20~30代独身なら「株式型投資信託」を取り入れるべし!

【独身編】ライフスタイル別に「ポートフォリオ」の組み方を考えてみた

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NISAやiDeCoなどの制度を知り、投資を始めたいとは思うものの、どのような金融商品にいくらくらい投資すればいいか、判断できないという人は多いだろう。

そこで、ファイナンシャルプランナー兼社会保険労務士の川部紀子さんに、保有する金融商品の組み合わせ、いわゆる「ポートフォリオ」の組み方について、教えてもらった。

ここで紹介するのは、20~30代のおひとりさまのポートフォリオの組み方。まだ若く、身軽な独身の場合、どの程度のリスクを取れると考えられるだろうか。

独身の間こそ投資運用を始めるチャンス

「投資を始める前に、保有している金融資産の分け方から見ていきましょう。全財産を投資に注ぎ込むという人はほとんどいないと思うので、どの程度のお金を投資に回せるか、生活状況などと照らし合わせながら考えることが大切です。まずは、資産を大きく3つに分類してみましょう」(川部さん・以下同)

●短期のお金
毎月必要になる生活費のこと。ATMですぐに引き出せる状態にしておくと安心。

●中期のお金
近い将来の目標のために貯めるお金のこと。結婚資金、引っ越し資金、自動車や住宅を購入する際の頭金、万が一のための医療費などが挙げられる。

●長期のお金
老後資金など、遠い将来のために貯めるお金や、使う予定がなく貯めているお金のこと。

「短期のお金は普通預金、中期のお金は定期預金や個人向け国債、勤務先の財形貯蓄などに置き、長期のお金をiDeCoや企業型DC、NISAなどで運用するイメージです。この3つの割合は、ライフスタイルや年代によって変化してくると考えられます」

20~30代の独身の場合、どのように考えていくといいだろうか。

「独身であれば、短期のお金は1人分の生活費なので、そこまで大きな金額にはならないはずです。中期のお金は人によって変化する部分ですが、近い将来に必要になるものが結婚や引っ越しの費用くらいであれば、月々の積立額もそこまで大きくならないでしょう。そのため、長期のお金をつくりやすいといえます」

ただし、20~30代だからこその注意点もあるという。

「若い会社員だと収入が少ない可能性があり、短期や中期のお金で精一杯になりかねません。しかし、長期のお金での投資はエントリーすることが重要です。先延ばしにすると徐々に始めにくくなるので、下限額(iDeCoなら5000円)でもいいから長期のお金をつくり、投資を始めることをおすすめします。iDeCoやNISAの月々の掛金額は変えられるので、収入が増えたら、あわせて掛金額も増やしていけるといいでしょう」

長期投資ができる20~30代は「株式型投信」を活用

長期のお金をつくり、iDeCoやNISAでの投資を始めるとなると、ポートフォリオの組み方が課題となる。

「iDeCoや企業型DC、NISAでの運用は投資信託で行うのが一般的なので、ここでは投資信託での投資を想定して考えていきましょう」

●投資信託(通称、投信)
投資家から集めたお金をひとつにまとめ、その資金を元手に運用会社が株式・債券・REITなどに投資し、その運用成績に応じた利益が投資家に配分される金融商品。

「ひと口に投資信託といっても、そのなかに組み込まれているものはさまざまです。ハイリスクハイリターンの株式もあれば、ローリスクローリターンの債券もあります。それぞれの特徴もつかんでおくといいでしょう」

●株式
株式とは、企業が資金の出資を受ける対価として、出資者に対して発行する証券のこと。企業は出資者に対して出資額の返済義務がなく、配当の実施有無や金額は業績に応じて決定する特徴がある。そのため、投資家が企業に要求するリターン(資本コスト)が大きく、市場価値(株価)も変動しやすいことから、”ミドルリスクミドルリターン”から”ハイリスクハイリターン”といえる。なお、日本には上場している株式は約3800社ある。

●債券
債券とは、企業が資金の貸付を受ける対価として、債権者に対して発行する証券のこと。企業は債権者に対して返済義務を負い、利息は業績によらず予め決まった期日に支払うという特徴がある。利率が固定されているものも多く、株式に比べると”ローリスクローリターン”といえる。

●REIT(リート)
投資家から集めた資金を元手にオフィスビルや商業施設などの不動産へ投資を行い、そこから得られる賃貸料収入や売買益が投資家に分配される。そのため、安定的なインカムゲインを得やすいこと、インフレに強いことが特徴とされる。不動産市況や景気変動の影響を受けて値が動くが、稀に株式や債券と同じ値動きをしないこともある。一般的には”ミドルリスクミドルリターン”といえる。

株式、債券、REITに共通して、国内のものに比べて外国(先進国、新興国)のもののほうがリスク・リターンともに高くなりやすい。

「20~30代だと投資に回せるお金が少ない可能性が高いので、たとえ値下がりしても、生活を揺るがすほどの影響は受けないでしょう。また、まだ若く、iDeCoやNISAでの長期投資が可能という利点もあります。長い期間をかけて積立投資を行うと、多少リスクの高い金融商品であっても、長期で見れば安定した運用を実現しやすくなるのです。そのため、投資に回せる金額を見極めたうえで、そのお金のほとんどを株式型の投資信託に振っても問題ないでしょう。リスク・リターンが比較的高めのS&P500やVTI、オール・カントリー(通称、オルカン)など、注目のキーワードが入った株式型の投資信託を活用すると、投資のワクワク感を味わえるかもしれません」

株式だけに振るのが不安ということであれば、ひとつの投資信託を購入するだけで、株式以外の資産も含まれているバランス型投資信託を使う方法もある。

「例えば、8資産のバランス型投資信託であれば、『国内株式』『先進国株式』『新興国株式』『国内債券』『先進国債券』『新興国債券』『国内REIT』『先進国REIT』の8つの資産が組み合わせられており、株式型よりは値動きを抑えた運用を目指せるでしょう。投資に不安を感じる人や、大きな値上がりよりも安定的な運用を目指したいと考える人は、こちらのほうがいいかもしれません」

自分に合ったポートフォリオは「ロボアド」でチェック

20~30代独身のポートフォリオについて聞いてきたが、川部さんは「ポートフォリオは人によって大きく変わるもの」と、話す。

「一般的に『若手会社員であればリスクを取れる』とは言えますが、その人の生活や性格、保有しているお金の大きさなどによって、適したポートフォリオは異なります。次の5つのポイントで、自分のリスク許容度を測ってみましょう」

ポイント(1)年齢
年齢が若いほど、リスクが取れる。年齢が上がってきたら、リスクを抑えたほうがいい。

ポイント(2)金融資産
金融資産が多いほど、リスクが取れる。金融資産が少なければ、リスクを抑えたほうがいい。

ポイント(3)投資の理解度
投資の知識が豊富で理解度が高ければ、リスクが取れる。理解度が低いようであれば、リスクを抑えたほうがいい。

ポイント(4)性格
積極的な性格であれば、リスクが取れる。保守的な性格であれば、リスクを抑えたほうがいい。

ポイント(5)掛金の重み
無理のない金額で余裕を持って投資を行えるようであれば、リスクが取れる。生活を回せるギリギリの金額で投資を行うようであれば、リスクを抑えたほうがいい。

「重要なのは、5つ目のポイントです。例えば、月々1万円を積立投資するとします。年収300万円・貯蓄100万円の人と、年収1000万円・貯蓄5000万円の人では、その1万円の重みは違いますよね。前者はリスクを抑えたほうがいいですが、後者はリスクを取った投資ができるといえます。自分にとって、そのお金にどのくらいの重みがあるか、冷静に判断しましょう」

自分でリスク許容度を判断するのが難しい場合は、さまざまな金融機関が提供しているロボアドバイザーを利用するのもいいそう。複数の質問に回答することで、リスク許容度を測定し、最適なポートフォリオを組んでくれるサービスだ。

「おすすめのロボアドバイザーは、松井証券の『投信工房』。ポートフォリオを組んでくれるだけでなく、そのポートフォリオで運用した場合の期待リターンと推計リスクも表示してくれます。例えば、期待リターンが2%、推計リスクが5%と出た場合は、運用成績が2%を境に上下5%(-3~7%)の間になる可能性が高いということがわかるのです。どの程度のマイナスなら受け入れられるか、判断してみましょう」

松井証券「投信工房」
https://www.matsui.co.jp/fund/roboadvisor/toushin-koubou/

「投信工房」で、以下の条件で診断してみると、次のような結果が出てきた。

・25歳
・投資の目的:老後のための資産形成
・年収:300万円
・投資経験:なし
・投資知識:一般的なレベル
・性格:積極的

診断結果は「リスク許容度4『やや積極型』」。収入や投資経験が少ないものの、年齢と積極的な性格から半分以上が株式型のポートフォリオとなった。

「複数の会社のロボアドバイザーで診断し、一般的なリスク許容度やポートフォリオの感覚をつかんでみるのもいいでしょう。基本的に無料で診断できますし、診断したからといって必ずその金融機関で投資しなければいけないというわけではありません。気軽に試してみましょう」

これからさまざまなライフイベントが控えているものの、老後資金を備える時間はたっぷりある20~30代。独身のうちにできる範囲で運用を始め、そのまま継続することを目標にしよう。
(取材・文/有竹亮介(verb))

お話を伺った方
川部 紀子
FP・社労士事務所川部商店代表、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。日本生命保険相互会社に8年間勤務し、営業の現場で約1000人の相談・プランニングに携わる。2004年、30歳の時に起業。個人レクチャー・講演の受講者は3万人を超えた。著書に『得する会社員 損する会社員』『今すぐはじめられる NISAとiDeCo』がある。
著者サイト:http://kawabe.jimusho.jp/
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
用語解説

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