投資信託のトレンドが分かる!
2023年2月 投資信託の資金フロー
提供元:三菱アセット・ブレインズ
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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。
そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2023年2月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。
(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信
1.投信市場における資金の流出入動向
「資金流入超を維持」
資金流出入は約3,660億円の資金流入超となり、前月(約5,140億円の流入超)から減少したものの、27ヵ月連続で流入超を維持した。
資産別の資金流入では、流入額の大きい順に、外国株式(約1,290億円)、外国債券(約1,020億円)、エマージング株式(約410億円)となった。外国株式が前月の約2,310億円から半減したことに加え、国内株式も前月の約1,190億円から当月は約120億円と大きく減少した。
資産別の資金流出では、国内債券(▲約120億円)、エマージング債券(▲約10億円)が流出超となった。
個別ファンドでは、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ国際)(約470億円)が資金流入で1位となった。2位は「インベスコ世界厳選株式オープン(ヘッジなし・毎月決算型)」(インベスコ)(約380億円)、3位は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ国際)(約360億円)となった。
主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)
2.投信市場のパフォーマンス動向
「エマージング株式以外はプラス」
2月の金融市場は、米欧の中央銀行による利上げ長期化懸念から、金利は上昇(債券価格は下落)したが、株価はまちまちの展開となった。
株式市場は、日本や欧州等を除き、下落した。月初は、米国の利上げがピークアウトを迎えるとの見方が広まり、株価は上昇していたが、その後は堅調な経済指標の公表が相次ぎ、複数のFOMC関係者から利上げ継続を示唆する発言もあったことから、下落に転じた。
日本株や欧州株も同様に下落する局面はあったが、日本株は日米金利差の拡大などから前月比6円ほど対米ドルで円安が進行したことが下支えとなり、上昇した。また、欧州株も景気への過度な先行き懸念の後退や、堅調な企業決算が好感されたことで、上昇した。
債券市場は、概ね金利は上昇(債券価格は下落)した。米・独10年国債利回りは、米欧の利上げ幅が想定通りであったことや、利上げの減速・停止が近いとの見方が広まったことで、月初に0.1%~0.2%程度低下した。
しかしその後は、インフレ率の高止まりや景気の底堅さを示す経済指標を受け、月末にかけて上昇し、いずれも前月末対比で約0.4%上昇した。日本10年国債利回りは、米欧長期金利が上昇する中、日銀による長期金利変動幅の上限である0.5%近辺で推移した。
為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに円安が進行した。日銀の金融緩和が当面は継続するとの見方が広まったことや、米欧の利上げ長期化懸念の高まりを受け、国内外の金利差拡大が意識され、円安となった。ユーロ・米ドルは、米国の堅調な経済指標や高水準の物価指数を受けた利上げ長期化懸念が強く、ユーロ安・米ドル高が進行した。
これらを背景に、当月はエマージング株式以外の資産カテゴリーでプラスリターンとなった。外国株式では、金利上昇によりやや軟調な推移となった一方、外国為替市場で円安が進行したことがプラスに寄与した。エマージング株式では、米中関係の悪化が懸念されたことにより中国株が下落したことが影響した。
パフォーマンス上位5資産のランキングと実績
3.新規設定ファンドの動向
「設定本数、設定額ともに減少」
当月の新規設定本数は15本、設定額は約630億円となった。前月対比で設定本数は1本、設定額は約720億円減少した。設定額は上位5本で全体の約9割を占めており、いずれも限定追加型や単位型のファンドであった。
新規設定ファンドのうち、当月末時点の純資産残高が最大となったファンドは、「HSBCグローバル・ターゲット利回り債券F 2023-02」(HSBC)(約160億円)であった。同シリーズは過去に5本設定されている。
当ファンドは、信託期間約5年の限定追加型の投資信託で、主としてファンドの信託期間終了前に満期償還や早期償還が見込まれる世界各国の企業等が発行する債券に投資を行う。外貨建資産については、対円で為替ヘッジを行い、為替変動リスクの低減を目指している。
新規設定金額、設定本数の推移
最後に、2月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。
資金流入上位15ファンド一覧
(三菱アセット・ブレインズ)