あまり知られていない?

在宅介護で月2.8万円「特別障害者手当」対象となるのはどんな人か

提供元:Mocha(モカ)

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高齢者人口の増加に伴い、介護を必要とする人の数も増えている日本。介護というと以前は施設に入所するのが主流でした。しかし在宅での介護を望む人も多く、その在宅介護を受けている人は20年前の約2倍に増えています。しかし在宅介護は本人や家族の精神的・経済的負担がともなうもの。実はそのような人の負担を軽減するための手当てがあることをご存じでしょうか?

今回は在宅介護の人がもらえる「特別障害者手当」の概要と対象者、申し込み方法を解説します。障害年金と比べてあまり知られていないとも言われている制度なので、在宅介護を受けている人やそのご家族、今後その可能性がある人はぜひチェックしてみてください。

特別障害者手当は「在宅介護の人」を支援するための制度

特別障害者手当は、精神または身体に著しく重い障害がある人に国から支給される手当のことです。原則「在宅介護」の人に支払われます。障害年金と併せて受け取れるため、在宅介護を受けている人やそのご家族には心強い制度といえるでしょう。

受給要件を満たした人には月額2万7980円(令和5年4月分より)が支払われます。原則として2月、5月、8月、11月の年4回、各月の前月分までが支給される仕組みです。

障害の程度が時間の経過とともに変化する場合などは、受給できる期間が定められている「有期認定」となる場合があります。有期認定の場合、期間満了後も引き続き手当をもらうためには、期限内に診断書など障害の程度がわかる書類を提出して受給資格の認定を受けなければなりません。

特別障害者手当がもらえるのはどんな人?

特別障害者手当の対象となるのは、精神または身体に著しく重い障害があり、日常生活で常に介護を必要とする「在宅」の20歳以上の人です。そのため以下に該当する人は対象外となります。

・20歳未満
・病院または診療所に継続して3か月を超えて入院している
・施設等に入所している(グループホームは除く)

特別障害者手当をもらうためには、お住いの市区町村に診断書などの書類を提出して審査に通る必要があります。審査基準は細かく定められていますが、以下のいずれかに該当する人が目安とされています。

●審査基準の目安
・おおむね身体障害者手帳1級、2級、愛の手帳(療養手帳)1度、2度程度の障がいが重複している
・上記と同程度の重度の障がいや疾病、精神障がいがある

なお要介護4,5に認定されているなどで特別な介護が必要な場合にももらえる可能性があるそうです。要介護4,5は、一般的に寝たきりの状態など、支援や介助がなければ日常生活を送ることが難しい状態を指します。

また特別障害者手当には所得制限があり、本人や配偶者・扶養義務者の前年の所得が一定以上の場合は受給できません。

特別障害者手当が支給される所得額の限度額は下表のとおりです。

●所得制限限度額

出典:厚生労働省「特別障害者手当について」

申し込み手続きの流れ

特別障害者手当の申し込みはお住いの市区町村が窓口となります。以下は手続きの流れと必要書類の一例です。

●手続きの流れ
1. お住いの市区町村窓口で必要書類を受け取る
2. 医師の診断、診断書作成の依頼
3. 必要書類の準備・作成
4. お住いの市区町村窓口へ申請
5. 受給資格の審査
6. 審査結果の連絡(申請後2,3か月程度)
7. 支給開始(認定された場合、申請の翌月分から支給)

申し込みの際(新規申請)に必要な書類は主に以下のとおりです。

●必要書類
・認定請求書
・診断書
・障害関連の手帳(身体障害者手帳や愛の手帳など)のコピー(持っている人)
・所得状況届
・マイナンバーが確認できるもの、または住民票
・受給者本人名義の金融機関の口座がわかるもの

実際は自治体によって細かい手続きの流れや必要書類の内容・書式が異なるので、まずはお住いの市区町村の窓口に問い合わせることをおすすめします。

要件を満たせそうならまずは相談を

「在宅介護は老人ホームなどの施設に入所するより費用がかからない」というイメージがあるかもしれません。しかし在宅介護にあたってリフォームが必要だったり、家族を介護するために転職や時短勤務が必要になり収入が減ってしまったりすることも考えられます。

特別障害者手当はそのような在宅介護を受けている人やその家族の負担を減らすための制度です。要件を満たせそうな場合は、お住いの市区町村の窓口に相談してみましょう。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 鈴木靖子]

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