2022年、珍しく好調なのはエネルギー投資(2022年9月2日時点)
提供元:Morningstar Indexes(モーニングスター・インデックス)
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世界中の投資家にとって悪材料が続く一方で、石油や天然資源の価格急騰といったインフレの根本的な原因となっているものへの投資が年初来高いリターンを享受しています。実際に、世界中の市場が低迷する中、エネルギー生産業界の「上流」「中流」「下流」分野を対象とする指数のどれもが、今年に入って好調なパフォーマンスを示しています。
まず「上流」分野である、石油の採取や金属、木材、農産物といった資源など、エネルギー・サプライチェーンの初期段階で事業を行う企業の株価パフォーマンスを測定する「Morningstar グローバル株式アップストリーム天然資源指数」は、年初来13%以上上昇しています。エネルギー業界で、最終消費者に原材料を提供する「下流」事業を手掛ける企業で構成されている「Morningstar グローバル株式 石油・ガス 精製・販売指数」は、今年に入って17%近く上昇しています。また、エネルギー業界で輸送、貯蔵、加工などの「中流」事業に投資するマスター・リミテッド・パートナーシップ(MPL)のパフォーマンスを示す「Morningstar MLPコンポジット指数」は、年初来で34.5%と驚くべき上昇率を達成しました。
インフレ環境下のポートフォリオ分散
Dan Lefkovitzst Morningstar Indexes 指数ストラテジスト
「特にインフレが高まる市場環境下では、投資家はポートフォリオの分散を図るためにエネルギーやコモディティへの投資を考えているかもしれません。それでも、何年も続いてテクノロジー株が市場の多くのウェイトを占めた後では、これらの資産クラスへの投資は、まだごくわずかである可能性があります。2021年にエネルギーセクターは反発しましたが、2022年に入っても同セクターが「Morningstar グローバル株式指数」に占めるウエイトは、2011年の11%から低下してわずか3.5%にとどまっています。このため、市場全体に投資するポートフォリオを保有する投資家は、このセクターにほとんどエクスポージャーを持っていないことになります。また、Morningstar Directによる資産フロー・データによれば、全世界の株式型ファンドの資産残高は24兆ドル、債券型ファンドは10兆4,000億ドルであるのに対して、コモディティに焦点を当てるファンドおよびETFの資産残高はわずか3,420億ドルにとどまっています」
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(提供元:モーニングスター・インデックス)