高年収だからこそ貯めにくい理由も

“高年収”でも貯金できない5つの理由

提供元:Mocha(モカ)

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年収が高いとそれなりにお金を貯めていそうですが、意外とお金を貯められない人もいます。お金をたくさん受け取っているのになぜ貯金できないのでしょうか?

それは、高年収であっても貯金ができない習慣を持っていたり、高収入により税金が高い、または国からの手当がなかったりなど様々な理由があるからです。今回は、高年収の方にありがちな「貯金できない理由」を5つ紹介します。

高年収でも貯金できない理由1:そもそも貯めようとする意識がない

高年収の人は、毎月の手取りが多く、生活費を払うだけでなく、好きなものを買ったり食べたりしても余裕があるため、貯金する必要性を感じないことがあります。欲しいモノをためらうことなく変える環境であれば、コツコツ貯めて高額のものを買う必要はないのです。

ただ、いつまでもその収入があるとは限りません。仕事がなくなったり、世の中の流れが変わったりして、高年収でなくなる可能性も十分にあります。余裕のある今だからこそ、「手取りの10%」など割合を決めて貯める習慣をもつようにしましょう。

高年収でも貯金できない理由2:意外と手取り金額が少ない

所得税の税率は「累進課税」といって、所得が高いほど上がります。所得税の税率は、5%から45%の7段階です。例えば税金の対象となる金額である「課税所得」が195万円以下なら税率は5%ですが、900万円超1800万円以下なら33%になります。また所得が高いと健康保険料や厚生年金保険料も高くなるため負担が大きくなってしまいます。年収が高いと負担している社会保険のことを把握していないことも多いようです。

高年収だから大丈夫だろうとお金を使っていたら、意外と税金や社会保険料が引かれていてお金が足りない…ということもあるのです。

高年収であっても、税金や社会保険料をいくら払っているかを確認して、手取りを把握しておきましょう。また、健康保険には高額療養費制度、厚生年金には遺族年金や老齢年金など様々な給付があり、社会保険である程度の保障を得ることができることも知っておきましょう。自分で用意する生命保険を節約することで貯金にまわすお金を増やすこともできます。

高年収でも貯金できない理由3:人からどう見られているか気になる

年収が高いと人からの見られ方が気になって、いいモノを持つことが多くなりがちです。ブランドもののバッグ、車、化粧品などいいものを購入すれば確かに人からはすごいという目で見られるかもしれません。モノもいいので、長持ちして合理的に見えます。しかし、人からどう見られているかを気にするあまり、かえって支出が増えたり、自分が満足できる消費ができないことにつながります。

人からの目線を過度に気にせず、お手ごろな品物で生活する習慣を身につけることで、支出が減り貯金しやすくできるでしょう。

高年収でも貯金できない理由4:お金を使うことに生き甲斐を感じている

高年収の方の中には、稼いだお金を使うことに喜びやステータスを感じ、やりくりを気にしない人もいます。高級ホテルに泊まったり豪華な食事をしたりしたことをSNSに投稿して「いいね!」してもらったり、接待や後輩との会食でもないのにおごってしまったりしてしまうことも。これでは、面倒見のいいようにみえても、嫌味にとられてしまいかねません。TPOに応じたスマートなお金の使い方をすることで、自然とお金も残っていく流れができます。

高年収でも貯金できない理由5:国からの手当てが減ってしまう

高年収の方は、そうでない方が国や自治体などからもらえる手当が減ってしまうことがあります。たとえば、児童手当は3歳以下の子を育てている方に月1万5000円、3歳~中学卒業までの子を育てている方に1万円が支給される制度です(※)。しかし、おおよそ年収960万円以上になると(家族構成等により金額は変わります)、児童手当は特例給付として5000円に。さらに、年収1200万円以上になるとこの特例給付もなく0円になります。

(※)2024年10月分より所得制限撤廃、高校卒業まで1万円など拡充見込み

児童手当を子どもが生まれてから中学卒業するまで貯めていくと約198万円になりますが、高年収の人は児童手当で約198万円を作れません。あえて貯金しなければ貯まらない金額になるのです。こればかりは、制度のことなので仕方ない部分もあるのですが、国からの手当が減ることを踏まえて、将来のお金のことを考える必要があります。

まとめ

年収が高い人は好きなものが自由に買えて羨ましいと思うかもしれませんが、税率が高かったり手当てがもらえなくなったりしてしまうこともあります。高年収というと、余裕があるようなイメージですが、収入に合わせたライフスタイルだと支出も大きくなりがちで貯金しにくくなってしまいます。

年収に関係なく、手取りの1~2割は給与が振り込まれたら先に貯金する「先取り貯金」の仕組みを作り、「貯まる体質」にしていきましょう。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 稲村優貴子]

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