壁を気にせず働くメリットもある
年収の壁を気にせず働いてもいい人7選
提供元:Mocha(モカ)
年収の壁を意識して勤務時間を調整している人は少なくないと思います。働き方は人それぞれですが、人によっては年収の壁をあまり意識しない方がいい場合があります。
今回は、年収の壁を意識せずに働いてもいい人の例を7つ挙げてみますので、自分に当てはまらないか確認してみてください。
年収の壁とは?
年収の壁とは、年収が一定ラインを超えると税金や社会保険料の負担が発生する仕組みのことです。年収の壁を意識しているのは、一般的には配偶者がいる女性です(男性でも条件を満たせば同様ですが、以下は便宜上夫が妻を扶養しているものとして紹介します)。
年収の壁を超えないように働けば、税金や社会保険料の負担が発生しません。扶養内とも呼ばれる状態ですが、扶養内なら給料の手取りが多くなり、毎月使えるお金が増えます。
たとえば、103万円の壁を超えない限り、働いても所得税はかかりません。150万円の壁を超えなければ、夫が受けられる配偶者控除や配偶者特別控除も最大になり、夫の税金も安くなります。
社会保険(厚生年金、健康保険)に関しては、106万円の壁または130万円の壁を超えるまでは加入義務が生じません。配偶者の社会保険の扶養に入ることができ、自分は社会保険料を負担せずにすみます。
年収の壁を意識しない方がいい人もいる
勤務時間を調整して手取りを増やすことにもメリットはありますが、年収の壁を意識せず、扶養を出て働いた方がいい人もいます。以下、年収の壁を意識せずに働いてもいい人とはどんな人なのかを説明します。
●年収の壁を意識せずに働いてもいい人1:働きたくて働ける人
働くのが好きな人は、働いてたくさん稼ぐのがいちばんです。収入自体を増やせば、税金や社会保険料を払っても手取りは多くなるでしょう。働きたくて働ける人は、年収の壁など気にせずに、しっかり働くのがおすすめです。
●年収の壁を意識せずに働いてもいい人2:夫(配偶者)が高収入の人
夫が配偶者控除や配偶者特別控除を受けるには、夫本人の収入が年収1000万円以下という条件があります。夫が1000万円を超える高収入の場合、年収を調整したところで配偶者控除・配偶者特別控除の適用は受けられず、税金の扶養のメリットがあまりありません。そもそも夫が高収入で世帯収入が多いなら、自分の手取りが多少減っても影響は小さいでしょう。
●年収の壁を意識せずに働いてもいい人3:夫(配偶者)が退職間近の人
夫の扶養に入れるのは、夫が社会保険に加入している間です。夫が退職して社会保険を脱退したら、扶養には入れません。夫が退職間近なら、もう勤務時間を調整しない方がよいでしょう。
●年収の壁を意識せずに働いてもいい人4:離婚を考えている人
離婚すると配偶者は他人になるため、扶養に入ることはできなくなります。近い将来離婚を考えているなら、扶養を出て働くのがおすすめです。離婚ギリギリまで手取りを増やしたいと考える人もいるかもしれませんが、早く扶養を出た方が早く自立できます。
●年収の壁を意識せずに働いてもいい人5:病気やケガで収入が減るのが心配な人
扶養を出て自分で健康保険に加入していれば、病気やケガで長期間会社を休んだ際に、傷病手当金を受け取れます。病気やケガによる収入減に備えるには、社会保険に加入しておくのが安心です。
●年収の壁を意識せずに働いてもいい人6:老後の生活が不安な人
扶養に入っている限り、老後の自分の年金を増やすのは難しくなってしまいます。扶養を出て働けば、厚生年金を増やせるため、年金が増えます。老後の生活が不安なら、働けるうちに働いて年金を増やしておきましょう。
●年収の壁を意識せずに働いてもいい人7:夫(配偶者)が自営業の人
扶養は会社等の社会保険に加入している場合に利用できる制度です。夫が自営業で国民年金や国民健康保険に加入している場合、そもそも扶養の仕組みがありません。勤務時間を調整しても税金を抑えるメリットしかないため、働けるだけ働くのがおすすめです。
年収の壁を気にし過ぎず自分に合った働き方をしよう
年収の壁を超えない方がメリットは大きいと思って、何となく扶養内で働いている人もいるかもしれません。しかし、年収の壁を超えて手取りが多少減っても、それを上回るメリットがある人も多くなっています。
年収の壁を超えても手取りが減らないよう政府による対策もスタートしています。自分が何を優先するのかを考え、今後の国の動きも見ながら働き方を選びましょう。
[執筆:ファイナンシャルプランナー 森本由紀]
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