新自由主義とは何かわかりやすく説明!自由主義との違いも解説
新自由主義とは、政府の経済への介入を抑え、自由競争によって経済の効率化や発展を実現すべきという考えを指します。英国のサッチャリズムや、レーガノミクスが具体例です。
本記事では、新自由主義とは何かを説明した上で、メリットやデメリットなどについてもわかりやすく解説します。
新自由主義とは?
新自由主義とは、思想や政策を表現した言葉のひとつです。新自由主義をネオリベラリズムと呼ぶこともあります。
ここから、新自由主義の特徴や経緯、自由主義との違いについて確認していきましょう。
新自由主義(ネオリベラリズム)の意味と特徴
一般的に、新自由主義(ネオリベラリズム)は政府の財政政策による経済への介入を批判する思想を意味します。政府は「小さな政府」であるべきと主張している点が、新自由主義の主な特徴です。
「小さな政府」とは、政府の経済活動への介入を極力減らし、市場原理に基づいた自由な競争を促すことで経済成長を目指す考え方を指します。それに対して、国民の生活を安定させて所得格差を是正するために、政府が積極的に経済活動に介入すべきという考え方が、「大きな政府」です。
同じ国でも、そのときの政権によって「小さな政府」の立場をとるときと、「大きな政府」の立場をとるときがあります。
新自由主義誕生の経緯
1929年に始まった世界恐慌以降、1970年代に入るまで、先進国ではケインズ経済学が主流でした。ケインズ経済学の有効需要政策は、有効需要(実際の貨幣支出に裏付けられる需要)を政府が財政政策や金融政策を用いて調整し、持続的かつ安定的な経済成長を目指す政策です。
しかし、1970年代に入り石油危機を経て、各国は深刻な財政赤字などの問題を抱えるようになります。そこで、米国の経済学者M・フリードマンやオーストリアの経済学者F・ハイエクによる、ケインズ経済学の有効需要政策に対する批判が注目を集めるようになりました。
新自由主義は、一般的にフリードマンやハイエクの理論に基づく思想として知られています。その後、英国・米国・日本・ラテンアメリカ諸国の政権が、新自由主義を採用するようになりました。
新自由主義と自由主義の違い
新自由主義も自由主義も、国家の介入を最小限に抑えるべきという点では基本的に共通しています。新自由主義と自由主義の主な違いは、思想が誕生した時期です。
一般的に、1980年代に広まった国家介入を最小限にすべきという考え方を「新自由主義」と呼ぶのに対し、18世紀に広まった考え方を「自由主義」と区別します。
また、18世紀の自由主義は、経済分野だけでなく、思想や立場などの自由を指すこともある点が特徴です。
新自由主義のメリットとデメリット
新自由主義にはメリットがある一方で、デメリット(問題点)も存在します。ここで、新自由主義のメリットとデメリットについて確認していきましょう。
新自由主義のメリット
新自由主義のメリットは、経済が活性化される点です。政府による規制を撤廃して、自由競争を促すことで、さまざまな企業が参入しやすくなります。
自由競争の結果、消費者により安いモノやサービスが提供される可能性が高まる点もメリットです。また、これまで国が行ってきた業務を民間に任せることで、国の支出を削減できます。さらに、民営化した新会社が国へ納税することで、税収入が潤うことも期待できるでしょう。
新自由主義のデメリット(問題点)
自由競争を促すと、業績のよくない事業者は市場からの撤退を余儀なくされます。実力主義のため、失業者が増えて貧富の差が拡大しやすいことが一つのデメリットといえるでしょう。
また、政府の介入を極力減らすため、手厚い社会保障が受けられなくなる点もデメリットです。
そのほか、大規模な災害や感染症が広がった場合に、財政出動で対応しにくい点も、新自由主義が抱える問題点でしょう。財政出動とは、国が税金や国債で得た資金を経済対策や景気安定化などの目的で主に公共事業に投入することです。