新自由主義とは何かわかりやすく説明!自由主義との違いも解説

TAGS.

新自由主義を進めた人物は?

新自由主義を進めた代表的な人物が、英国のマーガレット・サッチャー首相と、米国のロナルド・レーガン大統領です。2人の経済思想や、具体的な政策についてここから詳しく解説します。

サッチャー首相(英国)

マーガレット・サッチャーは、1975年に英国の保守党で初の女性党首、1979年に同国で史上初の女性首相に就任した人物です。

第二次大戦後、英国政府は基本的にケインズ主義的な立場で「大きな政府」を目指していました。しかし、70年代に入ると市場の競争力低下や国の税収入の減少などの課題を抱え、「英国病」と呼ばれる経済停滞に陥ります。

英国病の中で首相に就任したサッチャーは、新自由主義的な「サッチャリズム」と呼ばれる政策を次々と打ち出していきます。サッチャリズムの主な内容は、以下のとおりです。

・国有企業の民営化
・政府規制の緩和
・労働組合活動の規制

サッチャリズムにより英国経済は立ち直り、英国病の克服に貢献したといわれています。最終的に、サッチャーは、11年間の長期政権を率いました。

その一方で「失業率を大幅に高めた」「経済格差が拡大した」など、サッチャーおよびサッチャリズムに対する批判も存在します。

レーガン大統領(米国)

ロナルド・レーガンは、俳優として活動したのち、1967年に米国カリフォルニア州知事、1981年に同国大統領に就任した人物です。

米国では、レーガン就任前のカーター政権下で景気の下降やインフレの拡大が進んでいました。レーガンは経済改善を図るため、「強くて豊かなアメリカ」をスローガンに「レーガノミクス」と呼ばれる政策を打ち出していきます。

レーガノミクスの主な内容は、以下のとおりです。

・大規模減税
・政府規制の緩和
・通貨供給の抑制
・政府支出の削減

また、社会保障費などの支出は抑える一方で、軍事費支出を増やした点が、レーガン政権の特徴です。レーガノミクスの結果、米国経済は回復基調になる一方で、減税や軍事費増加により財政赤字が急増しました。

日本の新自由主義の例

日本でも、新自由主義に基づく政策がいくつか存在します。代表的な例が、以下の2つです。

・中曽根康弘首相による三公社の民営化
・小泉純一郎首相による聖域なき構造改革

日本で2人の首相が実施した政策について、詳しく解説します。

中曽根康弘首相による三公社の民営化

中曽根康弘は、日本の第71〜第73代内閣総理大臣(通算在職日数1,806日)です。中曽根元首相は、サッチャー元首相やレーガン元大統領と同時期に、新自由主義に基づく政策を進めました。

国鉄(現JR)・電電公社(現NTT)・日本専売公社(現JT)の三公社の民営化を実現したことが、中曽根元首相が実施した政策における具体例のひとつです。

小泉純一郎首相による聖域なき構造改革

小泉純一郎は、日本の第87〜第89代内閣総理大臣(通算在職日数1,980日)です。

小泉元首相は聖域なき構造改革を掲げ、不良債権処理の加速化、規制緩和、歳出の見直しなどを進めました。また、郵政民営化を実現したことも、聖域なき構造改革のひとつです。

その一方で、聖域なき構造改革が格差拡大につながったとの批判もあります。

ニューリベラリズムと混同しない

英語の意味は似ていても概念がまったく異なるため、「ニューリベラリズム」と「ネオリベラリズム(新自由主義)」を混同しないようにしましょう。

ニューリベラリズムとは、主にケインズ経済学派による、国家の積極的な介入を擁護する立場を指します。そのため、ニューリベラリズムが目指すのは、基本的に「大きな政府」です。

また、近年「新自由主義(ネオリベラリズム)」の立場をとっているにもかかわらず、一部で「大きな政府」のような予算規模拡大政策を取るケースがある点にも注意しなければなりません。ニュースを見るときは、「新自由主義(ネオリベラリズム)」という言葉だけで一括りにするのではなく、実際の中身をしっかり確認することが大切です。

新自由主義は国家の介入を最小限に抑える考え方

新自由主義(ネオリベラリズム)は、国家(政府)が経済活動に介入する「大きな政府」のあり方を批判し、国家の介入は最小限に抑えるべきと主張する考え方です。1980年代に広まり、英国のサッチャー首相、米国のレーガン大統領、日本の中曽根首相が新自由主義に基づく政策をいくつか打ち出しました。

新自由主義は、自由競争を促すことで経済活動が活性化される点はメリットです。その一方で、社会保障費が減らされる、貧富の差が拡大するなどが問題点として挙げられます。

今後、新聞やニュースで新たな政策を目にしたら、新自由主義に基づく思想なのか考えてみましょう。

ライター:Editor HB
監修者:鈴木 靖子(ファイナンシャルプランナー、AFP認定者)
監修者の経歴:
銀行の財務企画や金融機関向けサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わる中、その経験を人々の生活に活かすためにFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。フリーランスがお金の知識を持つことの大切さを実感しており、フリーランス向けマネーブログを運営している。

"※必須" indicates required fields

設問1※必須
現在、株式等(投信、ETF、REIT等も含む)に投資経験はありますか?
設問2※必須
この記事は参考になりましたか?
記事のご感想や今後読みたい記事のご要望などをお寄せください。
(200文字以内)

This site is protected by reCAPTCHA and the GooglePrivacy Policy and Terms of Service apply.

注目キーワード