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投資信託のトレンドが分かる!

2023年3月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2023年3月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「資金流入超を維持」

資金流出入は約5,750億円の資金流入超となり、前月(約3,640億円の流入超)から増加し、28ヵ月連続で流入超を維持した。

資産別の資金流入では、流入額の大きい順に、外国株式(約3,190億円)、その他資産(約620億円)、複合資産(約550億円)となった。外国株式の流入額は3ヵ月ぶりに前月(約1,280億円)から増加した。その他資産には転換社債(以下、CB)ファンドなどが含まれ、3月に新規設定されたCBファンドを中心に資金が流入した。

資産別の資金流出では、国内債券(▲約10億円)、エマージング債券(▲約10億円)が流出超となった。

個別ファンドでは、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ国際)(約630億円)が資金流入で1位となった。2位は「インベスコ世界厳選株式オープン(ヘッジなし・毎月決算型)」(インベスコ)(約570億円)、3位は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ国際)(約510億円)となった。

主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

2.投信市場のパフォーマンス動向

「国内株式と国内債券はプラス」

3月の金融市場は、複数の米地銀の破綻やスイス大手金融グループの経営不安を背景に利上げの減速・停止が近いとの観測が高まったことから、株価上昇・金利低下(債券価格は上昇)となった。

株式市場は、概ね上昇した。月前半から中旬にかけては、複数の米地銀の破綻やスイス大手金融グループの経営不安から金融システムへの不安が高まり、株価は下落した。一方、月後半は経営不振の米欧金融機関に対する政府の支援策や買収の報道によって投資家心理が改善し、利上げの減速・停止が近いとの観測等を背景とした長期金利の低位な推移も下支えとなり、株価は上昇した。

債券市場は、概ね金利は低下(債券価格は上昇)した。米・独10年国債利回りは、月前半から中旬にかけて、米欧金融機関の経営不安から景気後退懸念や利上げの減速・停止が近いとの観測が強まり、0.6%程度急落した。

しかしその後は月末にかけて、金融システムに対する過度な不安の後退で、月中旬の下落時点から0.1~0.2%程反発し、前月末対比では0.4~0.5%程下落した。日本10年国債利回りは、月前半は日銀による長期金利変動幅の上限である0.5%近辺で推移したが、日銀金融政策決定会合において金融政策の現状維持が決定したとアナウンスされたことで金利上昇懸念が後退すると、その後は米欧長期金利の低下に伴い0.2%程低下し、月末にかけて0.3%前後で推移した。

為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに円高が進行した。米欧金融機関の経営不振による景気後退懸念の高まりを受け、国内外の金利差が縮小し、円高となった。ユーロ・米ドルは、ユーロ圏の物価指数が相対的に高かったことから、ユーロ圏の利上げが米国よりも長期化するとの見方が広まり、ユーロ高・米ドル安が進行した。

これらを背景に、当月は国内株式と国内債券のみプラスリターンとなった。国内株式と国内債券は、金融政策の現状維持や海外金融システムに対する不安の高まり等で国内金利が低下したことで、債券価格は上昇し、株価もグロース株中心に上昇した。外国株式や外国債券は、株価・債券価格は概ね上昇したものの円高がマイナスに寄与し、マイナスリターンとなった。また、REITは米銀の破綻により不動産融資が縮小する可能性が意識されたこと等で下落した。

パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

3.新規設定ファンドの動向

「設定本数、設定額ともに増加」

当月の新規設定本数は35本、設定額は約680億円となった。前月対比で設定本数は20本、設定額は約50億円増加した。設定額は上位3本で全体の約7割を占めており、いずれも限定追加型ファンドであった。

新規設定ファンドのうち、当月末時点の純資産残高が最大となったファンドは、「先進国好利回りCB 2023-03(ヘッジあり)(限定追加型)」(三菱UFJ国際)(約190億円)、次点は同時に設定されたヘッジなし(約160億円)で、当ファンドシリーズは合計で約350億円となった。当ファンドシリーズは、信託期間約4年の限定追加型の投資信託で、主としてファンドの信託期間終了前に償還が見込まれる先進国のCB等に投資を行う。

新規設定金額、設定本数の推移

※ETF、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

最後に、3月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

資金流入上位15ファンド一覧

(三菱アセット・ブレインズ)

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