「毎月の積立額は?」「必要な利回りは?」さまざまな疑問を解消!

積立投資&取り崩しシミュレーションができる「金融電卓・積立シミュレーター」

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投資を行う理由は人それぞれ異なるもの。老後資金を形成するために始める人もいれば、マイホーム購入の頭金をつくる手段と考える人もいるが、どんな理由であれ、事前のシミュレーションは重要になる。

SMBC日興証券がホームページで公開している「金融電卓・積立シミュレーター」は、「毎月の積立金額」「必要な積立期間」「必要な利回り」など、知りたい項目に応じて使い分けられるところが特徴的なシミュレーターだ。

「金融電卓・積立シミュレーター」が開発された経緯や具体的な活用法について、SMBC日興証券デジタルマーケティング部 部長の鈴木隆久さん、同部署の大形和樹さんに聞いた。

8パターンの試算ができるシミュレーター


SMBC日興証券のシミュレーターは、これから資産を積み立てていく人向けの「金融電卓(積立シミュレーター)」と、既に金融資産を持っていて取り崩しながら運用する人向けの「金融電卓」の2種類があるところが特徴的。

また、それぞれに4つのシミュレーションが用意されている。「毎月2万円を積み立てたら、いくらになる?」「どのくらいの利回りで運用したら目標金額に到達するだろう?」といった疑問にマッチした試算ができるのだ。

「金融電卓(積立シミュレーター)」「金融電卓」それぞれ4パターンの試算ができる。

シミュレーションのページでは、目標金額や積立期間、想定している利回りなどを入力すると、一瞬で結果が出てくる。さまざまなパターンで試算してみると、自分の考えや状況に合った積立方法を見つけられるだろう。

「毎月の積立金額は?」のシミュレーションページ。「積立期間」や「目標利回り」の数字を変えると、「毎月の積立金額」が変わる。

資産の取り崩しのシミュレーションができる「金融電卓」も、当初の資金(手元にある資金)や毎月の取り崩し額など、想定している内容を入力することで、取り崩せる期間や金額、必要な利回りなどを試算できる。

「受取るのに必要な利回りは?」のシミュレーションページ。「取り崩し額」と「年数」を変えると、「必要な運用利回り」が大きく変わることがわかる。

数字を入力して「取り崩しながら運用」を体感

「『金融電卓・積立シミュレーター』のサービス開始は、一般NISAがスタートした2014年。一般NISAが始まり、投資経験のない方が投資に興味を持つ動きがあったので、そのタイミングで使っていただこうと立ち上げました」(鈴木さん)

「金融電卓・積立シミュレーター」を開発する際にヒントとなったのは、住宅ローンシミュレーターだったそう。

「家を買うときに、住宅ローンのシミュレーションをする人は多いと思います。頭金を増やしたらどうかな、月々の返済額を変えたらどうかなと、数字を動かして試算するあの感じを、投資でもできないかと考えました。私たちが専門的な分析を提示するよりも、自分自身で悩みながら考えてもらい、『利回りを変えるとこういう効果が出るんだ』と、体感できるシミュレーターを目指しました」(鈴木さん)

「資産形成のための投資シミュレーターは当時の時点でいくつかあったのですが、金融資産をお持ちの方向けのシミュレーターは少なかったので、運用しながら取り崩すことを想定したバージョンの開発を行いました」(大形さん)

その結果、2種類のシミュレーターが生まれた。資産の取り崩しをシミュレーションできる「金融電卓」は、定年を迎えた人向けと考えてしまいがちだが、現役世代も活用できるという。

「最近はゴールベースの投資がメジャーですよね。そのゴールは遠い未来の老後資金だけではなく、マイホームの購入資金や子どもの教育費など、近い将来に使うお金もあると思いますし、これらのお金は運用しながら使うという両面があります。そのため、取り崩しながら使うシミュレーションがマッチするのです。マイホームの資金であれば、手元の資金や返済期間、想定利回りをもとに試算することで、月々の住宅ローンの返済額にいくらプラスできる可能性があるか、見えてきます」(鈴木さん)

「毎月いくら受取れるの?」のシミュレーションで、住宅ローンの返済額をイメージすることもできる。

「新しいNISA」を想定したシミュレーションも


シミュレーターを開発する際に意識したことは、「シンプルな操作性」と「ワクワク感」。

「お客様の取引履歴などのデータを分析しつつ、運用会社などの外部の知見も取り入れながら、関係者全員でディスカッションし、シミュレーションのロジックや使いやすさを考えていきました。完成した外観はシンプルではあるのですが、文字の表現なども含め、苦労した記憶があります」(鈴木さん)

「シミュレーターって、数字を入れ替えながら試算している間、ワクワクしませんか? その感覚を大事にしたいという思いもありました。例えば、5%での運用を10年間続け、1000万円を目指そうとすると、月々6.4万円の積立が必要という結果が出ます。毎月6万円が難しければ、期間を延ばしたり想定利回りを上げたりする。この操作の簡便さ、面白さこそ、シミュレーターの醍醐味と感じますし、シミュレーションすることで投資のハードルを下げられるのではないかと思っています」(大形さん)

2014年の公開から現在までに、100万人以上が「金融電卓・積立シミュレーター」を活用しているそう。さらに、ここに来て利用者数が伸びているという。

「ユーザーの増加は如実に感じていて、2024年から始まる『新しいNISA』に向けた動きと捉えています。『金融電卓・積立シミュレーター』はさまざまなパターンで積立投資をシミュレーションできるので、これからNISAを始めようと考えている方にこそおすすめです。『新しいNISA』の年間投資枠や生涯の非課税保有限度額1800万円などの数字をもとに試算することで、『3000万円目指すには何年かかるかな』『50代までに1800万円の非課税枠を使い切れるかな』といったことが見えてくると思います」(鈴木さん)

「NISAは利益がまるまる非課税になる制度なので、シミュレーションで出てきた金額をそのまま受け取れる可能性があると考えると、さらにワクワクすると思います。積立額を上げたり、リスクを取って利回りを上げてみたり、NISAに関してもさまざまなパターンで試してほしいです」(大形さん)

シミュレーションが家族のライフプランを考えるきっかけに


「金融電卓・積立シミュレーター」を夫婦や家族で一緒に使うことで、投資への理解が深まるとともに、家族のライフプランを考えるきっかけにもなる。

「夫婦でシミュレーションすることで、『子どもが中学受験するとしたら』『海外留学もさせてあげたいね』といったように、将来のお金を考えるきっかけになると思います。さらに、そのためのお金をどのように準備すればいいか、『金融電卓・積立シミュレーター』で具体的に考えることもできます」(大形さん)

「投資の勉強をすることも大切ですが、投資を体験することも同じだけ重要だと考えています。パートナーや子どもと一緒に楽しみながらシミュレーターに触れることで、投資への興味も湧いてくると思います。金融リテラシーを身に付けながら、投資や運用が楽しいものだと感じてほしいですね」(鈴木さん)

最後に、今後の新たな展開についても聞いた。

「あくまで予定ではありますが、投資対象となる株式や投資信託などの銘柄を選べる形で、リニューアルしたいと考えています。また、スマートフォンで扱いやすいUIの検討も行う予定です。いつでもどこでも、気になった時に『金融電卓・積立シミュレーター』で試算できる世の中になるといいなと思っています」(鈴木さん)

数字を入力するだけで、手軽にシミュレーションできる「金融電卓・積立シミュレーター」。ライフプランや投資プランを考える際に、頼れる相棒になることだろう。
(取材・文/有竹亮介(verb) 撮影/鈴木真弓)

著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
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