【日本初上場!】アクティブETF上場式典の様子を大公開!
インデックス(指数)に縛られずに柔軟な運用を行う、海外でも投資家による活用が進むアクティブETF。東京証券取引所(以下「東証」といいます)では、アクティブ ETF の日本初上場を記念して、2023年9月7日(木)に「アクティブETF 上場記念式典」を行いました。
また、アクティブ ETF の日本初上場をより多くの皆様と祝うべく、「アクティブETF、いよいよ上場! アクティブETF上場式典 サテライトイベント」を同時開催。今回は、上場当日の式典の様子をレポートします!
新たなETF「アクティブETF」
これまで日本ではインデックス運用のETFしか上場しておらず、ETFというと一般的にインデックス運用である、つまり日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、S&P500等といった何らかの指数に連動するように運用されている指数連動型の投資信託の一種という認識を持たれていました。
一方海外ではアクティブETFが広がっており、すでに米国やカナダ、英国、韓国などで上場しています。英調査会社ETFGIによると世界25カ国で取引されており、総資産残高は7月末時点で6280億ドル(約90兆円)に達しました。これはETF全体ではまだ6%程度ですが、過去10年間に約25倍に増えています。
そして、とうとう日本でも2023年9月7日、アクティブETFが東証に初めて上場しました。この日上場したのは、シンプレクス・アセット・マネジメントの「PBR1倍割れ解消推進ETF」「政策保有解消推進ETF」「投資家経営者一心同体ETF」と、野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信」「NEXT FUNDS 日本高配当株アクティブ上場投信」、三菱UFJ国際投信の「MAXIS 高配当日本株アクティブ上場投信」の6銘柄です。
上場式典の内容
そんなアクティブETF上場を記念し、上場式典が東証アローズのオープンプラットフォームで行われました。その様子はサテライト会場であるKABUTO ONE 1Fアトリウムスペースにてライブ配信。式典では、東証 岩永守幸社長の挨拶、上場記念の打鐘、今回上場したアクティブETFの運用会社3社の社長のトークショー等が実施されました。流石日本初の試みということもあり、豪華な顔ぶれが揃っていますね。
サテライト会場であるKABUTO ONEには約80名と多くの投資家が集まり、アクティブETFへの熱気の高まりが感じられ盛り上がりを見せました。
東証 岩永社長 「マーケットが健全に成長するよう、歩みを止めることなく取り組んでいく」
初めに、主催者を代表して東証の岩永社長が挨拶。来賓をはじめ関係者に向けて感謝の意を表し、「特定の指標に連動しないアクティブETFは、世界的に多くの投資家の投資対象になっている。本日初上場した6銘柄は、いずれも日本株を原資産としており、バラエティに富んだ、魅力的な商品が上場できたと感じている。内外の投資家の有力な投資対象となることを祈念する。」と述べ、銘柄数や投資拡大への期待を示しました。また、「東証としては、制度の更なる改善や投資家の皆様への訴求活動などを通じてこのマーケットが健全に成長するよう、歩みを止めることなく取り組んでいく」とも述べており、今後の日本の証券市場の発展により寄与していく決意を表しました。
日本初?7回の打鐘
挨拶後は、岩永社長から運用会社各社の社長に上場通知書を贈呈し、上場記念の打鐘(だしょう)が行われました。なお、打鐘は五穀豊穣にちなみ5回が通例ですが、今回は「投資の選択肢がカラフルになることにちなんで、レインボーカラー7色の7回」を7名のご列席者に上場の鐘を打鐘いただきました。
運用会社3社のトップによるトークショー
最後に本イベントの目玉とも言えるトークショーを実施。登壇いただいたのは、今回上場したアクティブETFの運用会社3社の社長。東証市場にアクティブ ETF を先陣切って投入した、いわばパイオニアです。各社には、今回上場した銘柄の特徴や商品組成にかける意気込みや投資家へのメッセージをコメントいただきました。
シンプレックス・アセット・マネジメントの水嶋浩雅社長は「われわれのETFが、日本企業の経営スタイルを少しでも変え、効率的なものにすることで、投資家の皆さまにリターンをお届けするということを心に秘めながら、しっかり運用していきたい。ぜひ、日本を応援するためにも投資していただければと思う」と強調。日本の市場の変化には個人投資家の力が必要だと述べました。
野村アセットマネジメントの小池広靖社長は「当社が大きな強みを持つ日本株の運用体制・企業調査体制を存分に活かして、当社だから提供できるアクティブ運用の付加価値を、投資家の皆様に提供してまいりたい。ETF市場のリーディングカンパニーとして、世の中の役に立つ、投資家の皆様の役に立つ運用会社を目指して、終わりなき挑戦を続けていきたい。」と意気込みを語っており、商品への自信が伺えました。
三菱UFJ国際投信の横川直社長は「日本にアクティブETFが上場することで、投資家の選択肢が非常に大きく広がりうる。そこに貢献することで、一人でも多くの方が投資を経験するお手伝いをさせていただきたいと思っている。これらのファンドをきっかけに、インデックス運用だけでなく、アクティブ運用に対する興味が日本の投資家に広がって、資産運用に厚みが出てくれば良いなと考えている」とコメント。個人投資家に幅広い支持を受けるMAXISシリーズを展開する運用会社ならではのメッセージでした。
アクティブETFの今後に目が離せない!
実は、アクティブETFは来年に始まる新しい少額投資非課税制度(新しいNISA)でも成長投資枠の対象に含まれています。NISAで資産形成するうえで、個人投資家にとっては有力な選択肢となるでしょう。
既に10月には日興アセットマネジメントの銘柄が上場することが決まっており、今後も広がりを見せることが予想されるアクティブETF。金融商品の幅が広がり、より魅力的な市場となることを期待したいですね。
(東証マネ部編集部)
2023/9/7に新規上場したアクティブETF6銘柄
・NEXT FUNDS 日本成長株アクティブ上場投信(2083)