応募しても実際に買えるとは限らないのがIPOだが、当選するために工夫していることはあるのだろうか?
Q. IPOの当選確率を上げるためにしていることはありますか?
複数の証券会社に口座を開設しておく 41.5%
前受金の不要な証券会社で申し込む 49.1%
主幹事証券会社で申し込む 39.6%
家族などと一緒に申し込む 13.2%
その他 0.0%
特にない 13.2%
(複数回答)
「前受金の不要な証券会社で申し込む」が最多で49.1%であった。以降、「複数の証券会社に口座を開設しておく」が41.5%、「主幹事証券会社で申し込む」が39.6%と続く。この3つの少なくとも1つ以上を実践している人は84.9%にのぼり、証券会社選びを工夫している人が多いと言えそうだ。
「家族などと一緒に申し込む」という人は13.2%だった。結婚している人に限定しても14.8%にとどまるので、家族と協力して口数を増やすという人は多くないようだ。
IPOの認知度は必ずしも高くはないが、理解している人の実践率は高く、当選のために工夫を凝らしていることがうかがえた。IPOには若い企業を育てていく魅力もあるので、これはと思う銘柄が登場した時には挑戦してみるのも面白いかもしれない。
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調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2021年8月
調査対象:全国20〜50代の会社員
有効回答数:182件