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【沖縄県】県内シェア50%超! 沖縄の課題解決に取り組む、沖縄県民のための総合通信会社

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※この記事はJPX「新市場区分特設サイト」上で2022年2月3日に掲載した記事の再掲載です。

沖縄セルラー電話株式会社
代表取締役社長 菅隆志

県内シェア50%超!
沖縄の課題解決に取り組む、
沖縄県民のための総合通信会社
―沖縄県― 沖縄セルラー電話株式会社

2021年6月に創立30周年を迎えた沖縄セルラー株式会社は、1991年の創立以来、「事業を通して、沖縄経済の発展に貢献すること」 を企業理念とし、沖縄に根ざした総合通信会社として成長を続けてきました。「モバイル事業」「FTTH事業のauひかりちゅら、ひかりゆいまーる」「ライフデザイン事業のauでんき」の3つの中核事業すべて好調を維持する一方で、沖縄の課題解決に貢献する新規事業として、ヘルスケア事業、アグリ事業などにもチャレンジしています。2021年6月に就任し、社会貢献活動や人材育成にも力を入れる代表取締役社長の菅隆志さんに、沖縄の経済が日本、ひいてはアジアへ及ぼす影響についてうかがいました。

離島も含めたエリア拡大で、県民の支持を集め、シェアは50%以上

――2021 年6 月に創立30 周年を迎えられたとのこと。創業から現在に至るまでの経緯について教えてください。

菅社長 沖縄セルラー発足の経緯は、一般的な企業の設立経緯とは少し違います。まず、設立の前年、1990年10月に、本土と沖縄の経済人が沖縄振興のために協力していくことを目的とした「沖縄懇話会」が発足しました。

そこで沖縄振興策を話し合う中で、当時の京セラ株式会社の稲盛和夫会長から「沖縄に本社を置く沖縄県民のための通信会社をつくろう」との発言があり、その場で県内企業の賛同を得ました。こうして当社は翌1991年6月、KDDI株式会社 (旧第二電電株式会社) をはじめ、沖縄の有力企業43社の出資により設立された“沖縄県民のための通信会社”なのです。

――沖縄のための通信会社として設立されたのですね。

菅社長 そうです。ちょうど沖縄に他の通信会社も進出してくるタイミングでの設立となりました。しかし他社は、九州支社の沖縄支店という位置付けです。我々は沖縄に本社を置く「沖縄セルラー」という名前の通信会社で、我々だけが沖縄の会社という位置付けでした。

九州支社の沖縄支店という位置付けですと、エリアを構築する際、どうしても離島のプライオリティが下がります。しかし、我々は、本島はもとより、離島も含めたエリア拡大をいち早く進めたことで、県民の皆様に支持され、50%以上のシェアを獲得しています。

当初は携帯電話だけでしたが、2010年にはFTTH事業に進出し、光ファイバーインターネットサービス「auひかり ちゅら」を開始。総合通信事業者となりました。また、2019年には、ライフデザイン事業として、沖縄電力との協業で「auでんき」を開始し、事業の幅を広げています。

 

沖縄セルラーの持つ技術を、医療、農業、物流、環境保護にも展開

――新規事業に向けた取り組みとして、オンライン診療やドローンを活用した物流配送の実証実験などをされているとうかがいました。

菅社長 はい。沖縄には独自の課題がたくさんあります。中でも、島嶼(とうしょ)県ということもあり、離島での診療が大きな課題になっています。オンライン診療の実証実験は、人口1700人弱の与那国島で行いました。与那国島には、1カ所の診療所にお医者さんが1人しかおらず、万が一、お医者さんが新型コロナに罹患したら、島の医療が立ち行かなくなります。なんとか我々の技術で貢献できないかと考え、オンライン診療の実証実験を行ったところ、非常に好評でした。

また、西表島から7㎞弱の距離にある鳩間島に向けて、ドローンを活用した物流配送の実証実験も行いました。離島の多くは交通手段が船しかなく、台風などの悪天候によって数日間、物流が途絶えてしまうことがあります。そこで、ある程度の風速にも耐えられるドローンを使った物流配送の実証実験を行い、緊急時の物品輸送については目途がついたという状況です。

――沖縄が独自に抱える課題の解決に向け、沖縄セルラーの技術で貢献できることがたくさんあるのですね。

菅社長 ヘルスケアの面では、沖縄の人の健康課題を解決するため、「JOTOホームドクター」というアプリを提供し、健康管理に利用していただいています。沖縄は長寿県のイメージがあると思うのですが、実際、あまり歩かないし、お酒もよく飲むので、予備軍も含めると生活習慣病の罹患率も高いんです。

また、台風が来て物流が途絶えると、野菜が不足して値段が高騰します。以前、南大東島に台風が来たときは、レタスが1個1350円になったこともありました。そうした課題を解決するために、我々のICTの技術を活用して、コンテナで野菜を水耕栽培し、安定的に供給する取り組みを始めています。

――自然環境保護にも取り組まれているそうですね。

菅社長 はい。沖縄の経済は観光で成り立っており、観光資源は沖縄の美しい海や、やんばるの自然環境です。2021年7月には「奄美・沖縄」が世界自然遺産に登録されましたが、この地域に生息するヤンバルクイナなどの固有種の保護に、我々のIoT技術を提供しています。

具体的には、ヤンバルクイナなど、やんばるに生息する希少動物を、野良犬・猫などから保護することを目的に設置されている捕獲器があります。この捕獲機に動物が捕獲されると自動で通知するIoT機器を設置して、人がわざわざ捕獲されているかどうか見回りに行かなくてもいいようにしました。これによって獲物の回収の効率化が図られていると聞いています。

――2021年10月に発表された「おきなわ自然保護プロジェクト」のことですね。このプロジェクトを始められたきっかけについてお聞かせください。

菅社長 以前から、沖縄セルラーでは、部署ごとに、それぞれの関係先を中心とした社会貢献活動に取り組んでいました。しかし、企業として、社会貢献活動に軸をもってしっかり取り組むべきとの考えから、2021年2月に社会貢献部を設立。活動を一元化することにしました。

ちょうどいいタイミングで世界自然遺産の登録のニュースがあり、「おきなわ自然保護プロジェクト」の第1弾として、やんばる地区の貴重な生態系の維持、自然環境保護に貢献するプロジェクトを始めたところです。

 

沖縄のデジタル化が進むことで、日本とアジアの経済にも影響が及ぶ

――事業と社会貢献の両面で、沖縄の経済、文化、生活に貢献されていることがわかります。

菅社長 そうですね。ここまで我々が成長できたのは、沖縄県民の皆様や、沖縄の各企業の支援があってこそだと思っています。ですから、我々の事業の発展を通して、沖縄に還元をし、さらに沖縄の経済の発展に結びつけられるようにしていきたい。これは、我々の経営理念の一番はじめに書いてあることです。

特に、今後より進むデジタル社会において、インフラは非常に重要です。ここは我々が沖縄の総合通信事業者としてしっかり強化し、牽引していかなければならないと考えています。我々が気概をもって進めることにより、全国に先駆けて沖縄におけるデジタル化が進み、そのことがひいては日本経済へのよい波及効果として表れてもくるでしょう。また、地政学的に沖縄はアジアに近い特性があり、アジアへの影響力についても意識するところです。

――5Gをはじめとするインフラ整備により、沖縄のデジタル化が進むことで、日本経済にもよい影響が及ぶということでしょうか。

菅社長 この1、2年でDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が浸透しました。特にコロナ禍では、企業が業務の効率化やデジタル化、DXに取り組むきっかけとなりました。もうすでに、システム開発などをニアショアで進めている企業が、沖縄に複数存在します。今後、沖縄の企業が、開発の要件定義、システム構築などを担っていければ、まさしく日本経済への発展への貢献ができるのではないかと期待しています。

沖縄セルラーにも、法人のお客様からの問い合わせが増えています。ここはビジネスチャンスと捉え、法人向けマーケットにも、これまで以上に力を注いでいこうと考えています。

――対個人向けモバイル事業が厳しくなる中、対法人事業の伸びが期待されるということですね。

菅社長 コア事業が厳しい分、周辺事業でカバーをしていく必要があります。新たなチャレンジですから、社員の人材教育にも注力する必要があると考えています。

私が社長就任したのが2021年6月。コロナの影響もあり、社員と直接話をする機会が少なかったので、10月からはダイレクトミーティングを始めています。ダイレクトミーティングでは、直接、社員が日々の業務の中で感じる課題について話を聞き、改善できる部分は改善するようにしています。

もともと沖縄セルラーには、若い社員の意見を取り入れ、新しいチャレンジに躊躇しない気風があります。アグリビジネスやヘルスケアビジネスも、きっかけは若い社員からの提案でした。実際、アグリビジネスもヘルスケアビジネスも成長軌道にのっていて、周りの社員もしっかりサポートしようという雰囲気になっています。ただ、気風に任せるだけでなく、折々でチャレンジ精神を喚起したり、体系的な人材育成体制を構築したりすることは、今後も積極的に取り組むべき課題であると考え、取り組みを始めています。

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