リスキリングに役立てたい補助金
教育訓練給付制度で最大224万円の補助が出るって本当？
提供元：Mocha（モカ）
社会人のキャリアアップや転職のためには、「リスキリング」が必要です。最近話題のリスキリングについて、意味や必要な理由を確認しておきましょう。
社会人のスキルアップには、教育訓練給付制度の活用がおすすめです。教育訓練給付制度の内容についても知っておきましょう。
最近よく聞く「リスキリング」とは？
リスキリングとは、スキルの向上を目的とした学び直しのことです。リスキリングは、世界経済フォーラムでも推奨されるなど、世界的に注目されています。日本でも経済産業省を中心にリスキリングを推進する取り組みが行われています。
国がリスキリングを積極的に後押ししている大きな理由は、DX（デジタルトランスフォーメーション）推進のためです。デジタル技術の進歩によって産業構造が変わり、デジタル関連のスキルを持った人材が求められるようになりました。リスキリングにより、DXに対応できる人材を育成したいという狙いがあります。
個人にとっても、これからの時代、リスキリングが不可欠です。今や1つの会社で定年まで安心して働ける時代ではなくなりました。デジタル化やAI（人工知能）の普及で人材が不要になる業界も出てきています。一方で、結婚・出産後の女性や定年後の高齢者の多くも働くことを希望するようになりました。誰もが環境やライフスタイルの変化に合わせ、勤め先や働き方を選ぶ必要性が高くなっているのです。
リスキリングに活用したい教育訓練給付制度
リスキリングによりスキルアップすれば、転職がしやすくなります。現状は転職を考えていない人でも、キャリアアップを目指すことは重要です。スキルを身につければ、会社を辞めて転職しなくても、副業で収入を増やせるかもしれません。
デジタル関連の知識・技術に限らず、現代社会で求められているスキルはたくさんあります。語学力を磨くのも1つの方法でしょう。経営、労務、会計の知識なども、どこの会社でも求められるスキルです。資格を取得してスキルを可視化しておけば、転職の際にも役立ちます。
学び直しや資格取得にはお金がかかります。社会人のリスキリングに活用したいのが、教育訓練給付制度です。教育訓練給付制度を利用すれば、厚生労働大臣の指定する通学講座や通信講座を受講し修了した場合に、受講費用の一部が支給されます。
教育訓練給付制度でいくらもらえる？
教育訓練給付金を受給するには、原則として「現在まで雇用保険に3年以上加入している」もしくは「離職後1年以内で雇用保険に3年以上加入していた」という条件があります。詳しくは、厚生労働省のホームページ等で確認しましょう。
教育訓練給付金には3種類あり、それぞれ対象となる講座や支給額が異なります。
（1）一般教育訓練給付金
英検、TOEIC、簿記、Webクリエイター、MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）、中小企業診断士、インテリアコーディネーターなど、比較的手軽に受講できる講座が対象です。受講費用の20％が支給されますが、支給額の上限は10万円となっています。
（2）特定一般教育訓練給付金
社会保険労務士、税理士、司法書士、FP技能検定、宅地建物取引士、介護職員初任者研修など、速やかな再就職と早期のキャリア形成に役立つ資格の講座が対象となっています。支給額は受講費用の40％、上限は20万円です。
（3）専門実践教育訓練給付金
看護師、介護福祉士、美容師、保育士、調理師、キャリアコンサルタント、高度IT資格など、中長期的なキャリア形成に役立つ資格の講座を対象としたものです。受講費用の50％、年間支給額の上限40万円ですが、最長4年支給が受けられます。
さらに、資格取得後1年以内に就職した場合には追加の支給が受けられます。これにより専門実践教育訓練給付金の支給額は最大受講費用の70％、年間上限56万円となるため、最大で224万円の支給となります。
まとめ
変化の激しい時代に対応するためには、個人でもリスキリングを意識しておくことが重要です。社会人の学び直しには、教育訓練給付制度が活用できます。給付金をもらえる条件をみたしているか、学習する講座は対象になるかを確認しておきましょう。
[執筆：ファイナンシャルプランナー 森本由紀]
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