各国の優遇政策が「半導体製造装置」市場を後押し!
提供元:野村證券(FINTOS!編集部)
半導体は経済安全保障上の重要な物資に
これまで半導体業界は、水平分業を用いて効率的なグローバルサプライチェーンを築き、必要な量を最適な場所で作ることが重要視されてきました。
しかし、近年は、米中対立の激化やウクライナ紛争、半導体不足による世界的なサプライチェーンの混乱などをきっかけに、半導体が経済安全保障上で重要な物資であるとの認識が世界中で高まっています。
各国・地域の政府当局は、多額の補助金を付けることで、半導体製造能力の確保を目指しています。こうした政策は、単純に経済面のみで考えた場合の合理的な水準以上の投資を生み出すとみられます。
各国で半導体工場の建設計画が進む
各国の支援策の中で、特に大きな影響を与えているのが米国のCHIPS法(チップス法)です。5年間で527億ドルを米国内で半導体を生産する企業への財政支援に充てるだけでなく、半導体や関連機器の製造への設備投資に25%の投資税額控除が適用されるなど、非常に大きな支援策となっています。
これら新設工場の稼働時期は2024年や2025年と計画されているものが多く、半導体製造装置企業への好影響は主に2024年から期待できそうです。
日本でも政府による半導体支援策を背景に、国内外の企業による半導体工場の建設計画が進んでいます。半導体は重要物資であるだけでなく、関連企業の裾野が広いため、雇用や消費、物流など、経済への波及効果はより大きなものになるとみられ、地方経済活性化の起爆剤になると期待されます。