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投資信託のトレンドが分かる!

2023年12月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2023年12月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「前月の資金流出超から一転、当月は資金流入超」

資金流出入額は約1,890億円の流入超となり、前月(約510億円の流出超)から一転し、資金流入超となった。

資産別の資金流入では、流入額の大きい順に、「外国株式型」(約1,890億円)、「エマージング株式型」(約940億円)、「外国債券型」(約550億円)となった。外国株式型は前月に引き続き、つみたてNISA対象のパッシブファンドへの流入が継続した他、米国で早期利下げ観測への期待が高まったことから、主に米国株式を投資対象とするアクティブファンドへの流入も目立った。

資産別の資金流出では、流出額の大きい順に「不動産投信型」(▲約1,020億円)、「複合資産型」(▲約400億円)、「その他」(▲約330億円)となった。不動産投信型は、米長期金利が低下し、海外不動産投信を中心にリターンが大きくプラスとなったことから利益確定売りが優勢となったものと思われる。

個別ファンドでは、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ)(約1,090億円)が資金流入で1位となった。2位は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」(三菱UFJ)(約780億円)、「アライアンスB・米国成長株投信D」(アライアンス)(約590億円)が続いた。

主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

2.投信市場のパフォーマンス動向

「主に海外資産のリターンがプラス」

12月の金融市場は、米国の早期利下げ観測の高まりから長期金利が低下した影響により、海外不動産投信型を中心に主に海外資産のリターンがプラスとなった。海外不動産投信型は、米長期金利の低下が寄与した他、住宅ローン金利の低下を背景に米住宅関連指標に改善の兆しがみられたことなどがプラスに寄与した。

株式市場は、米国で早期利下げ観測への期待が高まったことなどから、株価はおおむね上昇した。米国株式は、月上旬は、堅調な米雇用統計や消費関連指数を受けて米景気が軟着陸するとの楽観論が広がり、株価は上昇した。月中旬から月下旬は、米連邦準備理事会(FRB)パウエル議長による金融政策の転換を示唆する発言を受け米長期金利が低下した影響から、株価はハイテク関連株式を中心に押し上げられた。

欧州株式は、欧州中央銀行(ECB)理事会にて2会合連続で政策金利の据え置きが決定され、利上げ局面の終了が意識されたことから株価は上昇した。ただし、欧州圏の低調な経済指標を受けた景気後退懸念から上値は抑えられた。

日本株式は、月上旬は、日銀植田総裁の発言を受けて、早期のマイナス金利政策解除の観測が高まったことから国内長期金利が上昇し、株価は下落した。月中旬から月下旬は、米長期金利が一段と低下し米国株式が上昇したことを受け国内株式も上昇したものの、月初の水準からはおおむね横ばいで取引を終えた。

債券市場は、日米独金利は低下(債券価格は上昇)した。米国10年国債利回りは、月中旬のパウエル議長の金融政策の転換を示唆する発言を受けて、早期利下げ観測が高まり、月末にかけて3.88%まで低下した。

日本10年国債利回りは、月前半は日銀植田総裁の金融政策正常化を示唆する発言を受けて、早期のマイナス金利政策解除の観測が高まり、一時的に上昇する局面があったが、月中旬の金融政策決定会合にて金融政策の現状維持が決定されたことから、月末にかけて0.61%付近まで低下した。

為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに円高が進行した。米ドル・円は、月上旬に日銀植田総裁の発言を受けて、早期のマイナス金利政策解除の観測が高まったことから、円高が進行した。その後、月中旬にパウエル議長の発言を受け、米長期金利が低下したことから日米金利差が縮小し、月末に141円台まで円高・ドル安が進行した。ユーロ・円は、ECB理事会にて追加利上げの見送りが決定されたことを受けて利上げ局面の終了が意識されたことから、月末に155円台まで円高・ユーロ安が進行した。

これらを背景に、当月は主に海外資産のリターンがプラスとなった。外国為替市場で円高が進行したものの、資産価格が堅調に推移したことがプラスに寄与した。足許、米国では早期利下げ観測が高まっていることから、具体的な利下げ開始時期や利下げ回数などに注目が集まっている。一方、日本は、日銀が金融政策の正常化には賃金と物価の好循環を確認する必要があるとの姿勢を示していることから、マイナス金利解除などの金融政策の転換をいつ実施するのか市場の関心を集めている。

パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

3.新規設定ファンドの動向

「設定本数、設定額ともに前月から増加」

当月の新規設定は44本と前月(19本)から増加し、設定額も約960億円と前月(約310億円)から増加した。

新規設定ファンドのうち、設定額が最も多かったのは、「TRプライスニュー・ホライズン・ファンド B(ヘッジなし)」(Tロウプライス)(約220億円)、次いで「One G・ターゲット利回り債券ファンド2023-12(限定追加型)」(AM-One)(約170億円)となった。

1位のTRプライスニュー・ホライズン・ファンド B(ヘッジなし)は、米国の小型株式の中で、成長性が高いと判断される企業の株式を投資対象とするアクティブファンドである。将来的に大型株式に成長することが期待されるような有望な小型株式を発掘し、成長サイクルの初期段階から長期投資を行う。

新規設定金額、設定本数の推移

※ETF、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

最後に、12月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

資金流入上位15ファンド一覧

(三菱アセット・ブレインズ)

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