「投資のヒント」

国内株式の上値余地をどうみるか? ~「デフレ30年」からの脱却へ(3)~

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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◆足元の国内株式は上昇一服も、日本固有の「好材料」に変化は見られず

4月新年度入り後、国内株式市場は、やや上値の重い展開が続いています。日経平均株価は3月22日に過去最高値となる40,888円、TOPIXも同日にバブル期以降の最高値となる2,813をつけました。4月5日終値は日経平均株価が高値から▲1,896円の38,992円、TOPIXは▲111ポイントの2,702となり、各々▲4.6%、▲3.9%の下落となりました。急速な株高に一服感はあるものの、今後の上値余地について考えてみます。

春闘(春季労使交渉)で大幅な賃上げが実現し、デフレ脱却の達成が近づく一方、日銀は当面は緩和的な金融政策を維持するとの見方が広がっています。新NISA(少額投資非課税制度)による1~2月の購入実績のうち、国内株式(ETF(上場投資信託)、REITを含む)の比率が46%となるなど、個人投資家の目が予想以上に国内市場に向いています。

また、昨年の東証の市場改革に端を発した、企業による株主還元や資本効率改善策の公表が続く中、公表後の株価の明暗(上げ下げ)が鮮明化しています。こうした市場の反応は先行きの公表を予定する企業に一段の積極的な取り組みを迫るものと言えそうです。

※2024年3月7日 投資のヒント「日経平均4万円突破後の日本株をどう考える?」ご参照

◆アベノミクス以降、国内株式(TOPIX)は、概ね企業業績の伸びに沿った動き

下図(上段)は、アベノミクス相場の始まりとされる2013年1月以降のTOPIX(東証株価指数)とTOPIXの予想EPS※(1株当たり利益)の推移です。指数は概ねEPS(=企業業績)に沿った推移を続けています。下段の予想PER(株価収益率)は、この間は概ね12~18倍程度のレンジ(平均:15.8倍)で推移し、2024年3月末時点では16.3倍となっています。3月末時点の予想EPSは、「2024年度の増益率を織り込んだ」とも言えますが、株式市場では2025年度にかけて「ひと桁台後半」程度の業績の伸びが続くとの予想が大勢です。

※Bloombergコンセンサス予想ベース

◆先行きの株価指数のシミュレーション

先行きの株価指数(TOPIX、日経平均株価)の水準をシミュレーションしてみました。
前述の通り、3月末時点のBloombergコンセンサス予想が2024年度の増益を織り込んだものと仮定し、2025年度の増益率を3パターン(+6%、+8%、+10%)、予想PERを14~18倍までの5パターンとして、1年後のTOPIXの水準を算出してみました(左下図)。この数値に3月末のNT倍率(日経平均株価÷TOPIX、14.58倍)をかけて、日経平均株価の水準を算出しました(右下図)。

過去平均(15.8倍)~現行(16.3倍)並みのバリュエーションが続き、2025年度に+8%増益が実現すれば、TOPIXが1989年12月につけた過去最高値(2,884)を更新することになります。この場合、日経平均株価で4万3,000円前後の水準が現実のものとなる可能性があります。

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(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)

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