配当金も非課税!
新NISAでガチホしたい「高配当株」の選び方
提供元:Mocha(モカ)
企業の利益の一部を分けてもらえる「配当」。日本株の場合、多くは年2回株主に配当金が支払われます。株主としては、配当金は株を持っているだけで定期的にもらえるお金ですから、多い方が嬉しいですよね。
今回は、配当金をたくさん出してくれる「高配当株」の選び方をご紹介。2024年からの新NISAを使えば配当金も非課税ですから、ぜひ参考にしてみてくださいね。
銀行預金よりもはるかに利回りが高い高配当株
高配当株とは、株価に占める配当金の割合(配当利回り)が高い銘柄のことです。「配当利回りがいくら以上だと高配当株」という明確な基準はありませんが、3%を超えてくると高配当といわれます。
今や、銀行の普通預金にお金を預けてももらえる利息が0.001%の時代です。3%、4%もの配当がいかに高いかがおわかりいただけるでしょう。さらに、銘柄によっては配当利回りが5%、6%などとなることもあります。つまり、高配当株を持っているだけで、銀行預金よりもはるかに効率よくお金を増やせる可能性があるのです。
2024年から始まる新NISAの成長投資枠では、株式投資ができます。新NISAの成長投資枠での投資で得られた利益は、無期限で非課税にできます。したがって、高配当株を新NISAの成長投資枠でガチホ(売却せずに長期保有すること・ガチホールド)しておけば、それだけで定期的に非課税の配当金がもらえる、というわけです。
高配当株を選ぶのに役立つ「会社四季報」3つのチェックポイント
とはいえ、日本の株式市場には約3900社が上場しています。このなかからガチホしてもいい銘柄を探すのは大変です。後述しますが、配当利回りの高い企業をただ選べばいい、というほど単純なものではありません。
高配当株は、何より業績のよい「好業績株」であることが大切です。そこで確認したいのが、個人投資家のバイブルと言われる「会社四季報」です。
会社四季報には、次の図のように上場企業のデータが詳細に記載されています。
●会社四季報の主な記載内容イメージ
ただ、これらをすべて熟読したうえで投資先を選ぼうとすると、時間がいくらあっても足りません。そこで、次の3つのポイントをチェックして、投資候補をざっくりスクリーニングしてみましょう。
●会社四季報のチェックポイント1:記事欄の【見出し】
上図のB「記事欄」の記事の見出しを確認して、業績好調を示す強い見出しを探しましょう。【絶好調】【最高益】【連続最高益】【高水準】【大幅拡大】などの見出しは、その企業の好調ぶりを示します。また、【独自増額】は、会社四季報の記者が取材の結果、「会社計画は保守的すぎる」と判断し、独自に予想を引き上げたことを指します。このような、四季報担当者が考え抜いたポジティブな見出しには注目です。
●会社四季報のチェックポイント2:業績欄の「売上高」「営業利益」
続いてG「業績欄」を見ましょう。ここでは、企業が商品やサービスを売ることで稼いだ金額の合計を示す「売上高」と、本業で稼いだ金額を表す「営業利益」をチェック。過去3〜5期と予測2期分の売上高と営業利益が両方とも右肩上がりになっているかを見てみましょう。ポイントは「両方とも」右肩上がりになっていること。営業利益だけが右肩上がりの企業は、経費削減によるものなので、今後の成長が見込めるとはいえません。
●会社四季報のチェックポイント3:業績予想の修正欄
J「業績予想の修正欄」には、今号の四季報営業利益予想と前号の予想を比べた場合の増減が矢印で記載されています。「↑↑」(大幅増額:30%以上の増額)、または「↑」(増額:5%〜30%未満の増額)の企業は、業績がさらによくなる期待ができます。また、顔文字(ニコちゃんマーク)が笑顔だと、企業予想の営業利益よりも会社四季報予想の営業利益が強気(四季報担当者が「企業予想が保守的だ」と考えている)ことを表します。
高配当株選びの3つのポイント
以上を踏まえて好業績株を抜き出したら、このなかから高配当株を選び出していきます。こちらも、3つのチェックポイントを解説します。
●高配当株選びのポイント1:1株当たり純利益(EPS)が右肩上がりで増えているか
G「業績欄」にある「1株益」には、1株当たり純利益(EPS)が記載されています。EPSは、1株でどれだけの利益を上げているのかを表す指標。「当期純利益÷発行済み株式総数」で計算されます。EPSが高いほど、会社の収益性が高く、効率よくお金を稼ぐことができると判断されます。
また、EPSが上がっているということは、利益が増えているということでもあります。企業は引き続き高い配当を出したり、配当の金額を増やす「増配」をしてくれたりするだろう、と考えられるのです。
EPSも、売上や利益と同様、過去5年程度、堅調に上がっているかを確認しましょう。
●高配当株選びのポイント2:1株当たり配当が右肩上がりで増えているか
同じくG「業績欄」の「1株配」にも注目。こちらは「1株当たり配当」、つまり1株に対していくらの配当が支払われているかを示すものです。同じ1株でも、もらえる配当の額は毎年変わります。当然、配当は年々増えてくれたほうが株主としては嬉しいですよね。
特に、長年にわたって毎年配当金の金額を増やしている「連続増配株」を保有しておけば、増配によって年々配当が増えるだけでなく、株価もさらなる上昇が見込めます。増配株は業績のよい銘柄が多いため、市場全体が暴落している時にも強いという特徴もあります。
連続増配をするには、企業は安定的に成長し続ける必要があります。つまり、連続増配していること自体が好調な業績のバロメーターになる、というわけです。したがってこちらも、年々右肩上がりになっているかどうかをチェックしましょう。
●高配当株選びのポイント3:配当性向が適切(30%〜50%)か
配当性向とは、会社が利益(当期純利益)のうちどのくらいを配当金の支払いにあてたかを示す指標です。「1株当たり配当額÷1株当たり純利益(EPS)×100」で計算されます。
配当性向が高ければ高いほど、多くの利益を株主に還元していることを表します。反対に、配当性向が低い会社は、株主への利益還元も少ない、というわけです。
ただし、配当性向が低いことが悪いこととはいいきれません。会社の利益は、株主に還元するだけでなく、会社の事業の拡大に使ったり、いつでも使えるように貯めておいたりすることにも使います。配当性向が高すぎる銘柄は、今後の成長の余地が少ないと懸念されるのです。特に、業績が悪いにも関わらず、配当性向が100%近い場合は、長続きしないでしょう。
配当性向の目安は、おおよそ30%〜50%程度に収まっていること。株主への利益還元をしつつ、今後の会社の成長も見据えている会社が望ましいでしょう。
新NISAで高配当株をガチホしよう
高配当株の選び方を確認してきました。高配当株は、銀行預金ではあり得ないような高い配当利回りで株主に配当を支払ってくれます。ただ、単に配当利回りの高い企業を選ぶと失敗する可能性も。業績が好調で、今後も利益をあげ、株主還元をしてくれる銘柄を探しましょう。そして、ここはという銘柄を見つけたら、新NISAでガチホすることで、配当金を非課税でもらい続けることができます。
高配当株への投資は、早く始めるほど長く続けることができますし、もらえる配当金の金額を増やすことにもつながります。できるだけ早く資産形成に取り組みましょう。
[執筆:マネーコンサルタント 頼藤太希]
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