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【福岡県】増え続けるモバイル端末の管理サービスを提供 真面目な社風で11年連続トップシェア

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※この記事はJPX「新市場区分特設サイト」上で2022年2月24日に掲載した記事の再掲載です。

株式会社アイキューブドシステムズ
執行役員 コーポレート・コミュニケーション室長 山田泰裕

増え続けるモバイル端末の管理サービスを提供
真面目な社風で11年連続トップシェア
―福岡県― 株式会社アイキューブドシステムズ

「ITをもっと身近に」というミッションのもと、クラウドを利用したBtoBのSaaS事業を展開する株式会社アイキューブドシステムズ。2010年にリリースしたモバイル端末管理サービス「CLOMO」がヒットし、同社の成長を牽引しました。

今ではスマートフォンなどのモバイル端末を多く使う企業や、官公庁、学校、病院などにとって欠かせない管理のインフラとして機能しています。順調な成長の理由と、これからの見込みについて、執行役員コーポレート・コミュニケーション室長の山田泰裕さんにお聞きしました。

Googleへの視察を機に、SaaS事業へシフト

――2001年の創業から20年、ここまでの成長の歩みを教えてください。

山田室長 2001年に現在の代表取締役社長の佐々木が創業して、2010年くらいまでは主に地場のお客様に対するシステムの受託開発事業を行っていました。2006年に、アドバイザーとしてお世話になっていた方の紹介で、佐々木がGoogleのシリコンバレーの本社を見学することがあり、そこで大きな刺激を受けたことが一つのターニングポイントとなっています。

帰ってきた佐々木がインターネットを利用したサービスのポテンシャルを伝え、SaaS事業への切り替えを提案すると、社員たちからもぜひやりたいという声が上がり、2007年頃から何種類ものサービスをリリースするようになっていきます。

そして2010年にリリースしたモバイル管理サービス「CLOMO」が多くのお客様にご利用いただけるようになり、2011年頃には受託開発の会社からSaaSの会社へと完全に転換しています。その頃は「SaaSクラウド」「サブスクリプション」などは一時的な“バズワード”で、すぐ消えると言われていた頃でしたが、佐々木はクラウドが時代の主流になると自信を持って語っていました。

――主力事業へ成長したモバイル端末管理サービス「CLOMO」とは、どのようなサービスなのでしょうか。

山田室長 スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどのモバイル端末を管理するためのサービスが「CLOMO」です。

法人様が多くの社員にモバイル端末を持ってもらうときなどには、パスワード設定の管理、盗難・紛失時のロック機能、利用状況の把握、アプリの配布など、必ず必要になる管理機能があります。それらを「CLOMO」は網羅的に備えています。

すでに日本全国3500社以上のお客様に使っていただいており、社員数500人以上のお客様が多いです。GIGAスクール構想を受けて生徒一人に一台の端末を配っている学校や、医療従事者の方々の業務でモバイル端末を導入している病院などでも使っていただいています。モバイル活用のためのインフラとして機能しています。

働きやすく暮らしやすい福岡を拠点に全国へ

――福岡で創業されたのはどのような経緯だったのでしょうか

山田室長 長崎出身の佐々木が、福岡のIT専門学校で学び、そのまま福岡の企業に就職し、27歳の頃に独立したという経緯です。

ITはどこででも仕事ができるので福岡が好きで、それは自然な流れだったと聞いています。数年前までは福岡市でも中心から少し離れた南区にいましたし、あえて都市部に行こうという志向は当社にはありません。ただ、商圏は福岡や九州に偏ることは全くなく、日本全国です。

さらに今、お客様がオンラインセミナーにも多く集まってくださるようになり、大都市に限らず地方も含めて幅広いお客様に当社を知っていただくチャンスが増えました。

――福岡の魅力はどのようなことだとお感じですか。

山田室長 従業員が働きやすく、暮らしやすい地域だというところです。「生活の中の仕事」と私たちは考えていますので、プライベートでも少し足を伸ばせば自然を楽しめる環境があり、暮らしを大事にできることが福岡に居続けている理由だと思います。

それでいて空港がとても近く、日本各地に移動しやすいというビジネス的なメリットもあります。また、中国や韓国にも近く、海外の方も多くおられる開かれた地域です。当社も社員の約7%が外国籍です。

真面目にコツコツ、積み重ねて獲得した信頼

――2021年6月期に「CLOMO MDM」の導入法人数が前期比40%増となっています。順調に事業を拡大できている理由や強みを教えてください。

山田室長 派手さのない答えですが、開発力、セールス力、サポート力の3点を疎かにせず、10年かけてコツコツと積み上げてきたところが大きな競争優位性になっていると思います。サブスクリプション型のサービスは、それらの一つが欠けてもお客様から長く支持されることは難しいと私たちは考えており、あらゆる接点でお客様の高い満足度を維持し続けようと、総合的にコツコツと強化してきました。

さらに代理店販売を中心とした事業なので、代理店にも信頼いただける会社でなければいけません。勢いや尖ったプロダクトだけでここまできたわけではなく、パフォーマンスを上げながらコストを下げる努力や、お客様のご意見に目をそらさず向き合う積み重ねでした。代表の佐々木も目立つところに出たがらず、事業に集中したいという人間です。真面目さは当社の社風だと感じています。

※MDM 「Mobile Device Management(モバイルデバイス管理)」の略称。デバイスの導入・運用時のセキュリティ対策や管理・運用に必要な機能群を指す。

――コロナによる顧客ニーズの変化はあったのでしょうか。

山田室長 モバイル端末で柔軟に働き方を変えていく変化が前倒しになり、近い将来に来ると思っていたことが、急に訪れたという認識です。スマートフォンやタブレットだけを持ち歩けるようにしていたお客様が、ノートパソコンも持ち帰って仕事ができるようにしているため、管理する端末はかなり広がっており、需要は大きくなっています。

――2020年7月の上場が成長にプラスになっている点はありますか。

山田室長 お客様がより安心して私たちのサービスを購入いただけるようになっていることは間違いないと思います。販売代理店もより安心してお客様に紹介できるようになっています。

まだまだ伸びしろの大きなモバイル端末管理

――2024年6月期までの中長期的な目標として、売上高毎期125%以上、営業利益率40%を目指すとされています。どのような見込みをお持ちですか。

山田室長 伸びしろが大きく3つあります。1つ目は、今後、3GやPHSのサービスが段階的に終了していくことで、ガラケーと呼ばれるフィーチャーフォンをお使いの企業がスマートフォンなどに乗り換える需要が生まれます。そこで確実にサービスを展開していきます。

2つ目は、コロナ禍でノートパソコンを持ち運びする需要が大きくなっていることです。ノートパソコンの管理でさらに支持していただけるサービスを開発、提供していきます。

3つ目は、PDAと呼ばれる業務用端末の管理です。工場やコンビニなどで検品や在庫管理に使われている専用業務端末の管理にも踏み込んでいきます。「CLOMO」で管理できる端末は確実にまだまだ増えていくので、チャンスは増えていくと思っています。

――特に注力している取り組みを教えてください。

山田室長 契約を増やすだけでなく、継続していただくための取り組みもカスタマーサクセスという部門を中心に力を入れています。

お客様のサポートを代理店に任せるのではなく、直接、私たちで行ってきたことは競合他社と大きく違うところです。問い合わせに迅速に回答でき、適切な情報をお届けできるのは大きな強みであり、10年のサポートノウハウも溜まってきています。問い合わせに答えるだけでなく、より便利な活用をこちらからご提案するなど、お客様のモバイル活用を成功に導いていきたいと考えています。

モバイル端末を管理する事業はまだまだポテンシャルが高いと考えており、基本はここに集中して投資していくという考えです。加えて、新しくコーポレートベンチャーキャピタル事業を行う子会社を設立しました。広く外部の企業との連携やアライアンスを強めていくことで、お客様の価値創造に貢献するスピードを上げていきます。

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