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投資信託のトレンドが分かる!

2022年11月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2022年11月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「資金流入超を維持」

資金流出入は約3,970億円の資金流入超となり、前月(約4,450億円の流入超)から減少したが、24ヵ月連続で流入超を維持した。

資産別の資金流入では、流入額の大きい順に、外国株式(約2,940億円)、複合資産(約490億円)、不動産投信(約460億円)となった。外国株式や不動産投信の流入額は前月から減少した一方、外国債券やエマージング株式などでは流入額の増加が見られた。

資産別の資金流出では、前月の流入超から流出超に転じた国内株式(▲約510億円)のほか、国内債券(▲約90億円)、エマージング債券(▲約60億円)が流出超となった。

個別ファンドでは、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ国際)(約650億円)が資金流入で1位となった。2位は11月新規設定の「TRプライス米国オールキャップ株式ファンド」(Tロウプライス)(約400億円)、3位は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ国際)(約380億円)となった。

主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

2.投信市場のパフォーマンス動向

「エマージング株式と国内株式はプラス」

11月の金融市場は、米欧の中央銀行による利上げペース減速期待から、株価上昇・金利低下(債券価格は上昇)・米ドル安となった。

株式市場は、全体的に上昇した。10月の米消費者物価指数の伸び率が市場予想を下回ると、インフレピークアウトへの期待から米欧の中央銀行による利上げペース減速観測が強まり、株価は上昇した。また、月後半に公表されたFOMC議事要旨も利上げ減速を示唆する内容であったことから、FRBによる利上げペース減速を織り込む動きが強まり、株価は更に上昇基調を強めた。中国でも、ゼロコロナ政策の修正に伴う経済活動再開への期待から、株価は反発した。

債券市場は、概ね金利が低下(債券価格は上昇)した。米10年国債利回りは、米消費者物価指数の鈍化を受け、FRBによる利上げペース減速観測が強まり低下した。独10年国債利回りも、米国市場の流れを受け、ECBも利上げペースを減速させるとの見方が強まったことから低下した。一方、日本10年国債利回りは、日銀の許容変動幅上限の0.25%近辺で概ね横ばいとなった。

為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに前月比で円高が進行した。米ドル・円は、FRBによる利上げペース減速期待から米金利が低下したことなどから、前月末対比で約10円の米ドル安・円高となった。ユーロ・円は、米ドル・円の流れを受けて円買いが優勢となり、前月末対比でユーロ安・円高となった。

これらを背景に、当月はエマージング株式のパフォーマンスが1位となった。主に中国関連ファンドが主導した。ゼロコロナ政策の制限措置緩和や景気刺激策を通じた景気回復への期待から、海外投資家を中心に中国株が買い戻されたことなどが、プラスに寄与した。国内株式もプラスパフォーマンスとなった。米欧市場の株価上昇を受け、国内市場においても買い安心感が広がり、株高となったことがプラスに寄与した。

それ以外の資産カテゴリーではマイナスパフォーマンスとなった。先進国株式は、当月の株価は上昇したものの、米長期金利の低下とともに円高が進んだこともあり、円換算ベースのパフォーマンスが低迷したことなどがマイナスに影響した。

パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

3.新規設定ファンドの動向

「設定本数、設定額ともに増加」

当月の新規設定本数は14本、設定額は約500億円となった。前月対比で設定本数は2本、設定額は約420億円増加した。

新規設定ファンドのうち、当月末時点の純資産残高が最大となったファンドは、「TRプライス米国オールキャップ株式ファンド」(Tロウプライス)であった。当ファンドは、主として米国株式のうち、成長性が高いと判断される企業や、企業の本質的価値に比較して過小評価されていると判断される企業の株式に投資する。また、大型株式から小型株式まで時価総額規模の企業を投資対象とする。企業規模やスタイルに縛られないオールキャップ&オールスタイルの柔軟な運用を行うことにより、米国株式への幅広い投資機会の獲得を目指すファンドである。

新規設定金額、設定本数の推移

※ETF、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

最後に、11月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

資金流入上位15ファンド一覧

(三菱アセット・ブレインズ)

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