似ているようで違いがいろいろ

【始める前に知りたかった】つみたてNISA・iDeCo3つの後悔

提供元:Mocha(モカ)

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つみたてNISA(積立ニーサ)・iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)は、おトクに資産づくりができるとあって人気です。しかし中には、「つみたてNISAもiDeCoもよくわからないけどとりあえず始めてみた」という人もいるでしょう。

そんな人が、「始める前に知りたかった!」と後悔していることにはどんなことがあるのでしょうか。

今回は、つみたてNISA・iDeCoをしている人の、3つの後悔をお伝えします。

つみたてNISAとiDeCoの制度には違いがある

つみたてNISAもiDeCoも、お金を積み立てることで節税のメリットが受けられる制度です。しかし、つみたてNISAとiDeCoの制度には違いがあります。

●つみたてNISAとiDeCoの税制上のメリット

つみたてNISA:運用益が非課税
iDeCo:運用益が非課税、掛金が全額所得控除、受取時にも税制優遇あり

つみたてNISA・iDeCoのおトクのポイントは税金にあります。

つみたてNISAもiDeCoも運用益が非課税になる点は同じですが、iDeCoはさらに掛金が全額所得控除になるので、毎年の所得税や住民税を減らせます。また、受け取るときにも税制優遇を受けられます。iDeCoのほうがメリットが多く、おトク感がありますね。

●つみたてNISA・iDeCoはいくらから始められるか

つみたてNISA:金融機関によっては月100円から
iDeCo:月5000円から

つみたてNISAは、月1000円程度の少額からでもスタート可能。ネット証券などでは月100円から始められるところもあります。対してiDeCoは、月5000円からです。

つみたてNISAもiDeCoも、始めるには所定の書類などが必要で、少々手間がかかります。ただつみたてNISAのほうが少額からできるので始めやすく続けやすいでしょう。

●つみたてNISA・iDeCoの投資の上限額

つみたてNISA:2042年まで毎年40万円(2022年から始めると、合計840万円)
iDeCo:職業や企業年金の有無などによって、月あたり1万2000円~6万8000円(60歳になるまで投資可能。国民年金の被保険者であれば65歳になるまで投資可能)

つみたてNISAの非課税投資枠は毎年40万円なので、月あたり3万3000円程度が上限です。また、iDeCoも「掛金が全額所得控除になるので、掛金を多く出すほどおトク」と思ってしまうかもしれませんが、上限額があります。

では、つみたてNISAとiDeCoの後悔には、どんなものがあるのでしょうか。

つみたてNISA・iDeCoの後悔1:iDeCoは途中解約できないことを知らなかった

つみたてNISA・iDeCoの節税メリットを最大限生かすには上限額いっぱいに利用したいところですが、人生は山あり谷あり。急にお金が必要になった、という事態が発生することもあるでしょう。こんなとき、つみたてNISAの資産はいつでも解約できて現金化できますが、iDeCoの資産は原則60歳までは解約できません。

iDeCoの解約の条件はとても厳しく、ほぼできない、と考えていいでしょう。

おトクだからとiDeCoにお金をつぎ込みすぎると、60歳までのマネープランが不安定になりかねません。iDeCoはおトクですが、無理のない範囲での利用がおススメです。

一方、つみたてNISAはいつでも解約できます。ただし、解約しても、その分の非課税投資枠は元に戻らず、再利用できません。ですから、なるべく長期間解約せずに運用するのが望ましいのですが、資金が必要になったら、すぐに現金化できるのは大きな魅力です。

つみたてNISAとiDeCoの違いを理解していなかったために、おトクだからとiDeCoに資金をつぎ込んでしまう後悔は少なくありません。iDeCoは60歳まで引き出せないことを踏まえて利用しましょう。

つみたてNISA・iDeCoの後悔2:金融機関選びが重要だった

つみたてNISA、iDeCoとも、さまざまな金融機関で扱っています。
しかし、金融機関はどこも同じ、ではありません。しっかり比較検討して選ぶ必要があるのです。

つみたてNISAは、金融機関によって取扱商品に違いがあります。商品はどれも金融庁の基準を満たしていますが、せっかくなら利益を出せる商品を選びたいですよね。
その点、商品のラインナップが多い金融機関なら納得できるまで比較検討できます。一般的に、ラインナップが豊富なのはネット証券。自分が欲しい商品を扱う金融機関を選びましょう。

iDeCoもまた、金融機関によって取扱商品に違いがあります。つみたてNISAと同様に、商品ラインナップも大切ですが、手数料に要注意です。

iDeCoを始めるには、金融機関にiDeCo専用口座を開きます。口座開設時には、国民年金基金連合会に2,829円の手数料を必ず支払う必要があります。また、毎月の掛金を支払う際にも、国民年金基金連合会に105円、信託銀行に66円、合計171円を必ず支払います。そのうえ、金融機関によっては月数百円の口座管理手数料(運営管理手数料)がかかる場合もあるのです。さらに、取扱いのある投資信託の保有中にかかる信託報酬にも違いがあります。

口座管理手数料や信託報酬は、iDeCoを継続している間はずっとかかるコスト。ですから、できるだけ安い金融機関を選ぶことが大切です。60歳までの長期にわたって運用するので、ほんの数%であっても、トータルでは数十万円、数百万円の違いになることもあります。

金融機関は、年に1回を限度に変更することも可能ですが、手間がかかりますのでできるだけ最初からしっかり選んでおきましょう。

つみたてNISA・iDeCoの後悔3:リスクを恐れてローリスクの商品だけで運用していた

つみたてNISAは、投資初心者でも比較的安心して投資ができる、ローリスクの商品がそろっています。
またiDeCoは、大切な老後資金準備のための制度。元本確保型の商品(定期預金・保険)に加えて、リスクをとる商品(投資信託)までそろっています。

リスクをとるといっても、ローリスクであれば安心ではありますが、期待できるリターンはその分小さくなります。一方、大きなリターンを望めば、損失を出す可能性も高まりますが、大切なのはそのバランスです。

リスクとリターンは、商品ごとに考えるだけではなく、家計の資産全体で考えたいものです。

リスクは怖いからとにかくローリスク、と考えて運用先を決めると、なかなか資金が増えていかずこんなはずではなかったと後悔することに。とくに、iDeCoの定期預金や保険では、お金がほとんど増えないどころか、後悔2で紹介した手数料のほうが高くつく場合もあります。

預貯金や国債など、リスクのきわめて小さい資産をすでに持っているなら、ある程度のリスクをとって積極的に運用してもいいのではないでしょうか。

また、年齢が若ければ損失を出しても、十分取り返すチャンスがありますから、リスクをとる選択も可能です。

あまり怖がってばかりだと、せっかくの資産づくりのスピードがにぶくなってしまいます。どのくらいのリスクならとれるのか、1年に1回は資産づくりについてじっくり考える時間をとりましょう。

もちろん、積極的に攻めすぎて損失が大きくなっても後悔してしまいます。しかし、投資ではある程度の損失は必要経費。損失と利益を繰り返して、最終的にプラスになればいいと考えて、運用先を決めていきましょう。

つみたてNISA、iDeCoとも、運用する商品を変更することも可能です。今の商品より、魅力を感じる商品を探してみてはいかがでしょうか。

まとめ

つみたてNISAとiDeCoについて、始める前に知っておきたいことをまとめました。大切なお金の運用です。後悔しないよう、きちんと情報収集して臨みましょう。

[執筆:ファイナンシャルプランナー タケイ啓子]

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