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兜のささやき(Vol.11)「クラウド監視カメラ」の重要性高まる 世界市場が拡大中

提供元:いちよし証券

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株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、都内ホテルでランチを取りながら投資談義を行っています。

「クラウド監視カメラ」の重要性高まる 世界市場が拡大中

神様:Tさん、日本の犯罪件数はどのくらいかご存知ですか?

T:具体的な数値はわかりませんが、報道では最近は減少していると聞きました。

神様:警察庁によると、令和3年の犯罪件数(刑法犯認知件数)は568,148件となり、前年に引き続き戦後最少を更新しました。その前年、コロナ禍が始まった令和2年は前年比で17.9%減少でした。暫定値ですが令和4年は601,389件となり、令和3年から増加しています。

T:コロナ禍の影響が大きいのですね。そうすると今後は増えそうですね。

神様:それはわかりませんが、全体的には2012年以降で減少傾向と言えます。一方でサイバー犯罪の検挙件数は増加を続けていますし、特殊詐欺も深刻な情勢が続いています。警察庁では、今後はこういった非対面型犯罪への対応強化も必要でしょう。

T:減少傾向にある要因には何があるのでしょうか?

神様:様々な要因がありますが、例えば「監視カメラ」の用途が広がっていることも一因です。日本防犯設備協会によると、刑法犯の認知件数は減少傾向である一方、検挙率は逆に上がっています。監視カメラの存在が犯罪の抑止力になっており、監視カメラの映像によって検挙をサポートする体制ができていると言えます。

T:確かに、報道でも見ますが犯人が逃走する経路の確認にも監視カメラの映像が用いられていますね。昔は把握できなかったことです。

神様:現在、監視カメラシステムの世界市場が拡大を続けています。矢野経済研究所によると、新型コロナの影響で経済が停滞した2020年は前年から減少しましたが、経済活動が再開された2021年からは再び拡大し、2026年には6.4兆円へ成長、2020年から年13.7%の成長を続けると予測されています。
用途も防犯用だけではありません。コロナ禍を背景に、非接触・非対面で店舗や施設を管理することが増えました。そのため、現場を遠隔で監視する用途でクラウドカメラの利用が増加しています。また、マーケティング情報取得のために活用される機会も多くなりました。

T:クラウドカメラとは、クラウドサーバーに映像データを保存するカメラのことですか?

神様:はい。カメラをインターネットに接続し、クラウドに映像を保存することで遠隔から映像を確認することができます。また、ネット経由でカメラを遠隔操作することもできます。

T:マーケティング情報の取得とは、映像から情報を得るものですか?

神様:例えば小売店舗などのカメラの場合、映像に映った人の性別、年齢などを確認できれば、AIを用いて商品に興味がある人、購入した人がどんな人なのかを分析することができます。そのような用途も今後世界的に広がっていくでしょう。

T:なるほど。しかし世界的に見れば防犯目的が重要性は高いでしょうね。世界の犯罪件数が高い国でこのような監視カメラシステムが整備され、犯罪を未然に防ぐことができればいいですね。

神様:そんな世界が実現すればいいですね。外務省の海外安全ホームページによると、南米ベネズエラでは、2021年に発生した暴力行為に起因する死者数は11,081人でした。日本の2021年の暴力行為に起因する死者数は、警察庁の資料によれば1,030人です。ベネズエラと日本では人口も違いますから、人口10万人あたりに直すと、ベネズエラでは10万人あたり40.9人、日本では10万人あたり0.8人となります。

T:50倍以上の差があるということですか。

神様:ベネズエラの背景には政治不安、経済崩壊、困窮、さらには警察体制の不備など、国全体の困難な状況があります。これは極端な例ですが、これから世界の治安が良くなるために、インターネットを活用した監視カメラシステムの役割の重要性が増すことは間違いないでしょう。

(提供元:いちよし証券)

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