複利効果がすぐわかる!

資産が2倍になる期間が瞬時に計算できる「72の法則」と「126の法則」

提供元:Mocha(モカ)

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銀行の預貯金でお金が増えない時代に、積立投資をスタートする人が増えています。金融庁「NISA口座の利用状況調査」によると、2022年3月末時点のつみたてNISAの口座数は586万口座。1年前(2021年3月末時点)は361万口座なので、約1.6倍に増えています。長期投資をすることで時間を味方につけ、複利効果でお金を増やす期待ができます。

では、複利効果によって資産が2倍になるまでには、どのくらいの期間が必要なのでしょうか。今回は、投資をする上で知っておきたい複利効果と、資産が2倍になる期間が簡単に計算できる「72の法則」と「126の法則」を紹介します。

利息の計算方法「単利」と「複利」の違い

利息の計算方法には、単利と複利の2種類があります。

単利は利息を元本に組み入れない計算方法。元本部分に対してのみ利息がつきます。それに対して複利では、利息を元本に組み入れて計算します。元本+組み入れた利息にまた利息がつくのです。

たとえば、年利1%の銀行預金に100万円を預け続けたとします。このときの元本+利息の合計額は

【単利】100万円→101万円→102万円→103万円…と、毎年1万円ずつ増加
【複利】100万円→101万円→102万100円→103万301円…と、毎年1万円+利息についた利息分が増加

と、徐々に差が出てきます(なお、税金は考慮していません)。

複利効果は、元本に組み入れた利息にもさらに利息がつくため、長期間取り組むほど雪だるま式にお金が増える可能性があるのです。

この複利効果でお金が増えるスピードが上がるのはわかりますが、お金がどれくらい増えるのか、パッと計算できないですよね。

そこでExcelなどのソフトを使わずに、お金が2倍になるまでの期間を瞬時に計算できる公式が「72の法則」と「126の法則」です。

一括投資した場合にお金が2倍になるまでの期間がわかる「72の法則」

一括投資した場合に、複利効果でお金が2倍になるまでの期間が簡単にわかる法則に「72の法則」があります。

●「72の法則」の公式
72÷金利(%)=一括投資でお金が2倍になる期間(年)

72の法則の公式はとても簡単です。72を金利で割れば、一括投資したお金が2倍になるまでの期間がわかります。たとえば、

・1%で運用した場合:72÷1=72 約72年
・2%で運用した場合:72÷2=36 約36年
・3%で運用した場合:72÷3=24 約24年
・4%で運用した場合:72÷4=18 約18年
・6%で運用した場合:72÷6=12 約12年
・8%で運用した場合:72÷8=9  約9年

と、一括投資したお金が2倍になるまでの期間が計算できます。

また、式を変形すれば「〇年でお金を2倍にするのに必要な金利」もわかります。たとえば、一括投資したお金を20年で2倍にするには、72÷20年=3.6%で運用すればいいというわけです。

ちなみに、上でお話しした「金利1%の銀行預金」は、今や存在しません。

大手銀行の普通預金金利は年0.001%(2022年10月14日時点)。72の法則に当てはめると、72÷0.001=72,000ですから、お金を2倍にするのに7万2000年もかかることがわかります。お金を増やすには、資産運用が大切ですね。

積立投資した場合にお金が2倍になるまでの期間がわかる「126の法則」

72の法則は便利ですが、あくまでも「一括投資」した場合の簡易計算の公式です。

積立投資をスタートさせ、お金を堅実に増やそうとする方が増えている中で知りたいのは、「積立投資をしたときにお金が2倍になるまでの期間」ではないでしょうか。

そこで利用したいのが「126の法則」です。126の法則は、慶應義塾大学理工学部の枇々木規雄(ひびき・のりお)教授が提案した法則です。積立投資をした場合にお金が2倍になるまでの期間が簡単に計算できます。

●「126の法則」の公式
126÷金利(%)=積立投資でお金が2倍になる期間(年)

126の法則の公式の使い方は、72の法則と同じです。126を金利で割れば、積立投資でお金が2倍になる期間がわかります。具体的には、

・1%で運用した場合:126÷1=126 約126年
・2%で運用した場合:126÷2=63 約63年
・3%で運用した場合:126÷3=42 約42年
・4%で運用した場合:126÷4=31.5 約31.5年
・6%で運用した場合:126÷6=21 約21年
・8%で運用した場合:126÷8=15.75 約15.75年

となります。

たとえば、毎月1万円ずつ42年にわたって積立投資を行い、年3%で運用できたとします。このとき、42年後の投資元本は504万円で、資産合計は1008万円になるというわけです。23歳から65歳までの42年間で、毎月2万円ずつ積立投資して、年3%で運用できれば、65歳時点で2016万円が貯まっている、と考えることもできます。以前話題になった「老後資金2000万円」も、毎月2万円の積立投資で用意できる計算です。

126の法則の計算結果をみると、できれば年利3%以上は欲しいことがわかります。いくら資産が2倍になるといっても、年利1%・2%の場合の投資期間は、現実的ではないでしょう。また、年利3%でも42年かかるのは長い…と思われるかもしれません。しかし、リスクとリターンは表裏一体です。高い運用利率を狙うと、その分値下がりのリスクを抱えることは覚えておきましょう。

「190の法則」「76の法則」も便利

枇々木教授は他にも、積立投資でお金が3倍となる「190の法則」や、積立投資でお金が1.5倍となる「76の法則」も紹介しています。いずれも、計算方法は72の法則・126の法則と同じです。

●「190の法則」の公式
190÷金利(%)=積立投資でお金が3倍になる期間(年)

・1%で運用した場合:190÷1=190 約190年
・2%で運用した場合:190÷2=95 約95年
・3%で運用した場合:190÷3≒63.3 約63.3年
・4%で運用した場合:190÷4=47.5 約47.5年
・6%で運用した場合:190÷6≒31.7 約31.7年
・8%で運用した場合:190÷8=23.75 約23.75年

●「76の法則」の公式
76÷金利(%)=積立投資でお金が1.5倍になる期間(年)

・1%で運用した場合:76÷1=76 約76年
・2%で運用した場合:76÷2=38 約38年
・3%で運用した場合:76÷3≒25.3 約25.3年
・4%で運用した場合:76÷4=19 約19年
・6%で運用した場合:76÷6≒12.7 約12.7年
・8%で運用した場合:76÷8=9.5 約9.5年

積立投資で資産を3倍にしようとすると、年利8%でも約24年、年利6%でも約32年と、相応の年数がかかることがわかります。一方、資産を1.5倍にするのであれば、年利3%でも約25年と、2倍のときの約6割の期間で達成できることがわかります。

まとめ

お金が2倍になるまでの期間は「72の法則」で求められますが、積立投資全盛の今、資産が2倍になるまでの期間を計算するならば、積立投資でお金が2倍になるまでの期間が計算できる「126の法則」が適しています。

お金が2倍になるまでの期間は、金融庁のシミュレーションサイトなどでも計算することができます。でも、もっと手軽に、瞬時に、暗算でお金が2倍になるまでの期間が知りたいときには、126の法則が役立ちます。ぜひ、活用してみてください。

[執筆:マネーコンサルタント 頼藤太希]

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