新しい金融のカタチ

「NP後払い」を進化させたBNPLサービス「atone」が持つ、4つの特徴

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金融分野の新潮流を追いかける連載「新しい金融のカタチ」。BNPL特集の3回目となる本記事では、ネットプロテクションズを取り上げる。

近年、急速に普及しているBNPL(後払い決済)。この分野において、長きにわたり日本のリーディングカンパニーとなってきたのがネットプロテクションズだ。2002年から後払い決済事業を始め、同社の代表サービス「NP後払い」は国内業界シェアNo.1の座にもついている(※)。
矢野経済研究所「オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測2022年版」P86より、後払い決済サービス市場のシェア(2020年度)を参照

さらに同社は、BNPLが普及する中で新しいユーザーニーズが芽生えてきたと考え、もう1つのBNPLサービス「atone(アトネ)」を提供している。セキュリティ面の強化やポイントサービスの導入が特徴だ。

いち早くBNPLを展開し、近年もサービス進化に力を注ぐ同社。その歴史と同社サービスの強みについて、ネットプロテクションズ atoneグループ事業統括責任者の菊池国行氏に聞いた。

20年前にBNPLをスタートさせた理由。その実績が生む強み

まだBNPLという言葉がなく、ネットショッピングも黎明期だった 2002年、ネットプロテクションズでは後払い決済サービスを日本で初めて提供し始めた。それから約20年でサービスの幅を 広げ、累計取引件数は3.7億件 を突破(2022年3月時点)。同社の代表サービスである「NP後払い」はトップクラスのシェアを保持し続けている。

改めてBNPLとは、決済時に代金を支払わず、あとで商品を受け取ってから支払いできる決済サービスのこと。たとえばECで商品を購入した際、代金はいったんBNPL事業者が立て替えて支払う。その後、ユーザーは決められた期日内にBNPL事業者へ代金を支払う形だ。詳しい仕組みについては過去のBNPL記事でも触れてきた。

NP後払いもこのような仕組みだ。商品を購入する際に支払い方法として「NP後払い」を選択し、後日届く請求書で支払う。支払い期限は請求書発行から14日以内が基本だ。

そんなこのサービスの“強み”になっているのが「与信力」だという。菊池氏が説明する。

「NP後払いでは、お客さまに対する審査・与信を弊社独自のAI処理で行い、不正取引の検知や未払に備えています。このとき資産になるのが、弊社が持つ累計3億件以上の取引データです。そのデータをAIが学習しているため、不正取引かどうか判断が難しいケースでも適切な審査が可能になっています」

この結果、同社は不正取引を検知する態勢を整えつつ、審査通過率は97%と高水準になっているとのこと。「みなさまが広く使えるよう高い通過率を維持しながら、適正な与信を実現しています」と話す。

「ポイントサービス」や「実店舗利用」。進化したatoneの強み


NP後払いは現在も利用者の多いサービスだが、その一方、BNPLが普及する中で、よりサービスを進化させる必要性が高まってきたという。そこで同社が提供しているのがatoneだ。

atoneの基本的な仕組みはNP後払いと変わらないが、大きく進化したポイントが4つある。列挙すると「セキュリティの強化」「支払い期限と支払い方法の多様化」「ポイントサービス」「実店舗利用」だ。

「まず『セキュリティの強化』では、決済時に電話番号とメールアドレスを入力するのに加えて、SMSによる本人認証を追加しています」


実は昨年、フリマアプリ上でBNPLサービスを使った詐欺被害が起きた。従来のBNPLサービスはメールアドレスと電話番号のみの登録で使えるケースが基本であり、そのシステムの隙をついたものだった。これらの防止策でもある。

次に「支払い期限と支払い方法の多様化」について。atoneでは、会員登録をするとより利便性が高まる。非会員の場合は買い物ごとに10日以内で支払う「つど後払い」しか選べないが、会員はひと月の支払いをまとめられる「翌月後払い」も利用可能。支払い手段も、非会員はコンビニレジか銀行のみだが、会員は自宅に届くハガキの請求書で後日支払う形や、アプリで確認できる支払い用の電子バーコードをレジで提示して決済する(キャッシュレス決済のコード決済と似たイメージ)などの選択肢がある。

「『ポイントサービス』については、atone会員になると利用代金200円ごとに1ポイント(1円相当)が付与され、決済に使うことが可能。支払いを便利にするだけでなく、お得に利用できるようになっています」

最後の「実店舗利用」に関しては、従来のBNPLはEC決済が基本だったが、atoneは実店舗でのコード決済も可能に。atone利用履歴が十分にあり、本人確認も済んでいるユーザーなら活用できる。いわゆる「○○ペイ」のような形での後払いが可能だ。「atoneはクレジットカードに紐づける必要がない分、キャッシュレス決済に比べて手続きの手間が少ないと言えるでしょう」と、菊池氏はメリットを伝える。

こういった機能は、atoneを導入する店舗側にとってもプラスになるという。「atoneはすでに580万人以上の会員がいますが、ポイントを使ったキャンペーンなどを行い、会員と店舗をつなげる取り組みも考えられるのではないでしょうか」。支払いを便利にするだけでなく、このサービスを起点としたマーケティングへの展開も見据えているようだ。

2002年からBNPLを行ってきたネットプロテクションズ。国内でこの領域を切り開いてきた同社は、さらなるサービスの成長を見込んでいる。

(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)

※記事の内容は2023年4月現在の情報です

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