投資信託のトレンドが分かる!
2022年5月 投資信託の資金フロー
提供元:三菱アセット・ブレインズ
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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。
そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2022年5月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。
(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信
1.投信市場における資金の流出入動向
「流入額が全体的に増加」
資金流出入は約5,850億円の資金流入超となり、前月(約3,040億円の流入超)から増加し、18ヵ月連続の流入超を維持した。
資産別の資金流入では、外国株式が約4,760億円の流入超で、前月(約2,960億円)から約1,800億円増加した。一方、国内株式は約250億円の流入超と、前月(約730億円)から約480億円減少した。このほか、不動産投信が前月約170億円の流出超から一転して、当月は約530億円の流入超となった。
資産別の資金流出では、外国債券、エマージング株式、エマージング債券、ハイイールド債券の流出額が前月対比で減少した。このほか、国内債券が前月約110億円の流入超から一転して当月は約90億円の流出超となった。
個別ファンドでは、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ国際)(約710億円)が資金流入で1位となった。2位は「アライアンスB・米国成長株投信 D」(アライアンス)(約390億円)、3位は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ国際)(約370億円)と続いた。
主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)
2.投信市場のパフォーマンス動向
「国内株式のみ小幅なプラス、他のアセットクラスはいずれもマイナス」
5月の金融市場は、月前半は米中の景気減速懸念やウクライナ紛争などの不安材料からリスクオフが継続したが、月後半には米インフレ加速懸念の緩和や中国景気底入れへの期待もあり、株価は下落基調から反転した。各国の債券価格はおおむね下落も、米国は小幅上昇した。
株式市場は、先進国を中心に前月比横ばいから小幅上昇で推移した。FRBで0.5%幅の利上げと6月以降の保有資産圧縮が決定されると、市場では金融引き締め強化による米景気減速への懸念が生じ、NYダウが8週連続で下落するなど、株売りが進行した。中旬以降は中国の都市封鎖解除への期待に加え、米物価指標の鈍化や大手小売の好決算を受けて景気減速懸念が幾分和らぎ、株価上昇に転じた。
債券市場は、米国金利はやや低下(債券価格は上昇)した一方、その他主要先進国金利はおおむね上昇(債券価格は下落)した。米10年国債利回りは大幅利上げを決定したFOMC後に一時3.2%台に達した後、期待インフレ率の上昇一服とともに低下した。独10年国債利回りは、ECB総裁らによる7月利上げ開始やマイナス金利脱却への言及が相次ぎ上昇した。
為替市場は、対米ドルでは円高、対ユーロでは円安が進行した。日米金利差が意識され米ドル・円は一時131円台まで上昇するも、米国金利低下を受けた米ドル売り、リスクオフからの円買いが優勢となり、米・ドル円は前月比下落した。ユーロはECBによる早期利上げ観測から上昇し、ユーロ・円も前月比上昇した。
これらを背景に、当月のリターンは、国内株式を除くアセットクラスはいずれもマイナスとなった。中国での主要都市ロックダウン等による経済活動の制限やウクライナ情勢の悪化・長期化などによる景況感の悪化を背景とした外国株式(主に大型グロース株)の下落、米欧の金融当局における金融引き締めペースの加速を背景とした債券価格の下落などが影響した。一方、国内株式は、経済活動再開による国内需要回復への期待感などを背景に、小幅ながらプラスとなった。
パフォーマンス上位5資産のランキングと実績
3.新規設定ファンドの動向
「設定本数、設定額ともに減少」
当月の新規設定本数は6本、設定額は約17億円となった。前月対比で設定本数は14本減少、設定額は約230億円減少した。
新規設定ファンドのうち、当月末時点の純資産残高が最大となったファンドは、「あおぞら・徹底分散グローバル・サステナビリティ株式ファンド」(あおぞら)であった。当ファンドは、日本や新興国を含む世界の株式(約7,000銘柄)を投資対象とし、環境、社会的サステナビリティを考慮した運用を行う。
新規設定金額、設定本数の推移
最後に、5月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。
資金流入上位15ファンド一覧
(三菱アセット・ブレインズ)