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2023年2月号「投資環境レポート」

2023年のリスクシナリオ

提供元:野村アセットマネジメント

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野村アセットマネジメントでは、毎月、世界経済や金融市場の注目点を投資環境レポートとしてお届けしています。

2月の投資の視点は、「2023年のリスクシナリオ」です。

<注目点>

●2023年は景気減速に伴うインフレ鎮静化が展望できる年となろう。利上げ停止に伴う、米ドル安・金利低下・株高という2022年とは逆の動きが予想される。

●ただし、コロナ対策で家計に移転された現金の存在が景気を下支え、利上げ停止時期を後ずれさせかねない。一方、インフレ抑制達成の際には、企業が価格支配力を失うであろうことにも注意。

●安全保障上の観点からのサプライチェーン再編は、移行期には資金需要を通じて金利を押し上げる要因となり得る。しかし、二重投資によって潜在成長率は低下し、需給ギャップ拡大と相まって、低インフレ=低金利環境が維持されよう。

米国は利上げ停止へ

2022年は、コロナ対応から財政・金融政策の正常化への年、高まっていたインフレ解消の経路が供給制約解消か、引き締めによる需要の強制的抑制かで市場へのインプリケーションが全く異なると位置付けてきた。

そこへ、感染症に加えロシアによるウクライナ侵攻による供給制約が強まり、米国においては40年ぶりの高インフレに陥った。米連邦準備制度理事会(FRB)が急激な金融引き締めを行った結果、米ドル高・金利上昇・株安を招き、インフレピークアウトの兆しが出てきたのは昨年10月以降であった(図1参照)。

2023年は、景気減速に伴うインフレ鎮静化が展望できる年となろう。そこからは利上げ停止に伴う、米ドル安・金利低下・株高という2022年とはちょうど逆の動きが予想される。米国の利上げは、インフレのピークアウトを前提に、今年2月に利上げ幅が25ベーシスに再度縮小されたうえで、年央までに利上げ停止されるというのがメインシナリオとなろう。しかし、そこに至る経路は紆余曲折が見込まれる。

粘り腰と冷や酒

第一に、感染症の消長とウクライナ情勢は不透明材料であり続けよう。経済や市場環境、特にインフレとのかかわりを展望するうえで重要なのは、感染症やウクライナ情勢が「追加的」供給制約となるか否かである。すでにウクライナ、ロシア双方ともに多大な犠牲を出しており、納得できる成果がなければ対ロ制裁解除の前提となる停戦は困難だろう。

第二に、利上げ停止時期には後ずれリスクがある。中でも金融引き締めによる需要抑制が、コロナ対応で政府から家計、企業に移転されたキャッシュの存在によって効きにくくなっていることが指摘できる(図2参照)。また、半導体供給不足やサプライチェーンの混乱によって思い通りに生産できなかった自動車には、まだペントアップ需要が残っている可能性がある。

したがって、当面は耐久財消費を中心に景気が意外に「粘り腰」を見せ、その分インフレ率低下や利上げ停止が後ずれするリスクがある。現在のイールドカーブは、景気後退懸念を背景にFRBが示唆した利上げには達しない織り込みとなっている。したがって、景気やインフレが「粘り腰」を見せる場合には、金利が上昇する余地は大きいとみる。

他方、それ以降は手元に積み上げられたキャッシュの枯渇とともにこれまでの利上げが「冷や酒」のように急に効いてきて景気後退や利下げ期待が高まろう。インフレ懸念が解消される時点では、企業はコスト上昇の価格転嫁を可能にしてきた価格支配力を喪失することになり、数量、マージンともに悪化し、金融緩和に伴う上昇の前に、一旦は株価調整に対する警戒が必要だろう。

もっとも、景気後退については、家計、企業ともに債務の膨張が限定的かつ現預金保有が大きいなどバランスシートが健全で、在庫や設備投資循環を主因とした比較的浅く短い調整にとどまろう(図3参照)。また、ゼロコロナ政策から転換した中国経済が安定に向かうことも好材料だ。

「粘り腰」がいつまで持続するか、「冷や酒」がいつどの程度効き始めるかを左右するのは、外部環境とともに、手元のキャッシュがもたらす需要下支え効果次第となろう。

2023年2月号「投資環境レポート」の続きは、こちらからご覧ください。

当資料は情報の提供を目的としており、当資料による何らかの行動を勧誘するものではありません。当資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。ここに示された意見などは、当資料作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡無しに変更される事もあります。投資に関する決定は、お客様御自身の判断でなさるようにお願いいたします。

(提供元:野村アセットマネジメント)

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