成行注文とはどんな注文?これを読めば指値注文との違いもわかります

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株式売買の注文方法として、成行注文や指値注文があります。呼び方は、それぞれ「なりゆきちゅうもん」「さしねちゅうもん」です。

株式売買には「成行注文」「指値注文」がある

株式を売買する場合、証券会社を通じて証券取引所に注文を出すことが一般的です。注文方法は、値段の付け方によって「成行注文」と「指値注文」があります。

それぞれ確認していきましょう。

成行注文とは

成行注文とは、証券会社に注文を出す際に、「いくらでもいいから、その時の市場価格で買いたい(売りたい)」と伝える方法です。主に、売買を早く、確実に執行したいと考えている際に利用されます。

売りの注文を出した際はその場の買い指値注文の中で高い金額、買いの注文を出した際にはその場の売り指値注文の中で低い(安い)金額で約定(やくじょう、売買が成立する意味)する点が成行注文の特徴です。

たとえば、850円・990円・1,130円で「売り」の指値注文を出している人がいる場合「買い」で成行注文を出すと3つの中で安い850円で約定します。

指値注文とは

指値注文とは、証券会社に注文を出す際に「いくらで買いたい(売りたい)」と具体的な値段を指定する方法です。

売りの注文を出した際は指定した金額以上、買いの注文を出した際は指定した金額以下の株価になったタイミングで約定する点が特徴です。たとえば、現在の株価が1,050円の株式に対して、1,030円で「買い」の指値注文を出した場合、値が1,030円になったタイミングで約定します。

なお、指値注文はあくまで「指定した金額以下(以上)で購入(売却)したい」という注文のため、今回の例で998円(1,030円未満)で購入できるなら、998円で取得可能です。

逆指値注文もある

「指値注文」に対して「逆指値注文」もあります。逆指値注文とは、株価が上昇して自分の指値以上になったときに買付け、株価が下落して自分の指値以下になったときに売付ける注文のことです。

一般的に、逆指値での「売り」は、株価の下落局面でこれ以上の損失を抱えることを防ぐ(損切り)ために注文します。一方、逆指値での「買い」は、株価が上昇傾向にあるときに、買い時を逃さないために注文することが一般的です。

成行注文のメリット・デメリット

株式取引時に、成行注文を出すことにはメリットがあります。一方で、デメリットもある点に注意が必要です。

成行注文のメリットとデメリットを確認していきましょう。

成行注文のメリット

成行注文のメリットは、取引成立(約定)までのスピードが速い点です。成行注文は、「価格がいくらでも買う(売る)」注文のため、指値注文よりも先に約定します。

「買い」で成行注文を出せば、すぐに欲しい銘柄を手に入れられるでしょう。また「売り」で成行注文を出せば、すぐに手放したい銘柄を早めに売却できる可能性が高まります。

成行注文のデメリット

成行注文のデメリットは、自分が想定していたより高い(低い)価格で購入(売却)しかねない点です。たとえば、株価500円前後が自分にとってお手頃と考えて「買い」で成行注文しても、直前に大量の「買い」が入ることで株価が高騰し、一株550円で購入しなければならなくなることがあります。

とくに、市場価格の変動が大きいときに成行注文を出すと、想定外の価格で約定しやすいです。また、証券取引所で株式が売買される量(出来高)が少ない銘柄に対して成行注文を出す際も、想定外の価格で約定することがあります。

指値注文のメリット・デメリット

指値注文にも、メリットとデメリットがあります。それぞれ確認していきましょう。

指値注文のメリット

指値注文のメリットは、想定外の価格で売買成立する事態を防げる点です。指値注文は、基本的に「買い」の場合は指定した金額より高い値で約定せず、「売り」の場合は指定した金額より低い値で約定しません。

仕事などでこまめに株価の値動きをチェックできない場合でも、指値注文なら基本的に想定外の値で約定することがないため安心できます。

指値注文のデメリット

「買い」の指値注文のデメリットは、欲しい銘柄があっても指定した価格に下がるまで購入できない点です。そのため、株価が上昇し続ける有望株を買いそびれることがあります。

また「売り」の指値注文のデメリットは、指定した価格に上がるまで売却できない点です。たとえば、一株500円で購入した株式が、現在450円にまで下がっているケースを考えてみましょう。

今後は上昇に転じると考えて売却益を期待し、550円で「売り」の指値注文を出したとします。期待とは裏腹に、保有する銘柄の株価がそのまま下がり続けると、約定できるタイミングがないため、含み損はさらに増えることになります。

成行注文と指値注文を上手に使い分ける

成行注文と指値注文に、どちらが「良い・悪い」という区別はありません。株式投資をはじめたら、両者のメリットとデメリットを理解して上手に使い分けることがポイントです。

判断時の目安として、以下の点が挙げられます。

・素早く成立させたければ成行注文
・希望価格にこだわりがあれば指値注文

それぞれ確認していきましょう。

素早く成立させたければ成行注文

どうしても今売買したい銘柄があれば、スムーズに約定するメリットがある「成行注文」を検討します。

たとえば、ニュースやSNSなどである会社の好材料を知り「株価は上がる可能性が高い」と考えた場合に、成行注文で対象銘柄の購入を検討するとよいでしょう。また、保有する銘柄の株価が下落傾向にあり、「今後も上がる見込みがない」と判断した場合も、一般的に売却の成行注文を出します。

ただし、自分の予想どおりに株価が動くとは限らない点、想定外の価格で約定するおそれがある点に十分注意が必要です。

希望価格にこだわりがあれば指値注文

希望している価格で売買したい場合は「指値注文」を検討します。

たとえば、長期的に保有することを想定している場合、取引を急ぐ必要がないため、自分のこだわりの価格で購入できる指値注文を選びましょう。また、自分の中で「これだけの利益を出したい」という明確な目標が決まっている場合も、保有する銘柄を売却する際に指値注文を選んだ方がよいです。

ただし、指値注文にすると、株価が自分の予想に反する動きをした際に、買い(売り)そびれることがある点に注意が必要です。

成行注文に関するよくある疑問

最後に、成行注文に関するよくある疑問に答えていきます。

成行注文でも約定しないことはある?

成行注文は、対象銘柄をスムーズに購入(売却)できる点は魅力ですが、状況によっては約定しないこともあります。

たとえば、相手注文として、対象の銘柄を売却(購入)しようとする人がいなければ、成行注文でも約定しません。また、先に同様の成行注文をしている人がいる場合も、約定しないことがあるでしょう。

「特別気配」が出ているときにも、約定しないことがあります。特別気配とは、価格が適正と認められる範囲を超えた際、急激な価格変動を防ぐために出す表示のことです。

さらに「売買停止」のときも、成行注文は成立しません。投資判断に重要な影響を与えるおそれがある情報が生じている際に、売買が停止されることはあります。

成行注文した際の順番は?

成行注文した際の順番は、株式投資における優先順位「時間優先の原則」「価格優先の原則」から理解できます。

「時間優先の原則」とは、先の注文を優先する原則です。そのため、同じ条件の注文がある場合、先の注文が優先して約定します。

「価格優先の原則」において、「売り」注文は値段が低い方、「買い」注文は値段が高い方を優先して約定する原則です。成行注文は「どの値段でもよい」という注文のため、どの指値注文にも優先して成立します。

早くに注文した成行注文から順番に約定し、次に高い(低い)「買い(売り)」の指値注文から成立すると理解するとよいでしょう。

寄成注文とは?

「寄成(よりなり)」注文とは、「寄り付き」時にのみ、執行することを条件とした成行注文を意味します。寄り付きとは、その日における最初の取引のことです。

寄成注文に関連して、「引け」のときだけ執行することを条件とした注文を「引成(ひけなり)」と呼びます。引けとは、午前(前場)と午後(後場)に行われる最後の売買のことです。

成行注文と指値注文の違いを理解して株式売買

成行注文とは、「どの値段でもいいから、そのときの市場価格で買いたい(売りたい)」と伝える方法です。一方、「いくらで買いたい(売りたい)」と具体的な値段を伝える方法として、指値注文があります。

成行注文は、スムーズに約定しやすい点がメリットです。ただし、想定外の価格で約定する可能性もあります。

成行注文と指値注文の違いを理解した上で、株式売買を進めましょう。

ライター:Editor HB
監修者:高橋 尚
監修者の経歴:
都市銀行に約30年間勤務。後半15年間は、課長以上のマネジメント職として、法人営業推進、支店運営、内部管理等を経験。個人向けの投資信託、各種保険商品や、法人向けのデリバティブ商品等の金融商品関連業務の経験も長い。2012年3月ファイナンシャルプランナー1級取得。2016年2月日商簿記2級取得。現在は公益社団法人管理職。

参考:日本取引所グループ「売買注文の方法」
参考:日本取引所グループ「用語集 成行注文(なりゆきちゅうもん)」
参考:日本取引所グループ「用語集 指値注文(さしねちゅうもん)」
参考:日本取引所グループ「用語集 逆指値注文(ぎゃくさしねちゅうもん)」
参考:日本取引所グループ「用語集 時間優先原則(じかんゆうせんげんそく)」
参考:日本取引所グループ「用語集 価格優先原則(かかくゆうせんげんそく)」
参考:日本取引所グループ「用語集 特別気配(とくべつけはい)」
参考:日本取引所グループ「用語集 売買の停止(ばいばいのていし)」

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