東証市場再編

全国上場会社の旅

【福井県】社員もお客様もハッピーに! 福井で急成長を遂げたユニネク社の想い

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※この記事はJPX「新市場区分特設サイト」上で2022年1月19日に掲載した記事の再掲載です。

ユニフォームネクスト株式会社
代表取締役社長 横井康孝

社員もお客様もハッピーに!
福井で急成長を遂げたユニネク社の想い
―福井県― ユニフォームネクスト株式会社

2008年のウェブサイト開設以降、ユニフォームのインターネット販売で全国の顧客に支持され続けているユニフォームネクスト株式会社。2017年には福井県で10年ぶりとなる株式上場を果たし、現在は訪問営業にも力を入れています。代表取締役社長の横井 康孝さんに、躍進の秘訣や未来のビジョンなどについて伺いました。

ネット販売で全国にユニフォームの販路を拡大

――ユニフォームネクスト社の事業の概要について教えてください。

横井社長 メーカーさんから仕入れた業務用ユニフォームを、インターネットや対面にてお客様にご提案して販売しています。取り扱う商品は1万点以上。主な納品先は、建設現場や工場、病院や介護施設、飲食業や接客業などの店舗、オ フィスです。

近年はインターネットに軸足を置いて販売してきました。特に10名前後くらいの規模の事業所や企業の需要が高いですね。数百~数千人単位の企業になるとユニフォーム会社の訪問営業がありますが、小規模な事業所ではインターネット経由で購入される方が多いのです。さまざまなECサイトがある中で、皆さん「安く買えて、しっかり対応してくれる」という理由で当社を選んでくださっているようです。

――ユニフォームの売れ筋や、最近のトレンドはありますか。


横井社長 ユニフォーム市場で最も売上が大きいのは作業服です。最近ではデニム地など、普段着としても着られるカジュアルなタイプが人気ですね。当社では以前からインターネットで若い方々が着たくなるような「かっこいい作業服」に着目して販売してきました。企業のアピールポイントにもなりますし、実際に採用時に力を発揮しているようです。

最近の作業服のトレンドでいうと、夏はファン付きの作業服、冬はヒーター付きの防寒服が人気ですね。また、スーツ型の作業服は、お客様に挨拶する時に着替える手間が省けますし、着やすくて見映えがよいところが好評です。

誠実なお客様対応でファンが増加。業界1位に!

――創業当時の状況や、ご自身が2代目社長として就任されて以降の経営についてお教えください。

横井社長 当社は福井県でユニフォームの販売代理店を立ち上げようと、私の父親が1994年に始めた会社です。創業当時は県内のお客様への訪問営業が主で、年間売上高は数千万円の規模でした。

ただ、福井県という小さな市場では、同業他社と限られたパイを取り合う形になります。私は2007年に社長に就任したのですが、今後なかなか利益を上げることは難しいと感じました。もっと大きい市場で戦わなければいけないと考え、遅いタイミングではありましたがインターネットに可能性を見出しました。また、ユニフォームは商品点数が非常に多く、営業担当者が商品知識を全て頭に入れてお客様に伝えるのには限界があります。それならばインターネット上で数を厳選しておすすめを掲載し、着用感や作った人の意見など、カタログには載っていない顧客目線の情報を丁寧に説明したほうが、より良い売り方ができると考えたのも理由の一つです。

――インターネットでの販売にあたって意識したことは何でしょうか。

横井社長 ユニフォームという商材は一般的に、インターネットでの購入だと着心地や生地の厚みなどが分からないため、見た目だけで選んでしまって失敗しがちです。当社ではホームページで分かりやすい情報を紹介するだけでなく、電話でのご相談にも積極的に応じることにしました。当社のコールセンターは現在30名体制ですが、この規模のECサイトではかなり多い人数だと思います。ユニフォームに関するご質問やご要望、刺繍やプリントの加工のご相談など、細やかに、かつ即対応できるようにしています。

また、返品交換にも力を入れました。ユニフォームの特性上、「サイズが合わない」「想像していた質感ではない」などの理由で、どうしても返品交換が発生します。今後につながるリピーターのお客様を増やすために、時には新規のお客様を断ってでも返品交換への対応を優先しました。その結果、私たちの想像以上にお客様から評価していただき、インターネットで業界1位に躍り出ることができました。

福井県で10年ぶりの新規上場&初のマザーズ上場

――横井社長は、福井県の若手経営者が集まり”起業家の力で福井を創生する”という理念で活動されている「BBR経営塾」のご出身です。どのようなことを学ばれたのでしょうか。

横井社長 BBR経営塾は、福井県に本社を置くドラッグストアチェーン、Genky DrugStores株式会社の藤永賢一社長が「福井県から上場企業をもっと出していこう」と始められた経営塾です。大企業に比べて弱い立場である中小企業が、強みを生かして業績を伸ばしていくための「ランチェスター戦略」を中心に勉強する会でした。福井県は人口当たりの上場企業数がとても少なく、しかもこれまで上場した会社の大半が大企業です。それでも「頑張ろう」と志高くいられたのは、BBR経営塾のメンバーと切磋琢磨できたことが大きかったですね。

――2017年、福井県の企業では10年ぶりの新規上場を果たし、県内初のマザーズ市場への上場企業となりました。

横井社長 当社が「地方でも上場できる」という見本になることで、福井県での良いインパクトを作れたのではないかと思います。今度は自分たちが恩返ししようという思いで、福井県と共に、上場を目指す会社の皆さんのための様々な活動を手伝わせてもらっているところです。

前向きになれるハッピーな社風が、成長のカギ

――毎年安定して増収傾向にあり、2020年度の売上高はコロナ禍にもかかわらず約49億円に達しました。成長の秘訣を教えてください。

横井社長 上場前から、社員が働き甲斐を持てる会社作りをしようと長年取り組んできました。笑顔が素敵な社員を「笑顔チャンピオン」として表彰したり、社員同士で感謝の気持ちを記す「サンクスカード」を導入したり…。そのため社員の貢献意識が高く、コロナ禍で大変な時でも「頑張って会社を良くしていこう」と前向きになれる社風を築くことができたと思います。

また、BBR経営塾で学んだランチェスター戦略を今でも実践していることも大きいです。むやみに目先の売上や流行に手を出さず、お客様に喜んでいただける対応を徹底し、ウェブページのサービスレベルを上げることに注力してきました。それが安定して成長を続けてこられた理由だと思っています。

――今後、高い成長可能性をコンセプトとするグロース市場への移行を予定されています。これからの成長に向けた取組や、意気込みについてお教えください。

横井社長 引き続き、インターネットでのユニフォーム販売に関してはどこよりも高い接客レベルを目指します。スタッフは仕事に誇りを持ち、楽しみながら仕事をしてくれるので、さらに極めていきたいですね。

需要をさらに拡大するための取組にも注力していきます。まず、お客様企業の多くがユニフォーム管理に手間をかけておられるので、そこを解決できるウェブサービスを提供するべく、さらにシステムを強化していきます。また、今後は訪問営業にも取り組んでいきます。「仕事を頑張ろう!」と喜んで着用してもらえる、よりきめ細やかなユニフォームのご提案をして、多くの方々に当社の理念である「ワークライフをハッピーに!」を広げていきたいと思っています。

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