グローバル投資環境見通し

2008年とは異なる環境

提供元:フランクリン・テンプルトン・ジャパン

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本記事は、フランクリン・テンプルトン・インスティテュート「Global Investment Outlook(2023年4月)」の翻訳版を抜粋・再構成したものです。筆者は、フランクリン・テンプルトン・インスティテュートのチーフ・マーケット・ストラテジスト、スティーブン・ドーバーです。

古来「3月15日には気をつけろ」と言われていますが、全くそのとおりです。ここ数年資本市場では3月に様々な出来事が起きており、そのたびに投資家は、文字通りまたは比喩的な意味のシェルターを求めて右往左往しました。

2020年3月には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って世界各地でロックダウン(都市封鎖)が実施されました。2022年3月にはロシアのウクライナ侵攻が大きな注目を集め、今年3月には米国のシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻に追い込まれました。

ここ数週間において、私は何十人もの投資マネージャー、お客様、調査部の研究員、および同僚と意見交換を行いました。今回の「グローバル投資環境見通し」では、私が意見交換した中で最も重要と考えられる意見や論点についてご紹介します。このレポートが、今起きていることや今後の投資機会について理解を深める一助となれば幸いです。

●今起きていることは2008年の世界金融危機(GFC)の再来ではありません。

今回の銀行危機は2008年の時と比べると危機の規模が非常に小さく、金融システム全体を脅かすようなシステミック・リスクではありません。実際に、銀行の全体的な資産の質や自己資本比率は当時と比べて大幅に改善しています。銀行が業務遂行に必要な資金に即座にアクセスできるよう、世界各国の中央銀行は協調して資金供給を行っています。

シリコンバレー銀行が破綻したのは、信用不安によって預金者が一斉に預金を引き揚げたことや、銀行が保有する長期資産(主に米国債)の価値が金利上昇で低下したことによるものと考えられます。

●銀行システムに対する監視と規制はさらに強化されると考えられます

特に地方銀行に対する監視が強化される可能性があります。我々は地方銀行の中にもまだ投資機会があると見ていますが、地方銀行全体に投資するのではなく、各地方銀行についてケースバイケースで投資価値を評価する必要があると考えています。

●地方銀行から引き出された預金はマネー・マーケット・ファンドに流入しています。

お客様は高い投資リターンを求めており、地方銀行から多くの預金が流出し、その多くがマネー・マーケット・ファンドに流入しており、3月には2,860億米ドルの資金流入がありました。

これにより、マネー・マーケット・ファンドの残高は過去最高を記録しました※1。米連邦預金保険公社(FDIC)によると、大手銀行も恩恵を受けており、大手25行への資金流入は1,200億米ドル増加しました※2

注記
1. 出所:Masters, B, Harriet C, and K. Duguid.”Money market funds swell by more $286bn amid deposit flight,” フィナンシャルタイムズ、2023年3月26日。
2. 出所:Stone, B。”How You Can Monitor The Severity Of The U.S. Banking Crisis,” フォーブス、2023年3月26日。

●こうした中で、どのような資産に投資するのが最も有利なのでしょうか?

我々は債券や高配当株などのインカム資産に投資機会があると見ています。全般的に投資適格債やソブリン債を選好しており、新興国の現地通貨建て債券の見通しも良好であると考えています。

中国で経済活動が再開されたことや、欧州経済が予想よりも好調であることを踏まえると、米国以外の株式も魅力的であると考えています。

●プライベート・クレジットも恩恵を受ける可能性があります。

米国の地方銀行の相次ぐ経営破綻を受け、これらの地方銀行における現在のローンの一部をプライベート・クレジットが肩代わりする可能性があります。現在の市場の混乱により、プライベート・デット市場では世界金融危機以降で最も魅力的な投資機会が提供される可能性があると考えられます。

運用チームの知見や見通しの詳細については、最新の「グローバル投資環境見通し―2008年とは異なる環境」レポートをご参照ください。

(提供元:フランクリン・テンプルトン・ジャパン)

●当資料は説明資料としてフランクリン・テンプルトン(フランクリン・リソーシズ・インクとその傘下の関連会社を含みます。以下FT)が作成した資料を、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社が翻訳した資料です。
●当資料は説明資料としてフランクリン・テンプルトン(フランクリン・リソーシズ・インクとその傘下の関連会社を含みます。以下FT)が作成した資料を、フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社が翻訳した資料です。
●当資料は、FTが各種データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。
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