2024年・辰年縁起「昇竜」相場となるか

提供元:野村證券(FINTOS!編集部)

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2023年も残すところあと僅かです。今年は、前年からのインフレ加速がピークアウトする中、米国の金融引き締め終了と緩和への転換時期を巡って、株式だけでなく金利や為替など金融市場全体が一喜一憂する一年となりました。さて、毎年この時期に話題となる『干支』。2024年は「辰年」です。過去の辰年の金融・株式市場の動向を振り返ってみましょう。

2024年の干支は、正確には『甲辰(きのえ・たつ)』です。干支は「十干(じっかん)※」と「十二支」の組み合わせで成り立っています。

「甲」は十干の1番目。亀の甲羅を形取った象形文字で、植物の循環では「硬い殻に覆われた草木の種子が成長の時を待つ状態」を意味しています。「辰」は十二支の5番目。「蜃(ハマグリ)」の原字で、二枚貝が足を出して動くさまを示しています。また、「辰」は「振(ふるう、ととのう)」に通じ、陽の気で万物が振動し「草木が成長して形が整っていく様子」を表しています。動物は空想上の生物「竜(龍)」が当てられ、古代中国では「皇帝、権力」の象徴です。

総じて「甲辰」は、新たな出発や成長、活力に満ちた時期を意味すると捉えられます。2024年は殻を破って成長する「昇竜」の年となるでしょうか。

歴史を紐解くと、前回の「甲辰」は60年前の1964年です。アジア初の東京オリンピックが開催され、並行して世界初の高速鉄道「東海道新幹線」が開業するなど、目覚ましい経済発展で日本が名実ともに先進国の仲間入りをした記念すべき年となりました。

戦前を含めた過去8回の「辰年」の日経平均株価の年間騰落率を見てみると、上昇した年と下落した年の割合は4勝4敗(勝率50.0%)、勝率ランキングでは十二支の中で10位タイと下位に留まります。しかし、年間の平均騰落率は+16.9%で、子年(+39.8%)、卯年(+17.0%、2023年11月30日時点)に次ぐ3位と堅調です。2023年末の日経平均株価を33,000円と仮定して年間16.9%高となれば、24年末には38,000円台半ばまで上昇する計算になります。

十二支にまつわる兜町の相場格言には、『辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ。戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁盛、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる』とあります。
ここでの「天井」はネガティブな意味ではなく、「高値で推移する」ことを意味します。

金融市場では、タカとハトの「竜虎相搏(あいうつ)」のせめぎ合いが続いています。国内では、日銀の異次元金融緩和からの脱却の成否が、日本株復活に向けた「登竜門」となりそうです。東証が一石を投じた企業改革加速への期待や新NISA(少額投資非課税制度)のスタートが「竜頭蛇尾」とならず、「竜の水を得るが如く」2024年の日本株に新たなムーブメントを起こすことに期待したいですね。

※「十干」とは、「甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・壬(みずのえ)・癸(みずのと)」。「十二支」と組み合わせた「干支」は60年周期で一回り(=還暦)する。

(FINTOS! 編集部)

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