ログミーファイナンスが行ったアンケート調査で判明
7割以上の上場企業が個人投資家に対するIR施策を実施または実施を検討
提供元:ログミーファイナンス
ログミーファイナンスが上場企業3,811社を対象に行ったアンケート調査(回答企業521社)によると、個人投資家に対するIR活動を「実施している」企業は61.9%、「これから実施を検討している」12.7%を含めると74.6%となっていました(図1)。
時価総額別に見ると300億未満と1,000億以上の企業が、上場区分別に見るとプライム市場(74.6%)、グロース市場(82.1%)の企業が個人投資家向けのIR活動が活発で、意識が高いことが分かります(図2、図3)。
この結果から、規模の大きな企業では、そのリソースの潤沢さを活かし、積極的に個人投資家に対するIR活動を展開していることが伺えます。これに対し、まだ規模の小さいグロース市場の企業は、リソースに限りがある中でもIR活動に力を入れている様子が見て取れます。これは、特に成長期にある企業にとって、個人投資家からの資金調達や、一般の認知度向上が重要であるため、IR活動への意識が高いと考えられます。
個人投資家に対するIR活動を実施している企業の理由としては、「出来高に貢献してくれる1プレイヤーだと認識している」「中長期の安定株主と思っている」という結果が上位になっていました(図4)。
一方、個人投資家に対するIR活動を実施していない企業の理由としては、「機関投資家向けのIR活動がメインで優先順位が低い」「費用対効果が期待できない」となりました(図5)。
個人投資家に対するイメージとして、「配当・優待がメイン」「若年層が少なく高齢層が多い」「長期保有せず短期売買がメイン」という上位の回答から、長期目線で投資をしてくれる若年層の新たな投資家を開拓していきたいが意向が推測されます(図6)。
個人投資家向けのIR活動においてSNSを活用する企業は少数派だが、活用している企業はX(Twitter)やYouTubeを用いる割合が多いようです(図7、図8)。SNSで企業のIR情報を収集する場合は、X(Twitter)やYouTubeを活用することが良さそうです。
IR活動上の課題として「新たなIR施策の検討と実行」や「投資家との接点不足」が挙がっていること、また、最も効果的な個人投資家向けのIR施策は「個人投資家向けの説明会開催」という結果から、今後個人投資家向けの説明会を開催する企業が増えていくことが予想されます(図9、図10)。実際の例としては、自社開催、IR支援会社・証券会社が主催する説明会への参加などがあります。また、日本経済新聞社が主催する日経IR・個人投資家フェアは過去18回開催されており、上場企業と個人投資家との対話の場として、出展する企業が一定数いるようです。
新NISAをはじめとした市場の潮流から個人投資家への注目はますます拡大し、今後より多くの企業が個人投資家向けにIR活動を実施していく可能性があります。個別株の投資を検討する際は、説明会を開催する企業や個人投資家向けのIRページを設けている企業から、情報を集めていきましょう。
(ログミーファイナンス)